教員紹介

Nozomi YAMADA

山田 希

山田 希
専門
民法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

18世紀後半の産業革命以降、科学とそれを実用化するための技術の進歩には目覚ましいものがあります。生活が日増しに便利で豊かになっていることを皆さんも実感していることでしょう。しかし、科学技術の進歩には、どうしても副作用が伴います。たとえば、自動車の普及は私たちの行動範囲を大幅に広げる一方で、交通事故の増加を招きます。交通事故にあえば、怪我をしたり(最悪の場合は)死亡したりします。怪我や死亡のような損害が生じる可能性のある出来事をリスクといいますが、現代社会はリスクにあふれているといえるでしょう。私の研究テーマは、このような「リスク社会」における法的な「責任」のあり方を考えることです。

どんな学生時代を送っていましたか。

私は2つの大学に通いました。最初は、夜間の大学の外国語学部でフランス語を学びました。昼間は市役所に勤務し、主に農政と税務の仕事を担当していました。正直に言いますと、このときはあまり勉強に興味がなく、大学ではもっぱら友人と食堂で雑談をして過ごしました(ただ、そのことを非常に後悔しています)。2つ目の大学(法学部)には、結婚後に市役所を退職して編入しました。講義は面白く、いつも最前列の席に座って先生の話をきいていたことを思い出します。社会人学生の友人が大勢いましたので、彼(女)らと毎日一緒にランチをしながら(また時には飲みにも行って)法律の議論をしたり雑談をしたりして、本当に楽しく過ごしました。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

きっかけは、市役所で働いていたときに法律(民法)に接する機会に恵まれたことです。それで、当時多くの人に読まれていた我妻榮先生の民法の教科書(通称「ダットサン」)を買ってみたのです。20歳前後のころですが、ぼんやりとしかわからなかった社会の仕組みがとても論理的に説明されており、法学の世界にすっかり魅了されてしまいました。

受験生のみなさんへのメッセージ

知識は人生を豊かにします。いま高校で学んでいることも、将来どんなふうに役に立つかわかりません(先日フランスの博物館を訪れた際には世界史の知識が役立ちました!)。高校で、そして大学で、できるだけ多くのことを吸収してください。

おすすめの書籍
日本の法緒方 桂子 他(日本評論社)

経歴・業績について