教員紹介

Chihara WATANABE

渡辺 千原

渡辺 千原
専門
法社会学

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

法社会学専攻です。本の上の法(条文解釈)ではなく、社会の中で実際に機能している法に注目する学問ですが、私は司法制度、とくに医療過誤訴訟などの専門訴訟の実際の働きに関心を持っています。実際に法を動かす存在である法曹の役割や、専門家にも関心を持っています。科学技術が発展し、そうした問題の重要性が高まる現代社会で、「文系」の法専門家が、いかに科学技術や医療などの専門的なことがらの規律や法的判断を適切に行えるのかという問題関心を持っています。

どんな学生時代を送っていましたか。

奈良の田舎から2時間かけて通学していたので、来たからには真面目に授業を受けようと、当時の京大生にしては珍しく、教室の前のほうで授業を真面目に受けていました。レジュメ配布する先生が少なかったなか、ノートを取るのが得意だったので、多くの友人たちの救世主でした。長期休暇になると、アルバイトでためたお金で、友人とJRの周遊切符で国内旅行を楽しんでいました。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

高校時代、理系を選択してクラブでは地学部に所属していて、宇宙の摂理に近づきたいという憧れがあったものの、物理学を極めるのは無理だと思い、社会の摂理としての法を学ぼうと文転。法解釈に、社会の摂理があるとは思えず、社会と法の関わりを自由に探求できる法社会学に、その道を見いだしました。方法論として、サーベイ調査や統計的手法等で事実を明らかにしようとすることもその魅力の一部です。

受験生のみなさんへのメッセージ

法学は基本的に大人の学問なので、高校時代に、具体的なイメージや関心を持つことは容易ではないと思います。入学してからの勉強も、比較的地味で骨が折れます。しかし人間社会の叡智として歴史的に積み上げられてきた法とその考え方について学ぶことは、社会人として生きていくためにも、社会を見る目を養う上でも意味があり、一生の財産になると思います。そういう実りある学問分野として、ご一考ください。

おすすめの書籍
法学入門末弘 厳太郎(日本評論社)

経歴・業績について