研究活動
「人間と空間」
リサーチユニット

都市・村落などの人間が作り出した空間や経済活動によって生じた空間を研究し、地域振興やまちづくりへの応用についても考えます。
研究のねらい
人間活動から地域の姿を考えるリサーチユニットです。たとえば、都市の形成過程や都市構造の変化など、都市や地域の空間的特性について研究を行ないます。また、村落における人間間の社会的結合と空間構造との関係などについても追究しています。
研究スタッフ
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河島 一仁特任教授
研究テーマ
職人集団の歴史地理
専門分野
歴史地理学、民俗地理学
キーワード
職人、鍛冶、鋳物師、アイルランド、農具
村落社会を中心に、人々の社会的紐帯やその歴史的変化を検討しています。
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加藤 政洋教授
研究テーマ
近代京都の食文化、沖縄の都市形成
専門分野
文化地理学、都市論、沖縄研究
キーワード
都市、食、歓楽街、京都・沖縄、フィールドワーク
都市に住む多様な人々の生活空間と社会間関係を明らかにしています。
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河原 典史教授
研究テーマ
近代の植民地朝鮮・台湾とカナダをめぐる移住漁民、近代京都の人びと
専門分野
歴史地理学、日系移民史
キーワード
近代、植民地、カナダ、移民、漁業、地域振興
植民地やカナダ西岸で活躍した日本人水産移民と水産加工業の展開を研究しています。
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古賀 慎二教授
研究テーマ
都市の内部構造に関する地理学的研究
専門分野
人文地理学、都市地理学
キーワード
都市、都市構造、オフィス立地、経済的中枢管理機能
都心を特徴づけるオフィスの立地動向から、都市構造の変化を追っています。
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寺床 幸雄准教授
研究テーマ
農山村における地域の社会関係
専門分野
農村地理学、社会地理学
キーワード
村落、農山村、持続可能性、社会関係資本
農山村でのフィールドワークを通して、地域の社会関係の理解を深めています。
研究成果
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都市を対象とした研究
近代以降都市がどのように形成されてきたのかについての検討をもとに、都市における産業立地、あるいはオフィスの立地を通した都市内部の空間構造の変化を明らかにしました。
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伝統的手工業の研究
都市や村落の多数派社会とは異なる独特な人間のつながりによって形成される職人集団の世界を対象として、都市や村落における社会的結合と空間組織との関係を考察しました。
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農山村の地域活動の持続に関する研究
地域で形成されてきた社会関係に注目し、それが農業や地域振興などの活動の持続に果たしてきた役割を考察しました。
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地域間のつながりに関する研究
世界的にみても有数の経済先進地域である関西圏を例として、グローバル化と地方分権の流れの中での大阪や京都、神戸などの大都市から衛星都市、過疎地まで、現代における地域間の結合関係と地域発展のあり方について考えました。
主な出版図書
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東南アジアの大都市圏―拡大する地域統合
生田真人(著)/古今書院/2011年 -
拡大メコン圏の経済地理学―国境経済と空間政策
生田真人(著)/ミネルヴァ書房/2020年 -
大阪―都市の記憶を掘り起こす
加藤政洋(著)/筑摩書房/2019年 -
カナダ日本人漁業移民の見た風景 前川家「古写真」コレクション
河原典史(著)/三人社/2013年 -
カナダ日本人移民の子供たち ー東宮殿下御渡欧記念・邦人児童写真帖ー
河原典史(編著)/三人社/2017年 -
メディア―移民をつなぐ、移民がつなぐ
河原典史・日比嘉高(編著)/クロスカルチャー出版/2016年 -
移民が紡ぐ日本―交錯する文化のはざまで
河原 典史・木下 昭 (共編)/文理閣/2018年
主な論文
- 生田真人(2010)「フィリピンにおける首都圏の地理的再編と出稼ぎ労働-シンガポールとの関連において-」、立命館大学人文科学研究所紀要 95、1-30。
- 加藤政洋(2015)「都市の空間を取り戻すために 宇沢弘文の『都市思想』レキシコン」、現代思想43(4)、154-161。
- 加藤政洋(2020)「コザの無意識-基地都市における〈まちづくり〉の系譜」、三浦倫平・武岡暢編『変容する都市のゆくえ 複眼の都市論』、文遊社、13-38。
- 河島一仁(2015 )「アイルランドにおけるフォークライフ研究―野外博物館と鋤を中心に―」、歴史地理学57(5)、20-40.
- Kazuhito Kawashima;(2018)Geography and the Founding of Open-air Museums in Wales and Ireland, 立命館地理学30、43-59。
- Kazuhito Kawashima(2020) Education and Pedagogy of Marine Zoologist and Geographer Professor Herbert John Fleure, The Review of Guernsey Society, Vol.76, No.3, Winter 2020. 110-115.
- 河原典史(2017)「サケを運んだ薩摩人-カナダのサケ缶詰工場における日本人移民史-」、立命館文学650、123-138。
- 河原典史(2018)「20世紀初頭のカナダ西岸における日本人による漁村開拓-バンクーバー島西岸のユクルーレットを中心に-」、立命館地理学30、15-29。
- 河原典史(2019)「漁業振興をめぐる地域資源の新しい活用-福井県美浜町の「へしこ」・京都府伊根町の「舟屋」-」、地域漁業研究69(1)、20-30。
- 古賀慎二(2014)「神戸市都心部におけるオフィスビルの立地変化と都心地域構造の変容―阪神・淡路大震災からの復興の検証―」、地理科学69(3)、140-151。
- 古賀慎二(2017)「神戸市乙仲通界隈における都心業務地区個性化の一断面―ファッション・ストリート化とマンション立地―」、立命館文学650、174-190。
- 古賀慎二(2020)「高松市都心部における高層オフィスビルの立地変化―1987~2019年―」、立命館文学686、102-113。
- 寺床幸雄(2016)「社会関係資本からみた長崎県長与町における果樹栽培の変容」、地理学評論89(5)、211-233。
- 寺床幸雄(2016)「社会関係資本に関する地理学の研究動向と課題―農業・農村研究との関連を中心に―」、人文地理68(4)、443-461。
- 寺床幸雄(2018)「農業集落と国勢調査小地域との関係性に関する基礎的分析」、立命館文学656、106-120。