教員紹介
Yumiko TANAKA
田中 悠美子

- 専門
- 民事訴訟法(民事手続法)
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
専門分野は民事手続法です。民事手続法とは、人々の間に発生する紛争(もめごと)を法的に解決するための手続について定める法のことです。
民事の手続について定める法というもののイメージはつかみにくいかもしれません。たとえば、XさんがYさんに10万円を貸したけれども、期限が過ぎてもYさんはそのお金を返さないという事態を想定してみてください。この場合、民法の世界では、Xさんには10万円を返してもらう権利があるということになります。しかし、Yさんが自発的に10万円を返してくれないならば、Xさんは実際には10万円を手にすることができません。そこで、10万円を返してもらう権利を現実に実現するためのシステムが必要になります。そのシステムについて考えるのが民事手続法の世界です。
どんな学生時代を送っていましたか。
国際法の模擬裁判と勉強会を通して国際法を学ぶサークルに入り、多くの時間をサークル活動に充てていました。そのため、学生時代の前半はサークルのことばかり考えていましたが、サークル活動のおかげで法的にものごとを考える楽しさを知り、何らかの形で法に携わる仕事に就きたいと思うようになりました。そして、卒業後の進路について真剣に考え始めた頃、国際法だけではなく日本の国内法も面白いということに気づき、法科大学院への進学を目指すことに決めました。それからは、ゼミや講義を中心とした学業にもより熱心に励むようになったと思います。
現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。
法科大学院に進学した当初は、実務家と研究者のいずれを志望するか悩んでおり、進路を決めきれずにいました。迷いながらも目の前のやるべきことに取り組んでいくうちに、このまま大学で法について学び続けたいという思いが強くなり、研究の道に進むことにしました。その中でも民事手続法を専攻することに決めたのは、一言で言えば、最も心惹かれた法分野が民事手続法だったからです。