研究活動
「京都研究」
リサーチユニット

研究のねらい
歴史都市・京都の文化的な蓄積の解明や現代的な諸課題について、現地調査(フィールドワーク)を中心とする地域研究の手法をもちいて明らかにしています。京都の文化的資源を後世に伝えるとともに、成果・情報の発信を通じて、学知を地域に還元することも大きな目標のひとつです。歴史地理学・文化地理学・GIS、さらには文化研究一般の手法を複合的に用いた地域研究のアプローチから、諸種の様態がおりなす「京都」像を把握するとともに、〈都市的なるもの〉を析出する研究の実践を心がけています。
研究スタッフ
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河島 一仁特任教授
研究テーマ
大学の歴史地理
専門分野
歴史地理学
キーワード
藩邸、鴨東・御所周辺、衣笠、中川小十郎の空間デザイン
京都の大学を中心に、地域の歴史的変化を研究しています。
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矢野 桂司教授
研究テーマ
地理情報システム(GIS)を用いた歴史都市京都の研究
専門分野
人文地理学、地理情報科学
キーワード
地理情報システム(GIS)、バーチャルシティー、デジタル・ミュージアム、祇園祭、京都
GISの研究開発、普及、教育すべての面でリーダーシップを発揮しています。
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河原 典史教授
研究テーマ
近代の植民地朝鮮・台湾とカナダをめぐる移住漁民、近代京都の人びと
専門分野
歴史地理学、日系移民史
キーワード
近代、植民地、カナダ、移民、漁業、地域振興
世界各地へ散らばった日系漁民の歴史をカナダや韓国で掘り起こしています。
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加藤 政洋教授
研究テーマ
京都の〈食〉文化研究、都市空間の形成
専門分野
歴史地理学、都市論、沖縄研究
キーワード
都市、歓楽街、京都・沖縄、フィールドワーク
都市に住む多様な人々の生活空間や社会関係を文化誌的に明らかにしています。
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河角 直美教授
研究テーマ
近代日本における環境と人間との関係史、近代京都における都市文化の形成
専門分野
歴史地理学、環境史
キーワード
都市、記憶、歴史GIS、歴史災害、近代京都
京都の町のなりたちを、自然とのかかわりかたや人々の暮らしの変化から明らかにしています。
主な出版図書
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酒場の京都学
加藤政洋 ネルヴァ書房,2001年 -
地図で楽しむ京都の近代
上杉和央/加藤政洋編 風媒社,2019年 -
モダン京都 〈遊楽〉の空間文化誌
加藤政洋編 ナカニシヤ出版,2017年 -
京の花街ものがたり
加藤政洋 角川選書,2009年
主な論文
- 河島一仁(2017)「京都・衣笠の地理的変化(1868~1960)―等持院村と立命館―」、立命館文學、649、15-39。
- 矢野桂司(2020)「人文学における地理空間情報の可視化―地図を重ね合わせて見る」、シミュレーション、39(3)、1-6。
- 矢野桂司(2020)「あいまいな時空間情報をもつ古地図の検索と活用」、浅見泰司・薄井宏行編『あいまいな時空間情報の分析』、古今書院、111-124。
- 加藤政洋・河角直美(2020)「近代京都における主要商店街の店舗復原-《祇園町》を事例とした方法の検討」、歴史地理学、62(4)、1-17。
- 河角直美(2020)「近代京都における郊外住宅地の開発とその立地特性―御室小松野町を例として―」、立命館文學、666、201-214。
- 河角直美ほか(2017)「記憶地図から読む地域の景観の歴史―仁和寺門前地域を例に―」、ランドスケープ研究、81(1)、22-25。
- 河角直美・矢野桂司・山本俊平(2017)「二つの『京都市明細図』の概要とそのGISデータベースの構築─京都府立総合資料館所蔵本と長谷川家住宅所蔵本」、地理学評論90(4)、390-400。