立命館大学ビジネススクール(RBS)修了生の座談会を開催
座談会メンバー紹介
橋本 正明教授[進行役]
マネジメントプログラム 2021年度修了生
室田 正博さん 株式会社タカミエンジ代表取締役
福富 知美さん 会社勤務(オプテックスグループ株式会社 戦略室)
眞弓 佳士さん 会社勤務(エスペック株式会社コーポレート統括本部 経営計画室 マネージャー)
キャリア形成プログラム 2021年度修了生
鈴木 達也さん 就職先(株式会社みずほ銀行)
SUN Jiyanさん 就職先(株式会社大和総研)
橋本:
皆さんはどうしてビジネススクールに入ろうと考えられたのでしょうか。数あるビジネススクールの中から経営管理研究科(RBS)を選ばれた理由についてもぜひお伺いしたいです。
室田:
私は小さいながらも電気工事の会社を営んでおりまして、20年以上にわたって我流で経営に取り組んできました。その中で、経営をアカデミックに勉強したいなという思いが生まれ、MBAにチャレンジしました。RBSは実務家の先生が多くて実学を勉強でき、かつ学術的な学びも得られるという点が魅力でした。
鈴木:
私は進学前から金融系で働いてみたいという思いがあり、仕事上でお客様に提案を行う際に、経営の知識があればよりよい提案ができると考えました。そこで経営について勉強するために、MBAを目指しました。もともと立命館大学の経済学部生で、そのまま経済学研究科に進もうかとも思ったのですが、当時お世話になった先生にRBSのことを教えていただき、実務ベースで学べることを知って今の道に進みました。
福富:
転職し、純粋持ち株会社の経営戦略の仕事に携わったのがきっかけです。それまでの仕事はマーケティング関係で、経営戦略に携わるのは初めてでした。業務ではM&Aなどに関わり、経営層の方々とお話をすることも多々あるので、この機会に経営をしっかり勉強したいと思い、MBAを志しました。なぜRBSを選んだかというと、仕事との両立が一番しやすそうに感じたからです。平日でも土日でも履修できるカリキュラムがあり、大阪駅から近い点が魅力でした。
眞弓:
私の場合は、勤務している会社でMBAの取得を支援する制度が新たにでき、利用を勧められたのが理由でした。この機会に経営学を体系的に学び直したいという思いもあり、挑戦することを決めました。子育てと両立したかったので科目履修からスタートして、無事に修了まで続けてくることができました。
SUN:
私は大学で会計学を専攻し、基本的なビジネス理論を学びましたが、経営管理に関する知識をもっと得たくてMBAを目指しました。RBSを選んだのは、大学卒業後すぐに入学することができ、さらに社会人と一緒に授業を受けて、社会人の考え方を学べるところに惹かれたからです。
橋本:
RBSで学んだ内容や、学びを通しての変化についてもお聞きできればと思います。
鈴木:
グループワークに特に力を入れました。学部生時代のときと比べてより実践に近いグループワークで、何度か心が折れそうになったこともあるくらい大変でした。特に強く記憶に残っているのは「マーケティングリサーチ」や「商品開発」の授業です。実際にどのようにビジネスや経営が行われているのかを学ぶことができ、かなり自分の力になりました。
SUN:
私も「商品開発」の授業に力を入れて取り組みました。グループワークを通じて新商品の企画・提案を行うもので、0から商品を企画するという貴重な体験ができました。また、他の授業でも、企業が実際に直面した課題に対して解決策を考える機会が多くあり、能動的に考える力が身についたと感じます。大学時代にある程度マーケティングや金融について学びましたが、それらはあくまで学生の視点でした。でもRBSに入学して2年間経ち、会社の一員、あるいは経営陣の一員としての視点を持てるようになったと思います。
眞弓:
「マーケティングリサーチ」の授業は、もうほぼ仕事みたいな内容でした。大変ながらも非常に実務的な知識を身に付けながら、達成感を得られた授業だったと思います。グループワークを通して、チームワークの重要性についても改めて考えさせられました。あとゼミに関して、私は先生と一対一のゼミだったのですが、課題研究の内容だけではなく、仕事の内容や将来のキャリアについても相談に乗っていただき、非常に内容の濃い1年間を過ごせたと思っています。いろんな分野の知識を得ることで、思考の幅も広がりました。
室田:
私はもともとマーケティングを勉強したい、BCP(事業継続計画)について研究したいと思って入学しました。ですので、マーケティングが専門の鳥山正博先生のゼミに所属し、深く教えていただいたことが大きな財産になっています。2年間、実務に即した勉強ができたなと感じます。もう一つ印象的だったのは、入学してすぐに受講した「国際政治経済」の授業です。いわゆるニュースの見方、世界経済の見方、世界各国の視点、日本の立ち位置について教えていただき、非常に興味深いものでした。外国人留学生の方も交えてセンシティブな問題についてもいろいろと話し合って、MBAは非常に視座が高いなと感じたのを覚えています。
福富:
私はM&Aの仕事に生かすため、ファイナンス系を頑張ろうと思って授業を受けたのと、「ICTによる未来創発」など、近年のテクノロジーを活用した事業創造の話を取り扱う授業を中心に受けました。ファイナンスはとても苦手だったのですが、超初歩的なところから本当に丁寧に教えていただいたので、なんとか自分でも内容を理解でき、最後には課題発表ができるところまでレベルアップしました。本当にありがたかったなと思っています。事業創造の授業では、実務家の先生から、実際のビジネス上で今まさに起こっている話を聞かせていただきました。環境の変化の激しさは理解していたつもりですが、その変化に対してもっと危機感を持ちながらビジネスを行わないといけないんだなと痛感させられました。この経験を経て、世の中のニュースをより自分事として捉え、俯瞰できるようになりました。
橋本:
皆さんは間もなくMBAを修了されます。RBSで学んだことはどのように生かされたか、または今後どのように生かしていきたいとお考えですか。
眞弓:
私は中期経営計画の立案をテーマに課題研究を行い、実際の仕事でも学んだ内容を応用して中期経営計画の策定に携わってきました。ただ、今後もずっと経営企画の仕事だけを続けていくとは考えていません。さまざまな仕事において礎となる知識をRBSでは得られたと思うので、それを生かしていろんなキャリアを積んでいくことが今後の目標です。そしてもう一つ、今回私は会社からの推薦でMBAに挑戦しましたが、まだ次に受ける人が社内で決まっていません。MBAの価値を示して次に続く人を出せるように、私が成果を残していかなければならないと思っています。
福富:
1回生の春から、学んでいることがずっと常に仕事に生かされ続けている状態です。買収の戦略を立てるときに授業で習ったフレームワークを使ってみたり、コーポレートファイナンスで学んだ企業価値評価手法を実務で使ったり。「こんな風に使うんだ」と納得しながら、実務と授業がずっと相互作用しているような状態で、本当に学びが役立っているなと感じています。
室田:
課題研究でも取り組んだ「BCPにおける災害電源の必要性」というテーマを、いかに自分の事業にしていくかが私の仕事です。そのためにMBAで2年間を費やしたともいえるので、BCPに伴う災害電源の必要性を訴えながら、パイオニアとしてやっていきたいなと考えています。机上の空論で終わらせないように、残りの経営者人生をささげていくつもりです。
SUN:
私の場合は、就職活動にうまく生かせたと思います。企業の特徴や業界の将来性について問われたとき、論理的に整理して考えを伝えられたのは、RBSでグループディスカッションやケーススタディを経験していたおかげです。今後も学んだ知識を生かし、国内での昇進や海外への転勤など、チャンスを逃さずにチャレンジしていきます。社会に必要とされる人材を目指していきたいです。
鈴木:
内定先の金融機関で、私は法人営業を担当する予定です。授業で学んだことと実際の業務では少し違うところもあるかと思いますが、RBSで得た知識を生かし、法人のお客様にうまくマッチするような提案をしていきたいと思います。RBS修了生の名に恥じないような社会人になれればと考えております。
橋本:
皆さんの思いを聞かせていただきありがとうございます。最後に、今後RBSを受験しようと考えている方にメッセージをお願いできますでしょうか。
室田:
RBSは意識の高い人が多く、先生は本当に優しく丁寧で、もっと早くに入学していればよかったなとつくづく思います。特に中小企業の経営者は、少しでも早いうちにマネジメントプログラムを受けるべきです。私の場合は体系的に経営を学ぶ経験がなかったので、その知識を得られたことは、今後の経営に非常に生きてくると思っています。大企業をモデルにした学びが多いのですが、我々から見ると完成形に近い大企業の仕組みや課題を勉強することは、自分たちの会社の舵取りを考えるための重要な指針になるはずです。
眞弓:
私は経営者ではなく一社員ですが、働く上で経営の視点は欠かせないものだと思います。経営の基礎をしっかり身につけておけば、キャリアアップ時にも自分の力になるはずですし、役職が上がるにつれて経営に関する知識はどんどん必須のものになっていきます。ですので、室田さんのおっしゃる通り、なるべく早い段階で受けた方がいいんじゃないかなと思います。
福富:
「迷ってるなら、絶対やった方がいいよ」というのは伝えたいですね。私自身、入学を決めるまですごく迷っていたんです。「私の能力ではついていけないんじゃないか」「経営者を目指すわけでもないのに行っていいのか」「年齢的に遅いんじゃないか」といった不安がありました。でも実際に入学して分かったのは、そんなことを心配する必要はなかったということです。学ぶ意欲さえあれば受け入れてもらえますし、普通に仕事をしているビジネスパーソンの方も多く来られています。年齢についても、20代の方から60歳を超える方まで、いろんな人が一緒に学んでいます。もちろん早ければ早い方がいいとは思いますが、何歳になっても勉強は必要なんだなとRBSに来て実感しました。
SUN:
中国人留学生としての目線ですが、中国人の学生が多くて気軽にコミュニケーションが取れますし、日本人や社会人の方とも親密に交流できます。先生方からキャリアアップのアドバイスを聞かせてもらえるのもうれしいポイントです。進学して、必ず後悔しないと思います。
鈴木:
経済学部からRBSに来てまず思ったのは、経営に関する授業はとても面白いということです。新しいことを学ぶのは非常に刺激的な経験でした。また、学部時代は社会人との交流がほとんどありませんでしたが、RBSではゼミや授業など、いろんな場面で社会人の方々と接することができます。業種や役職、バックボーンも多様で、とても貴重な機会が得られました。学部生で、将来進みたい業界や就きたい仕事がイメージできない人でも、社会人の方からいろんな話を聞くことで自身のキャリアに関するヒントが得られるのではないでしょうか。入学を目指される方は、ぜひ頑張ってください。
取材日:2022年3月20日