教員紹介

Shigehiro IWABUCHI

岩淵 重広

岩淵 重広
専門
商法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

専門分野は商法で、その中でも会社法と呼ばれる分野を中心的に研究しています。具体的な研究テーマは、倒産局面にある会社の取締役の義務や責任というものです。会社が倒産間際になると、その会社の取締役は、イチかバチかの経営判断や、酷いときには詐欺まがいのことをして会社を存続させ、その結果、会社債権者に損失を生じさせるという問題が起こったりします。こういった問題は、日本だけでなく外国でも起こっている問題ですが、その対処のためのルールは国ごとに異なっています。上記の研究テーマにおいては、外国の法制度等を調査しつつ、日本において、倒産間際の会社の取締役のどのような行動が規律されるべきなのか、そして、そのための法規制がどういった内容であるべきなのかを検討してきました。最近では、以上のテーマの他にも、デジタル技術を用いた資金調達方法に関する法規制の在り方というテーマでの研究も始めまして、具体的には、クラウド・ファンディングや非上場株式のセカンダリー市場に関わる法制度の在り方を検討しています。

どんな学生時代を送っていましたか。

勉強して、バイトして、友人と遊んで、という学生生活でした。いわば、普通の大学生でしたが、大学生の頃に知り合った友人の中には、現在でも定期的に会う人がいます。そういう意味で、貴重な出会いのたくさんあった学生時代でした。一方で、話は脱線します(質問に対する回答ではなくなります)が、こういう学生生活を送れば良かったなという後悔は結構あります。たとえば、もっと旅行に行けばよかったとか、こういうバイトをしてみればよかったなとか、サークル活動やボランティアにもっと参加したらよかった…などなど。挙げればキリがありません。思い切ってやってみたことは、今でも、良い経験・思い出になっているので、大学生の皆さん(あるいはこれから大学生になる皆さん)には、研究・勉強にも励みつつ、いろんなことに積極的にチャレンジして欲しいなと思います。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

きっかけは、商法・会社法のゼミに入ったことですが、その後に同分野での研究職を志すようになったのは、そこでの議論が面白かったからだと思います。つまり、こういうルールを設計したらどうなるのか、あるいは、とあるルールが何のためにあるのか等を議論したりするのが面白かったからだと思います。また、この文章を書きながら、こういったことが面白いと思えた理由を考えてみたのですが、おそらくは、「どういうルールがあれば(あるいは、どういう役割分担をすれば)その集団・組織がうまく機能するか」といったような問題を考えたりすることが昔から多かったことが、その理由なように思いました。例として適切なのかはよく分かりませんが、サッカーのフォーメーションごとの特徴の違い(4-3-3と4-4-2で何が違うか)を考えることに興味があると、商法・会社法分野は興味を持ちやすい分野なのかもしれません。

受験生のみなさんへのメッセージ

法学部は、法律に限らず、様々なルールの作られ方・作り方に関わる知識・スキルを学ぶところです。このルールというものに対する印象は、もしかすると、我々の活動を制約する鬱陶しいもの、というものかもしれません。しかしながら、ルールは、私たちが、快適に暮らしていく上で必要不可欠な仕組みです。ルールが適切に設計されているからこそスポーツが面白くなるのと同じように、社会においても、一人ひとりが心地よく生きていくために、良きルールは欠かすことができないものです。そして、その良きルールを作るのは、他でもない我々1人1人です。1人でも多くの受験生の方が法学部を志望され、より良き社会の作り手になられることを願ってやみません。私もまだまだ勉強し続けなければならない身ですが、立命館大学法学部で、受験生の皆さんと一緒に勉強できる日を楽しみにしています。

おすすめの書籍
「はじめて考えるときのように」野矢 茂樹 / PHP研究所(2001年)

経歴・業績について