学部概要

教員紹介

式 王美子 准教授

専門分野
都市計画、住宅政策、都市空間と貧困問題

プロフィール
米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)公共政策大学院都市計画研究科修士課程・博士課程修了。M.A. and Ph.D. in Urban Planning。早稲田大学社会科学部卒業。熊本市出身。大学時代における東京での生活や、パリへの旅行、ニューヨークへの短期留学を通して都市の貧困問題に関心を持つ。
研究・教育

専門は、都市住宅政策です。住宅は世帯を受け入れる場所です。様々な住宅ストックの分布と世帯の居住選択のダイナミックなマッチングによって、都市において世帯が住む住宅と居住地の分布が決まります。低所得世帯は、社会経済的な制約により住宅や居住地の選択が限定され、その結果、設備不良や過密居住等の住宅問題を抱えたり、サービスや就労の機会等に乏しい地域に居住する傾向にあります。

これまで私は、関西の都市や、アメリカ、インドネシア、中国等の海外の都市を対象に、低所得世帯が都市の中でどのように居住しているのか、その住宅・居住地選択の要因は何か、またその選択は彼らの社会経済状況にどのように影響するのか、住宅・居住支援政策の課題は何かという問題について、理論的・実践的に研究してきました。とりわけ、低所得世帯をとりまくコミュニティや都市における地理的な機会に関心があることから、地理情報システム(GIS)を使用した分析に力を入れています。

最近の研究では、京都市の子育て世帯がどのような立地にある公営住宅団地を選択するのかについて申請データを基に分析し、ひとり親世帯が元の居住地に近い団地に応募する傾向を実証的に明らかにしました。また、海外都市に関しては、ロサンゼルスにおける家賃補助政策の推進状況、シカゴにおける公営住宅削減と都市再生の動向について研究中です。今後の研究として関心があるは、関西の都市における公営住宅・改良住宅地域のまちづくりや、民間賃貸住宅での低所得世帯の受け入れの課題や居住支援策の調査です。

教育においては、日本語基準とともに英語基準の学部生・大学院生を指導しています。日本だけでなく、インド、インドネシア、中国、ベトナムなど様々な国の学生を指導しています。実際の現場を知るために、時折、関西周辺都市の様々な地域へのフィールドトリップも実施しています。

メッセージ
何でも気軽にはじめて見よう!これは私が学生時代に友人や恩師によく言われた言葉です。大学時代は知識と経験を向上させる期間です。大学生の皆さんは、いろんなものを見てみたい、体験したい、学びたいと思う反面、新しい知識と経験に少々尻込みしてしまうこともあるかもしれません。そういう時は、最初からはあまり気負わず、興味を持ったらとりあえずやってみるようにしましょう。新しいことにチャレンジすることで、分からないこと、戸惑うことがあると思いますが、知識と経験を0から1にして発展性を持たせるのは、問題意識を育て、自分の学問や将来の方向性を考える上でとても重要です。またそうすることで、わからないことを抱えてもそこでストップしてしまわないで、自分のできるところから問題にアプローチしていく強さと術を学んでほしいと思います。
キーワード
住宅政策、都市問題、貧困問題、地域格差、公営住宅、賃貸住宅、居住支援