在学生の声

2021

司法特修

学びの過程のなかに「新たな出会い」がある

司法特修
3回生

京都府 嵯峨野高等学校

 私が法律に興味を持ったのは、中学生の時、あるドラマを見たことがきっかけでした。実際に大学で法学部に入学し、勉強しだすと、自分が思っていた以上に法学を学ぶことにはまっていきました。
 決定的だったのは、2回生の時に受けた刑法総論の授業の中で、不真正不作為犯についての事例問題の答案を書いている時でした。私が履修していたのは、法曹コースの刑法総論の授業だったのですが、その授業ではほぼ毎週事例問題の答案を書くという課題がありました。その課題の中で、内容はわかっているつもりでも、うまく論述で表現できず、自分の答案に違和感を感じる問題に出会い、一日中その問題について考えていました。ちょうどその頃は、コロナが流行り出した初めの頃で、授業も全てオンライン、もしくはオンデマンドで、通学時間も必要なく、遊びにもいけなかったため、非常に時間に余裕がありました。その時間を使い、教科書や参考書を調べたりしながら違和感の正体を考えていました。そうして考えているうちに、ふと、とてもスッキリと理解することが出来たのです。その時の快感や達成感は、今でも非常に印象深く私の中に残っています。
 一回生の時は、刑法にそこまで興味はなく、どちらかというと民法の方に興味があったのですが、この事がきっかけで、今では刑法ゼミに所属し、より深く刑法について学んでいます。
 また、それまでは、ただただ習った事を覚えて、論述の練習をして、テストを受けて、という、高校とあまり変わらない勉強の方法で勉強をしていました。おそらくこれも、間違いでは無いと思っています。ですが、ただ覚えるだけではなく、自分の頭で限界まで考えて、理解する、というのが学ぶということであり、学問であると、この経験から身に沁みて感じました。そして同時に、学ぶ楽しさというものをこの経験から知る事ができました。

 大学は、高校までとは違い、想像以上に自由な場所です。やるもやらないも自分次第であり、何をやるかも自分次第です。また、意外と自分の知っているものや世界はとても少なく、狭いものです。これから入学される皆さんには、様々な事を選り好みせず学んでいって欲しいと思います。興味がないと思っていた分野でも、やってみると面白いこともあります。やってみても興味が持てなかったとしたら、それはそれで1つの発見だと思いますし、その過程で何か新しい出会いがあるかも知れません。皆さんが様々なことにチャレンジして、充実した、後悔の無い学生生活が送れるよう、応援しています。

取材:2021年

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