教員紹介

Kazunari KIMURA

木村 和成

木村 和成
専門
民法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

個人は誰もが、多かれ少なかれ、さまざまな信念や譲れない一線というものを持っています。かつては、常識や社会通念という枠を超えてまでそれを貫いていく人は少数派だったように思います。しかし、今日では、多種多様な背景を理由とする個人の価値観の変容を通じて、常識や社会通念という枠自体が熔解し始めています。ここ数年考え続けていることは、そんな状況の中で、自分がこうしたい、こうありたいと思うことを、他者や社会との関係で、どこまで貫くことができるのか、それがどこまで正当化されるのか、ということです。自分の専門である民法に引き付けると、他人の行為で自分がイヤな思いをした場合、それがどこまで救済されるのか、という話です。

どんな学生時代を送っていましたか。

こういう場で堂々と語ることのできるような学生時代を送ってきませんでしたが、振り返ってみると、あのころのいろいろなことが、自分の今に活きていると思います。将来への不安は持ちつつも、とても楽しい学生時代でした。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

3回生の時に、民法のゼミを選択したことがきっかけです。実は他に行きたいゼミがあったのですが、選考に落ちてしまい、しかたなく選んだのが民法ゼミでした。しかし、そのおかげで今があるのですから、人生、何がきっかけで行く先が変わるか、わからないものです。

受験生のみなさんへのメッセージ

法学部で学んでも、7割ほどの人が法律とは直接関係のない仕事に就いていきますし、もともと入学当初から法律関係の仕事に就くつもりがない人も少なくありません。〈法学部=法曹〉のイメージは強いと思いますが、現実は必ずしもそうではないのです。それでも法学部で学ぶ意味は、法学や政治学の学びを通じて、社会のしくみを知り、社会のあり方を考えることにあります。社会をかたち作るのはもちろん〈個人〉ですが、その〈個人〉を生(活)かすも殺すも法次第、政治次第なのです。

おすすめの書籍
好きなもの、興味を持ったものを楽しく読んでください。

経歴・業績について