立命館大学、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、京都大学、国立研究開発法人国立環境研究所が参画する国際研究グループは、複数のシミュレーションモデルと生物多様性指標を用いたモデル比較研究により、1900年から2050年までの150年間の生物多様性と生態系サービスの傾向を多面的に明らかにしました。結果として、20世紀中に世界全体で生物多様性は2~11%減少していました。生態系サービスについては、同期間中に、受粉や栄養保持などの調整サービスは減少した一方、生態系からの食料や木材などの供給サービスは数倍に増加していたことがわかりました。将来については、健康的な食事への移行、土地の作物生産
性の向上、追加的な環境保護政策の実施などの持続可能な発展に向けた対策は、生物多様性の損失を抑え、生態系サービスを向上させることが示されました。一方で、対策を実施せず今の速度で土地開発と気候変動が進んだ場合、生物多様性と生態系サービスへの悪影響は今後も過去と同じ速度で継続することがわかりました。この結果は、生物多様性条約の目標達成に向けた追加的な対策の必要性を示唆しています。本研究成果は、2024年4月26日にScience誌でオンライン公開されました。
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