山口大学大学院創成科学研究科の中山 雅晴教授らの研究グループと大阪大学産業科学研究所の片山 祐准教授らの研究グループは、立命館大学SR センターの入澤 明典准教授らの研究グループ、ファインセラミックセンター(JFCC)の桑原 彰秀主席研究員らの研究グループと共同で、二酸化マンガンの析出/溶解反応に基づく2電子移動によって可逆的に動作する水系亜鉛-マンガン二次電池を開発しました。今回の技術は、弱酸性水溶液中にバッファーとFe3+イオンを添加することで、従来は非可逆であったMnO2 の析出/溶解反応を完全可逆化できる点に特徴があります。電解液中の Fe3+は充電時に析出する負電荷をもつMnO2マトリックス内に取り込まれます。放電過程はMnO2 からMn2+への還元溶解によって進行しますが、Fe3+未添加の場合は、プロトンの供給不足によるMnO2 からMn(III)酸化物への不動態化により放電が停止します。ところが、Fe3+を添加した系では還元生成したFe2+によってMn(III)酸化物が化学的に還元され、自身は再酸化されることで、MnO2 の完全溶解を仲介します。このメディエーションサイクルによって、亜鉛-マンガン電池の二次電池化に成功しました。
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