在学生の声

2020

司法特修

様々な機会を積極的に捉え、自ら能動的に行動する~医療機器研究開発の最先端の現場で、貴重な学びを経験~

司法特修
3回生

京都府・立命館高等学校

 私は、「法学を通して、意見を発信する力や解決策を実行する力を身につけ、国内外で通用する人材になりたい」という目標を掲げて進学しました。幸いにも西園寺記念奨学生に複数回選出していただき、つねにモチベーションと緊張感を持って学業に取り組むことができました。たいへん恵まれた環境のなか、奨学生としての自覚と誇りを持って学ばせていただけたことに心から感謝しております。

 法学部は学びのサポートがとても充実しているところです。任意参加の機会が数多く提供されており、自らの選択で活用していくことができます。例えば、「まなぶーす定期試験対策」で諸先輩方から論述試験対策のコツを教えていただいたり、「法友会×伊藤塾」の法律勉強会や「法友会×LEC」の定期試験対策会で具体的な試験対策をしたり。望めば、海外留学も体験できます。私は、ケンブリッジ大学での約1か月間の留学「イギリス法政スタディ」へ参加しましたが、生涯忘れることのできない大変有意義な経験となりました。現地での模擬裁判授業では、弁護士役(ジュニアバリスタ)としてチームを引っ張る役割を求められたのですが、日本での模擬裁判ですでに裁判長役、検察官役を経験していたことから、無事大役を果たすことができました。個人でなくチームでの学びの達成感は格別です。担当教授から高評価をいただいたことは、たいへん大きな自信になりました。他にも、豊富な文献に触れることのできる図書館は、詳しい調べ物をしたり、学習内容を整理したりするのに役立ちました。また、友人達との勉強会を通じて、他人の勉強法の良いところを参考にさせてもらったり、自らの学習法を振り返ることもできました。自分が日々成長しているのを実感できる、たいへん充実した日々でした。

 こうした日常をごく当たり前に感じていたこの春、事態は一変。新型コロナウイルス感染拡大で世界中が混乱し、立命館大学でもこの状況を鑑みて、春学期はWeb講義にシフトしました。日々のニュースは、感染者の増加、個人防護具の不足、医療現場の逼迫でした。コロナ禍、「私にもできることはないのか」と模索していた頃、偶然にも大阪大学大学院医学系研究科で医療機器開発に携わっておられる中島清一特任教授が、個人防護具「フェイスシールド」のフレーム・データをWebで無料公開された、という記事を拝見しました。私は「これなら私にもできる。医療関係者の皆様のちからになれるかも」と思い、さっそく家庭用3Dプリンタでフレームを出力して近隣機関へお届けする、という活動を始めました。フレーム出力は時間のかかる、もどかしいものでしたが、日本全国からの問い合わせにできる限り対応したいとの思いから、空き時間を見つけては作業を続け、地域の病院や福祉施設、教育施設などに自作フェイスシールドをお届けしていきました。実際に配布した方々からは、「掛け心地が良くて快適です」、「顔全体が守られているため安心です」といったお言葉をいただき、逆に励まされました。

 私が参加したFacebook®「3D PRINT FACE SHIELD」ボランティアグループでは、活発な意見や情報の交換が行われ、私も品薄、高騰化した高透明シールドに代わる透明シールドの作成方法の提案をさせていただく等、積極的に活動に参加しました。これをきっかけに、3Dデータを公開された中島教授からスカウトを受け、クラウドファンディングによる阪大フェイスシールド量産プロジェクトのお手伝いもさせていただくことになりました。全国に約550ある感染症指定医療機関への電話による聞き取り調査や、キャッチフレーズ『あなたを守るはわたしを守る』の筆書きステッカー制作、活動報告書の作成等、短期間に多くの経験をさせていただきました。3年次からメインになるはずの知的財産法ゼミは未だリモート授業が続いていますが、医療機器研究開発の最先端の現場で、貴重な学びの機会をいただけていることを嬉しく思います。

 このように、私は「様々な機会を積極的に捉え、自ら能動的に行動すること」が「自身の学びをステップアップさせる」ということを実践的、体験的に学んでまいりました。どんなときでも、「一歩を踏み出すこと」には勇気が必要ですが、勇気を出した以上の学びがかならず返ってくると思います。貴重な学びの機会を数多くいただいてきたことに感謝しながら、私の強みである「コツコツ前に出る力」を将来のキャリアに結びつけていきたい、と思っております。

20200903uenisi

取材:2020年

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