研究活動
「地理情報科学」
リサーチユニット
情報処理技術を駆使して、人文地理学・自然地理学のあらゆる研究対象に関する地理情報の処理方法の研究・開発を進めています。
研究のねらい
地理情報システム(GIS)・空間統計分析の手法を用いて、様々な地域で生じている空間的現象の論理的な記述・説明・予測を行なうリサーチユニットです。
研究スタッフ
-
矢野 桂司教授
研究テーマ
地理情報システム(GIS)を用いた歴史都市京都の研究
専門分野
人文地理学、地理情報科学
キーワード
地理情報システム(GIS)、バーチャルシティー、デジタル・ミュージアム、祇園祭、京都
-
-
研究成果
-
新しいGIS研究
最新のGISデータと膨大な統計資料を整備し、バーチャル空間上でシミュレーションを行なうことで、都市システムや土地利用変化、消費者行動など、複雑な構造をもつ空間的事象の解明を進めています。
-
官民ビッグデータを活用した地理情報分析
国勢調査や経済センサスなどの公的統計や携帯電話の位置情報、住宅地図、電話帳のデータベースを活用した地理情報分析やデータビジュアライゼーションに取り組むほか、多様な地域的な事象の理解に向けた実践的な研究を展開しています。これまでに、環境評価・都市計画・安全安心・人口移動・文化情報などの分野で研究成果を挙げています。
-
WebGISを用いた研究成果の公開
これまでに文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」と「歴史都市を守る「文化遺産防災学」推進拠点」に参加し、その成果を「バーチャル京都」や「歴史都市京都の安心安全3Dマップ」としてWeb公開を行なってきました。そのほかにも「日本人の名字マップ」や「日本版 Map Warper」を公開しています。
主な出版図書
-
Ethnic Enclaves in Contemporary Japan (日本の外国人集住地)
Ishikawa, Y. ed (花岡が分担執筆)/Springer -
社会調査で描く日本の大都市
埴淵知哉(編)(村中が分担執筆)/古今書院 -
GIS:地理情報システム
矢野桂司(著)/創元社 -
The Demography of Disasters (災害の人口学)
Karacsonyi, D., Taylor, A. & Deanne, B. eds(花岡が分担執筆)/Springer -
地図でみる日本の外国人 改訂版
石川義孝(編)(花岡が分担執筆)/ナカニシヤ出版 -
地域と統計―〈調査困難時代〉のインターネット調査
埴淵知哉・村中亮夫(編)/ナカニシヤ出版 -
地理情報科学:GISスタンダード
浅見泰司・矢野桂司・貞広幸雄・湯田ミノリ(編)/古今書院 -
文化情報学ガイドブック
赤間亮・鈴木桂子・八村広三郎・矢野桂司・湯浅俊彦(編)/勉誠出版 -
京都の歴史GIS (Historical GIS of Kyoto)
矢野桂司・河角龍典・中谷友樹・田中覚 (編)/ナカニシヤ出版 -
デジタル地図を読む
矢野桂司(著)/ナカニシヤ出版 -
バーチャル京都―過去・現在・未来への旅 京の"時空散歩"
矢野桂司・中谷友樹・磯田 弦(編)、フィリップ・ブラウン(編・訳)、美苗サバス(訳)/ナカニシヤ出版
主な論文
- 矢野桂司(2021)「2005年以降の日本学術会議における地理教育と地図/GIS教育の展開(特集 転換期にあるGIS教育)」、ESTRELA、326、15-19。
- 矢野桂司・佐藤弘隆・杉田繁治(2021)「デジタル・アーカイブの新たな展開(特集 文化財の継承につなげる新たな試み)」、月刊文化財、692、24-26。
- 矢野桂司(2021)「2010年代末における京都市の宿泊施設GISデータベースの構築とその活用」、立命館文學、672、890-872。
- 花岡和聖(2021)「資源ブーム前後におけるオーストラリアの人口動態に関する整理」、立命館文學、672、951-942。
- 矢野桂司(2020)「人文学における地理空間情報の可視化―地図を重ね合わせて見る―」、シミュレーション、39(3)、143-148。
- 矢野桂司(2020)「ジオコーディングのための京都市の住所表記に関する現状と課題」、立命館文學、666、1523-1509。
- 花岡和聖(2020)「近年のオーストラリアにおける新規流入移民の居住地分布―国勢調査資料を用いた分析―」、立命館文學、666、1471-1452。
- 矢野桂司(2019)「協働によるジオデザインのフレームワーク」、学術の動向、24(4)、38-43。
- 高橋 学(2019)「環境史からみた島嶼の災害リスクマネージメント」、月刊地球、41(11)、644-651。
- 高橋 学(2019)「環境史・土地開発史・災害史からみた災害発生メカニズム―2018年大阪府北部地震・7月豪雨・北海道胆振東部地震の場合―」、環太平洋文明研究、3、1-22。
- 花岡和聖(2019)「『歴史地名辞書データ』を用いた集落地名の地域性の可視化」、歴史都市防災論文集、13、185-192。
- 村中亮夫・浅妻 裕・谷端 郷・米島万有子・高橋伸幸(2019)「自助・共助のための防災マップ作成ワークショップの実践と課題―北海道石狩市における水害・土砂災害を事例として―」、地理科学、74(2)、70-89。
- 高橋 学(2018)「内陸直下型地震・火山噴火・プレート型地震発生モデル―巨大地震・大地震・火山噴火発生前後―」、環太平洋文明研究、2、1-16。
- 上杉昌也・矢野桂司(2018)「ジオデモグラフィクスからみた教育水準の学校間格差の評価: 大阪市を事例として」、人文地理、70(2)、253-271。
- Hanaoka, K. (2018) New insights on relationships between street crimes and ambient population: Use of hourly population data estimated from mobile phone users’ locations, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science, 45 (2), 295-311.
- 花岡和聖(2016)「全国版の小地域マイクロデータの構築と災害分析への活用―国勢調査・匿名データの利用―」、地域安全学会論文集、29、247-255。
- 村中亮夫・上杉和央(2015)「京都府宮津市における身近な地域の文化財・景観の社会経済評価―支払意思額と労働意思量の地域差に着目して―」、人文地理、67(3)、187-206。
- Cheshire, J.A., Longley, P.A., Yano, K. and Nakaya, T. (2014) Japanese surname regions, Papers in Regional Science, 93(3), 521-701, DOI: 10.1111/pirs.12002
- 村中亮夫・中谷友樹(2012)「潜在的な観光客の仮想行動に着目した歴史的景観の保全による観光需要の地理的変動―京都市における事例分析―」、経済地理学年報、58(4)、336-356。
- 村中亮夫・瀬戸寿一・谷端郷・中谷友樹(2012)「Web版安全安心マップの活用意思とその規定要因―利用者評価による分析―」、地理学評論、85(5)、492-507。