「人事」のキャリアを積む中で、学生時代の「海外で仕事をしたい」という思いは変わらず、ベトナムで日系企業を人事労務の面からサポートする会社を起業。

豊田 英司 さん
アジアゲートベトナム 代表(1997年3月卒業)

1997年3月に国際関係学部を卒業後、人材総合企業のパソナに入社。その後、ヤンセンファーマ(ジョンソンエンドジョンソンG)、住友建機(住友重機械G)を経て、2012年よりベトナムでアジアゲートベトナムを起業し、現在に至る。

現在、どのようなお仕事をされていますか?

豊田私の設立した会社であるアジアゲートベトナムは、ベトナムで事業を行う日系企業が主なお客様です。お客様が日本とは大きく異なるベトナムでの人事労務業務をスムーズに行うために、労働法知識や人事マネジメントの知見等を提供することで、多くの企業様をサポートしています。

学生時代はどのような大学生活を送られていましたか?

豊田2回生まではアルバイトに明け暮れる日々で、正直、あまり大学での勉強に熱心な方ではなかったと思います。しかし、3回生でモンテカセム先生(後に立命館アジア太平洋大学学長、現在、国際教養大学学長)のゼミに入り、国際的な観点で農業や通信を考える授業を受け、実際の農協の方々と討議をするゼミ合宿などで学びの楽しさを経験し、海外で仕事をすることを夢見るようになりました。

モンテカセム先生とハノイにて

卒業後、現在のお仕事に就かれるまでのキャリアを教えてください。

豊田卒業後、人材総合事業を手掛けるパソナ社に就職し、東京で営業、人材募集、特別プロジェクト担当などに従事しました。その中で「人事」という仕事に興味を持ち、2005年にアメリカ企業であるジョンソンエンドジョンソンの100%子会社であるヤンセンファーマ社へ転職し人事業務を経験することができました。

人事業務をこなす中でも、やはり国際関係学部を受験した動機である「海外で仕事をしたい」という思いは変わらず、2008年に住友重機械グループの子会社である住友建機が海外子会社を立ち上げ、そこで人事業務を行える人事マンを募集しており、運良く採用されました。採用後はすぐに海外子会社関係の業務をさせていただき、インドネシアでは実際に駐在して人事総務の責任者として、現地の建設機械工場の立ち上げ業務に従事しました。

そして、海外で業務をこなす中で日系企業が海外で、国によって特色がある「人事労務」を行うことの困難を自ら経験し、2011年に住友建機を退職、ベトナムへ拠点を移し、ベトナムの人事労務アドバイス会社である「アジアゲートベトナム」を起業し、現在に至ります。

インドネシア工場にてスタッフと

国際関係学部での学びや経験が現在の仕事で役立っていると感じられる場面はありますか。

豊田国際関係学部でモンテカセム先生に出会い、学べたことが何よりも大きかったです。非常に国際的な経験を持つカセム先生との授業や授業後の会話、定期的に開催される食事会など、全てが刺激的で学びに満ちており、自分自身が将来海外で働く、ということを強くイメージすることができました。今でもカセム先生とは年に一度はご出張でベトナムにいらした際にお話しさせていただき、常に世界最先端の知識を教えていただき、いつも刺激をいただいています。

今後の展望を教えてください。

豊田現在、ベトナムは世界の中でも日本企業の進出が最も多い地域の一つで、東南アジアの中でも日系企業の数はトップクラスとなっています。それにつれて、ベトナムでの人事労務管理の課題もどんどんレベルアップしており、自分自身の経験の棚卸し、さらに新しい人事労務知識の習得を私自身がしなければならないと痛感しています。知識集約型の業務なので従業員の教育も大変なのですが、少しでも多くの企業様を支援できるよう、ベトナム人スタッフの育成にも力を入れていきたいと思っています。

ハノイでのセミナー講義中の様子

国際関係学部の後輩へメッセージをお願いします。

豊田国際関係学部の魅力はなんといっても「国際」という名前に惹かれて入学した仲間が数多くいることだと思います。社会に出てみると、国際的な仕事を「できたらいいな」と思っている人はたくさんいますが、「必ず海外で仕事をするぞ」という強い意志を持った人というのはそれほど多くいないと痛感します。そんな中で、国際的な仕事をすることを強く願う仲間と出会い、過ごせることが国際関係学部の1番の魅力ではないかと思います。

ぜひ、同じ志を持つ仲間たちと素敵な時間を過ごしてください。

(追伸)
2012年より立命館大学ハノイ校友会の会長をさせていただいております。お仕事やプライベートでハノイへお越しの際にはお気軽にご連絡ください。
toyoda@asiagatevn.com

2025年1月更新

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