専攻紹介
哲学は2600年の歴史をもつ最古の学問です。2600年以上にわたる各時代の最高の知性による思索の重層的な積み重ねが哲学の世界をつくりあげています。存在の問題、価値の問題、美の問題、神の問題、人生の問題、その他およそ人間として問わねばならない問題のすべてが哲学という学問の対象であり、内容です。各時代を代表する偉大な哲学者たちの思索に親しむことによって、皆さんは世界を知り、人生の深みを見ることでしょう。
哲学・倫理学専攻では、古代ギリシアから近世までの哲学・倫理学、そして現在も展開中の現象学、実存思想、現代哲学、倫理学などを学び、学生の皆さん自身の研究につなげていきます。個別の研究テーマとしては、自己、他者、自然や環境の問題、生命倫理、規範の問題などが取り上げられます。そして、英語、ドイツ語、フランス語による講読をつうじて、視野を大きく広げることもできます。哲学・倫理学の研究は、これらをつうじて、学生の皆さんの、そして皆さんが生きる社会の、未来を切り拓く作業です。
本専攻では学生の皆さん一人ひとりの問題意識を大切にして、皆さんが哲学的課題に取り組んでいけるように配慮しています。そして、研究を通して論理的な思考を身につけ、物事の本質の見極める能力を養っていきます。哲学研究は、常識を根底から問い直し、創り直すスリリングな知の冒険であり、そこには多くの発見と感動があり、本専攻での3年間は魅力あふれるものとなることでしょう。
哲学・倫理学専攻の教学目標
哲学・倫理学専攻での学びの目標は、人間および世界のあり方について知見を深めるとともに、自ら考える力を身につけることです。すでに敷かれたレールの上を何も考えずに歩むだけで、本当に自分の人生といえるでしょうか。自分の頭で考えてこそ、借り物ではない自分の思考、自分の人生といえるのです。
立命館大学文学部人文学科哲学・倫理学専攻では、学生たちが哲学的な考え方に親しむことにより、以下のような力を身につけることを目標に教育を行なっています。
- 存在の問題、価値の問題、人生の問題、社会の問題などについて興味・関心をもち、自分にとって、人間にとって問うべき重要な問題を見つける能力、すなわち問題発見能力を身につけます。
- 2600年の哲学の歴史および進行中の哲学の営みのなかから重要な手がかりを見つけるべく、文献を的確に理解し、哲学的知見を深めます。
- それをもとに自ら考える力、とりわけ既成の思考にとらわれない柔軟な思考をする力、そしてまた論理的に思考する力を身につけます。
- その思考の成果を他の人にわかってもらえるように伝える表現能力を身につけます。このような問題発見能力、しっかりとした理解力と豊かな知見、柔軟かつ論理的な思考力、表現力・伝達力、これらを身につけることにより、自分自身の人生を切りひらき、社会のさまざまな領域において活躍できる人間となることができるでしょう。
哲学・倫理学専攻沿革
1942(昭和17)年 | 旧制大学法文学部に国体学科を設置 |
---|---|
1945(昭和20)年 | 国体学科を哲学科に改称 |
1946(昭和21)年 | 立命館大学哲学会設立 |
1948(昭和23)年 | 学制改革に伴い、文学部哲学科哲学専攻(一部・二部)に改組 |
1953(昭和28)年 | 大学院文学研究科修士課程に哲学専攻を設置 |
1962(昭和37)年 | 立命館大学哲学会編『哲学会紀要』創刊準備号発行 |
1963(昭和38)年 | 二部改革に伴い、二部を文学部人文学科哲学・思想コースに改称 |
1972(昭和47)年 | 文学研究科博士課程に西洋哲学専攻を設置 |
1979(昭和54)年 | 哲学専攻修士課程を哲学専攻博士課程前期課程に、西洋哲学専攻博士課程を西洋哲学専攻博士課程後期課程に改称 |
1987(昭和62)年 | 立命館大学哲学会編『立命館哲学』創刊 |
1996(平成8)年 | 昼夜開講制実施に伴い二部募集停止、昼間主・夜間主二コース制に |
2004(平成16)年 | 文学部諸学科の人文学科への統合に伴い、哲学科哲学専攻を人文学科哲学専攻に改称、夜間主コース募集停止 |
2006(平成18)年 | 大学院文学研究科各専攻の人文学専攻への統合に伴い、人文学専攻哲学専修(博士課程前期課程・博士課程後期課程)に改称 |
2009(平成21)年 | 専攻教員を中心構成員とする間文化現象学研究センターを、衣笠総合研究機構内に設置 |
2012(平成24)年 | 文学部再編に伴い、人文学科人間研究学域哲学・倫理学専攻に改称 |