研究活動
旧石器・縄文(FA)ゼミ
矢野健一 教授

ゼミ・研究活動
杉沢遺跡の発掘調査
現在は、滋賀県米原市の伊吹山のふもとにある杉沢遺跡で毎年、発掘調査を行っています。 杉沢遺跡は縄文時代の終わりに主に子供の墓として作られた土器棺墓という墓が日本で初めて見つかった遺跡として有名です。 私たちは2011年から発掘調査を継続しており、美術家といっしょに地中に土器が埋まっている状態を再現して展示するプロジェクトや小学生体験発掘も実施しています。 夏休みに一か月ほど合宿して、発掘のかたわら、地元の方からいただいた野菜で自炊したり、伊吹山に登ったり、関ケ原など近くの史跡を見学したりします。 発掘成果はゼミ生といっしょに、学会で発表しています。早送りで発掘の様子を記録した動画の一部をご覧ください。
琵琶湖湖底遺跡の調査
琵琶湖には100を超える湖底遺跡がありますが、多くは水深2,3mの浅い湖底にあります。 その中で、湖北の長浜市沖にある葛籠尾崎湖底遺跡は水深70mを超えるところに土器が多数、沈んでいます。 大変深いので、湖底の様子はよくわかっていません。 私たちは2010年から立命館大学理工学部の川村貞夫教授のゼミで開発した水中ロボットで、湖底の遺跡を調査し、新たに多くの土器を発見しています。 立命館大学琵琶湖Σセンター客員教授の熊谷道夫先生とも水中ロボットを使った調査を実施しています。長浜市の葛籠尾崎湖底遺跡資料館には漁網に引っかかって引き揚げられた土器が多数収蔵・展示されており、その土器の調査もゼミで継続しています。

教員からのメッセージ
教員の研究紹介
縄文時代の土器分布圏や村の構成を中心に研究してきました。 最近は特に、その研究を発展させて、稲作導入にいたる縄文社会の変化を人口の問題や気候変動との関係を重視しながら解明することを研究課題としています。滋賀県米原市の伊吹山山麓にある縄文時代終末の杉沢遺跡を2011年からゼミで継続的に発掘しています。
立命館大学の環太平洋文明研究センターという組織に所属して、人類学、地理学、環境考古学などの研究者と共同で関連するプロジェクトを企画、実施しています。琵琶湖底遺跡の調査や、美術家との遺跡再現展示のほか、尾関清子先生の縄文の布資料や福本繁樹先生のニューギニア民族資料の整理・目録作成作業にも関わっています。

