
差別や偏見をなくし、多様な人々が共に
生活できる社会を実現する一助となりたい。
岸本 杏菜 さん
国際関係学部 3回生
国際関係学専攻で学ぶ3回生の岸本さん。国際関係学部での学びや学部学生の様子、将来の夢についてお話を伺いました。
立命館大学 国際関係学部を志望した理由や入学前に学ぼうと思っていたことを教えてください。
岸本大学在学中に英語力を伸ばしたいという目標があったので、英語を学ぶ授業だけでなく英語で多くの専門科目の講義が開講されている学部に行きたいと考えていました。また、高校生の頃は発展途上国で支援をすることを将来の目標としていたため、英語力を伸ばしつつ国際関係や国際協力開発の専門知識を学べる立命館大学国際関係学部を志望しました。
入学してみて国際関係学部のイメージはどう変わりましたか。
岸本英語やその他の言語を話すことができる学生や社会問題に関心を持ち自分の意見をしっかり持っている学生が想像以上に多く、社会問題に関する意識が薄く英語で話すことが苦手だった私にとっては衝撃的でした。主に勉強に集中してきた人が多いイメージでしたが、勉強だけでなく海外留学を含む海外滞在やボランティア活動などの様々な経験をしてきた学生が沢山いて驚きました。(もちろん、私のように海外に滞在した経験のない学生もたくさんいます。)
国際関係学部ではどのようなことを学んでいますか?
岸本多文化社会論や比較文化論、国際ジャーナリズム論、異文化コミュニケーション論、Race and Ethnicity in the modern worldなどの講義を受講してきました。入学後、私は多文化主義やナショナリズムに関心を持ったので、これらをテーマとした講義はなるべく受講するようにしています。
最も印象に残っている授業はグローバル・シミュレーション・ゲーミング(GSG)です。この授業は国際関係学部の2回生全員が受講する授業で、それぞれが実在する国際機関やNGOおよび世界各国のアクター(国際社会を担う主体)となり、実際の国際課題を解決するために模擬国際交渉を行う授業です。私はドイツの労働・社会大臣を担当しましたが、週1回の授業内やそれ以外の時間での準備や7月のGSG本番を含めてハードかつ楽しい時間となりました。この取り組みを通して、普段から国際課題や国際社会に関心を持ちGSGにも真剣に取り組んでいる他の学生たちの姿を見て、より一層刺激を受けました。
大学入学後に成長した・変化したと感じることはありますか?
岸本学習に対する取り組み方や視野が大きく変化したと感じています。高校生までの私は授業中に発言などできないし、しようとも思わなかったのですが、本学部に入学し講義を受ける中で積極的に発言したり質問したりするたくさんの学生たちを見て、自分も講義中に積極的に発言したいと思うようになりました。それでも勇気が持てない自分に嫌気がさすこともありましたが、今ではそれを乗り越えて積極的に発言や質問ができるようになりました。この変化は私にとってとても大きなものです。質問や発言をするにあたっては、授業を集中して聞くこと、前提となる知識がすでに備わっていることが必要です。そのため、発言をすることは学習や講義に対する意欲の向上だけでなく、学習効率を上げ知識を深めることにもつながっています。
また、様々なバックグラウンドを持つ学生とのディスカッションの機会も多く、専門知識も深まってきて、以前より多角的に物事を捉えられるようになったと感じていますが、これからの学習や海外留学を通してもっと視野を広げていきたいです。高校生の頃は途上国支援に興味を持っていましたが、本学部に入学して学習していくうちに、日本国内における外国人に対する差別や偏見、技能実習制度や難民認定制度における課題に関心を持ち始め、日本において人種やジェンダーを越えて多様な人々が共存していける社会の実現の一助となりたいと考えるようになりました。
将来の目標を聞かせてください
岸本日本の難民認定制度や技能実習制度における課題解決の一助となりたい、特定の人種に対する差別的意識や偏見をなくし、多様な人々が共に生活できる社会を実現する一助となりたいという目標があり、そのためには大学院に進学してより多角的な視野と知見を得ていくことが必要だと考えています。
進学先は未定ですが、多文化が共生する社会において重要な概念であるナショナリズムについて古くから研究が進められており、移民に対して自国の文化や慣習に適応することを求めているという点で日本と共通しているにもかかわらず難民受け入れ数が日本よりはるかに多いフランスでの生活や学習を通して、この差が生じている理由を追求したいという理由から、フランスの大学院に進学したいと考えています。
海外大学院進学の準備としてフランス語の学習を進めつつ、難民支援団体が行っているオンライン講座や多文化社会に関連したシンポジウム、難民裁判にも積極的に参加しています。日頃からフランス語のコンテンツ(YouTubeやポッドキャスト、フランス語ニュースサイト)を視聴したりフランス語の書籍を読んだり、フランス語コミュニケーションルームに毎週参加したりして学習に取り組んでいます。また、DELFやTCFなどの語学能力試験にも積極的に取り組んでいます。
国際関係学部を志望する受験生に対してメッセージをお願いします。
岸本私にとって受験勉強はメンタルとの戦いでした。模試の結果を受け止めながら、時には目をそらしながら、睡眠と食事だけはしっかり取りつつできるだけ多くの時間を勉強に割きましょう。
私が受験生の皆さん、特に英語が苦手な学生さんに勉強面でアドバイスできることがあるとすれば、それは「毎日10分だけでも英語でポッドキャストを聞いたり、動画を見たりすること」です。聞くだけでも良し、聞きながら真似して英語を話してみるとなお良しです。私は入学後、英語の授業について行けず、このままでは駄目だと思って授業外でもポッドキャストで英語を聴き、そこからほぼ毎日英語を耳にする生活が始まりました。その結果、英語力(特にリスニング)が格段に伸びました。英語で話されているものであれば何でも構いません。ぜひ試してみてください。
2023年7月更新
MORE INTERVIEWS
-
国際関係学は、様々な学問分野の知識や理論を集約して国際社会を紐解いていく、学問の幅と深みを併せ持つ非常に魅力的な学問です。
片山 純雪
国際関係学専攻 3回生2025.4.11
studentlife|academics|ir_major|
-
学内外で平和構築について考え、行動する様々な活動に参加。これからも核兵器に頼らない平和を創る仕事に関わり続けたいと考えています。
倉本 芽美
国際関係学専攻 4回生2024.4.1
studentlife|ir_major|
-
学生同士や大学と学生との間を繋ぐ「国際関係学部自治会」での活動。3回生からは学部だけでなく大学全体に関わる学生団体でも活動しています。
藤澤 海音
国際関係学専攻 3回生2025.3.14
studentlife|academics|ir_major|
-
戦争や貧困のない社会を実現するには、人々が「社会はどうあるべきか」に関心を寄せ続けることが不可欠と思い、取材や報道を通じてその一端を担える記者を目指しました。
高田 みのり
中日新聞社(2016年3月卒業)2025.3.14
alumni|
-
「国際関係学×言語」で日米をつなぎたい- 私が挑んだJDPの4年間とグローバルな未来
稲田 実々
アメリカン大学・立命館大学国際連携学科 4回生2025.02.25
studentlife|academics|studyabroad|jdp|
-
自身の経験を元にキャリア・心理の両面から従業員支援を行う会社を起業。国際関係学部での学びが今の海外事業展開の土台になっていると強く感じます。
福井 千春
Veap Japan株式会社 代表取締役/公認心理師(2009年3月卒業)2025.2.21
alumni|