ゼミでのディスカッションを通じて、
客観的に考え、論理的に
説明する力が身につきました
西岡 聖奈 さん
国際関係学部 4回生
英語力の向上にも期待して国際関係学部に入学した西岡さん。国際関係学部に対する入学前後のイメージの違い、授業の中で行うプレゼンテーションやディスカッションを通しての英語力の伸ばし方、専門演習(ゼミ)の面白さなどについて話してもらいました。
専門分野の授業を通して
英語力を伸ばすことができる
国際関係学部を志望した理由を教えてください。
西岡国際関係学を学びたいと思ったのはもちろん、英語力の向上にも期待して志望しました。高校時代から英語での発表が好きだったので、大学では英語でディスカッションができるレベルまで英語力を高めたいと思ったんです。
入学して、国際関係学部のイメージは変わりましたか?
西岡国際関係学の幅広さと、答えのない課題に挑戦する難しさ、面白さを知りました。最初は英語で国際関係学を学びたいと思っていたのですが、それ以前に国際関係の基礎的な知識が乏しいことを痛感し、必修の英語以外はすべて日本語の授業を履修することにしました。1、2回生の授業でさまざまな分野の基礎を学び、徐々に国際関係学の全体が見えるようになると勉強も楽しくなっていきました。
今振り返ると「国際関係学といえば英語」は固定的なイメージだったかなと思います。たとえば、日本文化から見る国際関係も研究の対象になり得るからです。国際関係学には多様な切り口があり、英語以外のアプローチもたくさんあることを今は実感しています。
学部の学びで一番印象に残っている授業は何ですか?
西岡「国際関係学セミナー」です。ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』を読み、章ごとにプレゼンテーションを行いました。翻訳された日本語の記述自体が難しく、さらに、当時の時代背景を知らなければ理解が進まないため、発表の準備にとても苦労しました。プレゼンテーション資料を作成するために担当の範囲を何度も読み返し、分からない出来事はその背景や国家間の関係を調べ…、理解が不十分なまま発表当日を迎えることもありましたが、クラスでのディスカッションや先生からの解説を受けて理解が深まり、断片的な知識がひとつにつながったときの面白さが印象に残っています。
入学時に期待していた英語力の向上についてはどう感じていますか?
西岡スピーキングやライティングの力が伸びました。国際関係学部で英語力を伸ばそうと思ったら、語彙を増やすことや英文法を正しく覚えることよりも、授業でのプレゼンテーションなどで実践的、総合的に伸ばす方が有効だと私は思います。入学当初はパワーポイント資料の作成やレポートの執筆に苦戦しましたが、洋書の読み込みやプレゼンテーションの準備をするうちに自然と力がつきました。文法や発音に自信がなくても、失敗を恐れず、熱意を持って発表することが大切。ディスカッションで積極的に発言することも同様です。うまく話せないこともありますが、その悔しい経験が次への糧になったと感じています。
議論によって新たな論点に気づく
これがゼミで発表を行う意義だと思う
専門演習(ゼミ)について教えてください。ゼミの面白さはどんなところにあると思いますか?
西岡ゼミでプレゼンテーションをした後の意見交換がとても楽しかったです。私は日本文化における自文化と異文化の境界について研究しているのですが、結論に行き詰まったり、データに基づかない主観的な主張になってしまうことが課題だと感じていました。そんな時、ゼミの仲間から、それぞれの経験や考えに基づく意見をもらうことによって新たな切口を見出すことができたんです。
論理的な説明が難しい事柄や、自分の考えを言葉で伝えることに苦戦しているときの助言はとても励みになり、研究が一気に数段階進んだような感覚さえありました。議論が活発化すると、それまで注目していなかった新たな論点に気づくこともあって、これがゼミで研究発表を行う意義だと思いました。他の人の発表を聞く時も、自分の研究とつながる論点を探して注意深く聞くようになるので、意外な点から共通点を見つけることもありました。
ゼミを通して、物事に対する見方、考え方が変わったことはありましたか?
西岡オープンゼミナールで研究発表をするため、ゼミ内のグループで研究活動をしていた時のことです。私のグループは近年問題になっているセレブリティや有名人に対するSNS上の誹謗中傷問題について取り上げました。
当初私は、法的措置を厳しくすれば被害を減らせるのではないかと考えていましたが、研究を進める中で、リアリティショーやメディアを通して描かれるイメージによって視聴者が理想のセレブリティ像を作り上げ、そのイメージを裏切られたときに好意が誹謗中傷へと転換する、そう考えるようになりました。問題が起こってから法的な対応をするのではなく、苦しむ人が出る前に、ネットリテラシーやメディアの取り上げ方の見直しを行うことが、この問題の拡大防止につながるとの見方に変わりました。
大学での学びを通して身についたと感じていることを教えてください。
西岡自分自身の考えを、参考文献を用いながら論理的に説明する力が身につきました。以前は、論理的な検証に苦戦して主観的な論を展開してしまうことがあり、深く追求されると答えられないのではないかという不安も持っていました。そうなってしまうのは、文献からの情報収集と分析が不十分であるからだと考えた私は、研究テーマと関連する書籍にできるだけ多く触れ、その上で研究発表やタームペーパー執筆の準備を進めるようにしました。すると、自分の主張の裏付けとなる根拠が徐々に明らかになり、論の展開も明快になっていきました。
ゼミでは、定期的に自分の考えや課題意識を言葉で表現する機会が与えられているので、わかりやすく論理的に伝える力も自然と身につきました。情報収集や論の展開方法も自分なりの進め方が確立し、最も伝えたいことは何かを自分自身でも明確に理解できるようになりました。
衣笠キャンパスの中でお気に入りの場所はありますか?
西岡平井嘉一郎記念図書館です。学生ライブラリースタッフとして図書館業務のサポートも行っていました。図書館のなかでは地下1階がお気に入りです。他の階に比べて家具や照明が明るく、気持ちが落ち着くように感じています。図書館は階ごとに雰囲気が異なり、家具の種類も豊富なので、きっと自分のお気に入りが見つかると思います。
2022年3月更新
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