ノルウェー留学からシステムエンジニアの道へ

後藤 岳穂 さん
アクセンチュア株式会社(2017年度卒業)

国際関係学部に在学中、ノルウェー国立ベルゲン大学への交換留学に参加。卒業後、株式会社エスピックに入社し、WEBアプリケーション開発を4年間経験。2022年からアクセンチュア株式会社でBPMシステム「Pega」の導入プロジェクトに参画中。

卒業後の進路を決めた理由や現在のお仕事について教えてください。

後藤システムエンジニアを志望した理由は、2つあります。1点目は、大学生の時にノルウェーへ留学した際にITと人々の暮らしが結びつく生活を体験して、ITの将来性に魅力を感じたためです。

2点目は、先端科学技術の発展をより身近に感じるためです。国際関係学部で国際秩序や社会制度、文化は先端科学技術の発展と共に変化していくことを学びました。AIや量子コンピュータなどの技術を実際に活用する現場に身を置き、働き方や生活がどのように変化するのか肌で感じたいと考えました。

現在は「Pega」というBPMシステム(企業の業務を実行・管理するためのシステム)の導入プロジェクトに参画しています。紙で業務を行っている場合、企業の規模が大きくなればなるほど、「現場ではどのような業務をしており、各業務にどれくらいの時間がかかっているのか?」「どの業務同士が関連しているのか?」を判断することが難しくなります。本プロジェクトでは、BPMシステムの導入によって、業務量と各業務の依存関係を可視化し、効率的な業務へと改善させていくことを目的としています。

1つの業務をシステム化するにしても、技術的および予算的に実現可能な方法は何かを都度判断しなければなりません。「システムで実現可能な案を提示しても、業務が回らなければ意味がない。しかし予算は限られているためお客様の要望をすべて反映することは難しい…」こうした試行錯誤を繰り返しながら実現方法を協議した末、最終的にお客様に納得いただけた時は嬉しいですね。

大学での学びが仕事で役立っていると感じられる場面はありますか?

後藤国際関係学部の4年間で思い出に残っていることは、ゼミにおける先生と生徒を交えた議論の時間です。「人間らしい活動とはどのようなものなのか?」「人はなぜ不可能と思われることに挑戦するのか?」「芸術は人間固有のものなのか?」「客観的な事実は存在するのか?」など、答えのない疑問を真剣になって議論する時間は、とても楽しかったです。

仕事で行き詰まったときは、一度立ち止まって自分自身を俯瞰してみるようにしています。業務中は短時間で多くの成果を出さなければならず、効率性や生産性のみに着目して仕事をしていると、自分が単なる道具となった気分になることがあります。そんなときはゼミで議論していた頃のように一度立ち止まり、「仕事をしている自分だけが価値がある訳ではないこと」「どんな仕事も結局は人間の活動であり、完璧なものではないこと」と考え、「仕事」という尺度だけで物事を判断しないように心掛けています。

卒業して感じられる国際関係学部の魅力とは何でしょうか?

後藤政治、法律、経済、文化など、幅広い分野の講義が受講可能なため、国際社会で取り上げられる問題が、身の回りの生活とどのようにつながっており、いかに複雑に絡み合っているのか学ぶことができました。

国際関係学部に入学したての頃、社会の複雑さや学問の広さを目の当たりにして、茫然としたことを覚えています。卒業した後も変わらず社会の複雑さには悩まされておりますが、こうした存在に気づけたことは、国際関係学部での4年間のおかげだと考えています。

国際関係学部を志望する皆さまへのアドバイスとして、単位の取得にこだわるのではなく、より深い目標を持って学びに取り組んでいただきたいと思っております。私自身、試験などの前は表面的な知識を収集し、暗記するような学習をしていましたが、結果的に単位は取れたものの、そうした学修をした授業では卒業後に活かせるような知識や考え方を十分に身に着けることが出来ませんでした。

自分の言葉で納得するまで考え、仮説を立て検証していくこと、こうした力を身につければ、前例のない課題に遭遇した場合でも大方対処できるのではと考えています。現代社会では日々膨大な情報が飛び交い、情報を整理するたけでも難しいかとは思いますが、ぜひ考える時間を大切にして、実りのある大学生活を送ってください。

2023年9月更新

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