
学部卒業後に海外大学院へ進学。
卒業論文の作成を通じて身についた力は
社会に出ても役に立つスキルだと確信しています。
KIM Minsu さん
The University of Manchester MSc Development Economics and Policy(2023年度卒業)
2023年3月に国際関係学専攻を卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科へ進学。2023年9月からはイギリスのThe University of Manchesterへ進学し学修を開始する。
卒業後の進路として大学院進学を選んだ理由をお教えください。
KIM立命館大学国際関係学部では社会科学を中心とした学際的アプローチを通して幅広い知見や充実した経験を得ることができるものの、将来、専門家として働けるだけの確固たる専門性を獲得するにはもう少し勉強・研究を続ける必要性があるように感じました。そのため、2回生の終わりくらいから専門性の強化やキャリア・人脈の構築のために大学院への進学を検討し始め、3回生の秋頃から本格的に大学院進学の準備を開始しました。
将来はJICAやADB等の国際開発金融機関、政府系援助機関でアジア地域の経済開発・包摂的成長に携わりたいと考え、大学院は開発経済学、国際経済学、国際政治経済学、開発学、開発金融論、地域研究などの分野で研究・知見を深めたいという想いがありました。その中でも、神戸大学大学院およびマンチェスター大学院を進学先に決定した理由は、自分が興味をもつ分野(開発経済学、不平等問題)に関して世界水準かつ最先端の研究がなされており、世界中から学びにくる優秀な学生、教授陣と切磋琢磨して自らを成長させることができると思ったからです。
国際関係学部で執筆した卒業論文が完成するまでのプロセスを教えてください。
KIM卒業論文のテーマは、資本・金融のグローバル化と「経済成長-不平等-貧困削減」―1983~2020年のインドネシアを事例とした実証分析― です。
3回生の時から興味のある分野・テーマはある程度あったのですが、逆に興味がある分野が多すぎてなかなか絞りきれませんでした。そのため、卒業論文のテーマに関する勉強・研究を本格的に始めたのは3回生の春休み(2〜3月)ごろでした。
3回生の終わり頃から4回生の春学期までは卒論トピックに関する書籍や先行文献をひたすら読み込み、①今までの研究で解っていること、②自分が興味を持つ分野、③今までの研究で明らかにされていないこと、の3つを明らかにすることに尽力しました。
その中で苦労した点はテーマの決め方と先行文献の読み方・まとめ方です。初めて本格的に研究を行うということもあり、論文を読み進めてもトピックの範囲をいかに絞っていくか、どのように自らの独自性を発揮するかという点で葛藤することが多々ありました。
なかなか進捗が見られない中で焦ることもありましたが、日々文献を読む時間を作り、何度もリサーチトピックや論文全体の構成を意識しながら粘り強く取り組むことで少しずつ全体の流れを具体化することができました。
KIM4回生の夏休みは大学院の準備に追われていたため、なかなか卒論に時間を割くことができませんでしたが、9月の下旬からはインドネシア経済とグローバル化に関するマクロ時系列データを使用した計量分析を開始しました。この部分に関しても初めての試みだったため、使用するデータの選定や分析結果の解釈方法、因果関係の推定に苦労しましたが、指導教官である板木教授をはじめとして色んな人に確認してもらい、なんとか満足できる結果を得ることができました。
4回生の11月から12月の最終締切日までは考察や内容・構成の最終確認に多くの時間を費やしました。その中で特に意識・苦労したのは算出された計量分析結果を基にいかに独自性を示すかという点です。
締め切りも迫る中なかなか思い浮かばない結論に四苦八苦しましたが、最終的には、①計量分析で出た結果(統計・データ的説得性)、②それらを踏まえた対応策とインドネシア独自の傾向といった政治経済的・地域研究的アプローチの2つの融合というスタンスを取りました。これは様々な視点から国際現象を学ぶことができる国際関係学部で4年間を過ごすことができたからこそだと確信しています。
色んな人々の助けを得ましたが、その中で印象に残っているのは板木教授からのご指導や同期とのディスカッションです。板木教授には何度もテーマの決め方、絞り方、先行文献の確認、データの使い方や読み方、全体の論理性などを確認してもらい、論文執筆の土台を強固にしてくれました。時には厳しいコメントもありましたが、板木先生なしでは完成することが出来なかったと思います。また、同期の学生とはお互いの卒論の相互チェックを行い、些細な点でも気になるところは指摘し合い、議論したことで切磋琢磨することができた点も大きかったですね。
「卒業論文を書く」という過程で身についたことを教えてください
KIM自分が興味を持つトピックについての知見を深め、論理的かつ具体的に文章化・思考する力だと思います。今までの授業でも何度もレポートを執筆してきましたが、初めての学術論文・20000字以上の長い文章を書くことは初めてだったので最初はかなり苦戦しました。疑問点や重要な点を細かく分け、それらを少しずつ明らかにすることで最終的には説得力がある論文に仕上げることが出来たと思いますし、この経験は大学院での修論執筆や社会に出ても役に立つスキルだと確信しています。
立命館大学 国際関係学部の魅力とは何だと思いますか?
KIM一つ目は国際情勢に関して社会科学全般や人文学の観点から幅広く学ぶことが出来る点です。ある物事に対しても、政治学・経済学・社会学・法学など色々なレンズから見る「学際的アプローチ」を取ることで、より広い視点から知見を深めることができます。
二つ目は英語”を”学ぶのではなく、英語”で”学ぶことができる点です。今日の国際関係を学ぶにおいて、今や英語は必須言語となっていますが、国際関係学部では多様な専門科目が英語で開講されているため、世界中から集まった留学生と英語で議論を行うことができます。
三つ目は充実したサポート体制です。国際関係学部は西日本の国際系学部では一番歴史のある学部であり、キャリア関連の授業や多様なゲスト講師のお話を聞ける機会、就職面でのサポートなど、充実したサポート体制があるので、本人のやる気次第でいくらでも活用することができます。
四つ目は人々の多様性です。バックグラウンド、人種、経験など本当に多種多様な学生が集まっており、日々刺激し合える環境が揃っています。
国際関係学部を志望する受験生にメッセージをお願いします。
KIM国際関係学部では日本全国、世界各国から集まった多種多様な学生や様々な分野で最先端を走り続ける教授陣、自分が挑戦したい事に全力で取り組める環境が充実しています。京都という日本の文化の中心地で学ぶ4年間は間違いなく一生の財産になると思います。1人でも多くの方々が国際関係学部に興味を持ってくれると嬉しいです。
2023年7月更新
MORE INTERVIEWS
-
国際関係学部とアメリカ、両方のフィールドを2年ずつ体験できるJDPでの学びと暮らしは、自分の関心や挑戦したいことを自由に広げていける貴重な時間でした。
小暮 百音さん
アメリカン大学・立命館大学国際連携学科 4回生2025.08.01
studentlife|international|jdp|
-
国際関係学は、単に外国について学ぶのではなく、自国と他国の関係性や背景を多角的に理解する学問。日本を外からの視点で見つめ直すことで、世界を見る視野が広がりました。
岸本 幸弘さん
国際関係学専攻 4回生2025.07.09
academics|ir_major|
-
入学前から楽しみにしていた「GSG」。専攻・学科問わず学年全体で国際交渉に取り組むので、コミュニケーション力の伸びは多くの人が実感できると思います。
北内 ひかりさん
グローバル・スタディーズ専攻 3回生2025.07.09
academics|gs_major|
-
友人は皆、学びに対して熱心なので入学前に理想としていた大学生活を送る事ができています。ハイレベルな英語の授業を頑張ったことで自信を持てるようになりました。
南 佳恩
国際関係学専攻 2回生2025.7.1
studentlife|academics|ir_major|
-
国際寮で1年間Resident Mentorとして活動。寮に住む留学生との交流を深めるだけでなく、自分自身の成長にもつなげることができました。
尾上 沙知保
グローバル・スタディーズ専攻 4回生2025.7.1
studentlife|academics|gs_major|
-
様々な力が身に付いた1回生時の「基礎演習」。将来の目標は「まちづくり」に関わること。地域活性化に関わる課外活動にも積極的に参加しています。
安井 悠
国際関係学専攻 2回生2025.6.26
studentlife|academics|ir_major|