
2012年 卒業
やりたいことをあきらめなかった高校時代、
二つの道を追い求める根性が培われました。
経験を活かした活動の形を追求していきたい。


中沢 沙理 氏
NAKAZAWA Sari
大阪医科薬科大学 口腔外科医
ミスユニバース2016日本代表
Profile
2012年立命館高等学校卒業。大学在学中の2016年、ミスユニバース日本大会出場、日本代表に選出される。高校時代よりモデル活動を開始し、映画、テレビ、イベントなどに出演。現在、口腔外科医として大阪医科薬科大学病院に勤務しながら、テレビやイベントへの出演、講演活動も行う。日本口腔外科学会、日本健康医療学会学術大会で講演も行う。
どちらも人に喜んでもらえる仕事
2つ手に入れたいものがあるなら
2倍頑張ればいい

口腔外科医として大学病院に勤務して4年目になりました。20人以上のスタッフで日々の外来と手術、緊急手術に備えて当直も担当しています。5、6時間かかるような手術もありますが、和気藹々とした雰囲気の中で執刀できるのが当科の良いところです。今はインプラントも勉強中で、先週もインプラント先進国のひとつであるスイスで企業と対談し、さまざまな情報を得てきたところです。最新の医療をどんどん学んで患者さんに還元したいと思っています。
高校時代にモデルの仕事を始め、大学時代にミスユニバース日本代表としての活動も行っていたことから、職場の理解のもと、今もイベントへの出演など芸能活動も続けています。全く違う仕事のようでいて、どちらも人に喜んでもらえるという共通点のある仕事。2つやりたいことがあるなら、その分2倍頑張ればいいと思いますし、形になるまでは辛抱の時間だと考え、信じる道を進もうと思います。医療の専門的な情報を広く、しかも正確に伝えるのは難しいこと。間違った情報は人を不安にさせるので、今までの経験を生かして、効果的な情報発信ができる存在になれたらと思っています。
人生観を変えた東南アジア研修旅行
帰国後、医療を志して受験勉強に邁進
立命館中学校に入学した時は、医療の道に進むとは考えていなかったのですが、漠然と外部受験を考え始めた高2の時、人生観を変える出来事がありました。夏休みの宿題として書いた英語のエッセイが校内の国際エッセイコンテストで優秀賞に選ばれ、副賞としてカンボジアとベトナムへ約1週間の研修旅行に行けることになったのです。地雷で手足を失った子どもたち、枯葉剤の影響による結合双生児「ベトちゃんドクちゃん」のお一人であるドクさんにもお会いしました。私が知るのとは全く違う世界に大きな衝撃を受けると同時に、ドクさんの分離手術は日本で行われたと聞いて、私も医療の仕事に就いたら、人の人生が少しでも幸せな方に向かう力添えができるのかもしれないと思うようになりました。
帰国後、すぐに受験勉強を始めました。でも、高校生としての経験や思い出もあきらめたくなくて、体育祭の応援団や文化祭実行委員は続けていました。先生方も反対したりせず、必要な時にはサポートしてくだったことがとてもありがたかったですし、受験を目前に控えた高3の文化祭や体育祭では、仲間が親身になって助けてくれました。あの時、やりたいことを全部あきらめなかったから、二つの道を追い求めようとする根性が培われたのだと思います。精神的に不安定になった時に温かい言葉で支えてくださったのは樫本由紀先生でした。今も連絡を取らせていただいています。

Column
人生で一番楽しかったのが中高時代だったと今でも思っています。朝5時に起きて学校に行ってバレーボール部の朝練、10時半ぐらいに早弁をして、昼休みにはみんなで学食ダッシュ。放課後は部活、たまに休みがあったら遊びに行く…そのルーティンが楽しくて仕方なくて、休みたいなんて思わなかった記憶があります。特別な何かがあったわけではないのですが、日々が楽しくて楽しくてという感じでした。
当時の友人とは、もちろん今も連絡をとっています。海外に住む人も多いし、お子さんが生まれるなどライフスタイルが変わっている子も多いので、集まれる機会は少なくなりましたが、定期的に連絡も取っています。医療とは違う業種で働く人が多いので、私の仕事と全然違う仕事の話を聞いて刺激を受けています。
これまでの経験を活かした
活動のあり方を模索したい


ミスユニバースへの挑戦は、東京の大学に在学中、関係者の方からすすめられたものです。歯学部の学生であることも活かせるし、日本代表になれば海外に行けることにも惹かれました。しかし予想以上に体力が必要な挑戦でした。地元の滋賀県大会にエントリーしたため、大学の授業と滋賀でのレッスンを日々往復し、日本大会は、医療系学生の共通試験であるCBTと時期が重なったので、夜11時にホテルでの合宿審査が終わってから夜中3時まで勉強、朝6時にはランニングという生活を1週間続けました。ようやくたどりついた日本大会でミスユニバース日本代表に選ばれた時は、本当に信じられない思いでした。
日本代表として熊本地震の支援にも行きましたし、ヨルダンで歯科指導や応急処置の講習に関わることもできました。学んだことが少しでも役に立ったことが嬉しく、このような活動を続けたいと思うようになりました。ちょうど私の出場年度のミスユニバース世界大会本部が、口唇口蓋裂(唇や口の中が裂けている先天的な病気)の子どもたちのサポートをしていたことも、口腔外科医への道に進むきっかけになりました。
病院の皆さんはチームで助け合って足りないところを補ってくれていますし、所属事務所は、私の思いに寄り添って、これまでの経験を活かした活動のあり方を一緒に模索してくれています。周囲のサポートに感謝しながら、私なりの形として結実できるよう努力を続けたいと思います。
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