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2013.12.18
第9回 京都から発信する政策研究交流大会
2013年12月1日(日)、キャンパスプラザ京都において、第9回京都から発信する政策研究交流大会が開催され、政策科学部・研究科の学生が「大学コンソーシアム京都理事長賞」(2回生川上萌仁香さん他)、「日本公共政策学会賞」(2回生久米由香子さん他・大学院生林祥偉さん)をはじめ各賞を受賞しました。
この大会は、都市の抱える問題・課題を見つけ、それを解決するための「都市政策」を学ぶ京都の大学生・大学院生の研究交流・発表の場として大学コンソーシアム京都が主催して開催されました。
今年度は、口頭発表部門において51組、パネル発表部門において11組の発表が行われ、本学からはそれぞれ12組、7組が出場しました。
当日は、学生の研究発表に加えて、学生実行委員ら(本学3回生桑原佳佑さん・千田繁利さんを含む)による「創る都、創れば都」企画も開催され、地方都市活性化についての講演会やグループ・ディスカッションも行われました。
多くの来場者に恵まれ、本学の学生の他、他大学の学生、行政、市民の方々による賑やかな交流会となりました。
受賞内容
(受賞者名は研究代表者のみ)
○大学コンソーシアム京都理事長賞
「龍安寺参道商店街プロジェクト」2回生 川上萌仁香他(研究入門フォーラム)
○日本公共政策学会賞
「TMOによる中心市街地活性化法~飯田市を事例に~」2回生 久米由香子他(研究入門フォーラム)
「先進国と新興国の幸福感及び影響要因に関する研究―日中両国国民の生活実感調査を通じて―」大学院生 林祥偉
○優秀賞
「介護ロボット産業の政策的取り組みの課題と今後の方向性―経済分析によって得られる新たな視座―」3回生 安田あずさ(石川ゼミ)
「都市のスマート化と電力システム改革の課題の検証―持続可能なCEMSの構築と事業化―」3回生 松本薫(小杉ゼミ)
「京都MICEの誘致に向けて―香港の事例より―」3回生 武市明莉(上久保ゼミ)
「2010年尖閣諸島沖漁船衝突事件をめぐる政策決定過程―揺れる民主党政権と対中外交―」3回生 本田純一(宮脇ゼミ)
「社会と個人の時間を考える時間政策によるまちづくり―今後の日本における個人の時間とコミュニティの再構築―」4回生 多田楓(高村ゼミ)
○ベスト質問賞
藤井望美 王鳳陽


この大会は、都市の抱える問題・課題を見つけ、それを解決するための「都市政策」を学ぶ京都の大学生・大学院生の研究交流・発表の場として大学コンソーシアム京都が主催して開催されました。
今年度は、口頭発表部門において51組、パネル発表部門において11組の発表が行われ、本学からはそれぞれ12組、7組が出場しました。
当日は、学生の研究発表に加えて、学生実行委員ら(本学3回生桑原佳佑さん・千田繁利さんを含む)による「創る都、創れば都」企画も開催され、地方都市活性化についての講演会やグループ・ディスカッションも行われました。
多くの来場者に恵まれ、本学の学生の他、他大学の学生、行政、市民の方々による賑やかな交流会となりました。
受賞内容
(受賞者名は研究代表者のみ)
○大学コンソーシアム京都理事長賞
「龍安寺参道商店街プロジェクト」2回生 川上萌仁香他(研究入門フォーラム)
○日本公共政策学会賞
「TMOによる中心市街地活性化法~飯田市を事例に~」2回生 久米由香子他(研究入門フォーラム)
「先進国と新興国の幸福感及び影響要因に関する研究―日中両国国民の生活実感調査を通じて―」大学院生 林祥偉
○優秀賞
「介護ロボット産業の政策的取り組みの課題と今後の方向性―経済分析によって得られる新たな視座―」3回生 安田あずさ(石川ゼミ)
「都市のスマート化と電力システム改革の課題の検証―持続可能なCEMSの構築と事業化―」3回生 松本薫(小杉ゼミ)
「京都MICEの誘致に向けて―香港の事例より―」3回生 武市明莉(上久保ゼミ)
「2010年尖閣諸島沖漁船衝突事件をめぐる政策決定過程―揺れる民主党政権と対中外交―」3回生 本田純一(宮脇ゼミ)
「社会と個人の時間を考える時間政策によるまちづくり―今後の日本における個人の時間とコミュニティの再構築―」4回生 多田楓(高村ゼミ)
○ベスト質問賞
藤井望美 王鳳陽
2013.11.27
留学生と日本の学生が共に学ぶCross-Border Policy Issues
英語で開講されているCRPS (Community and Regional Policy Studies)専攻の学生と日本語で開講されている政策科学専攻の学生が一緒に授業でグループワークを行うCross-Border Policy Issues という科目が上久保誠人准教授の指導で開かれています。
この授業は、留学生と日本の学生が参加し、英語と日本語の二言語を用いて日本の社会、文化、歴史、政治に関するトピックについて調査し議論する科目です。受講生のセミナーやコミュニケーションは英語で行われています。多様な価値観や文化を持つ受講者による建設的な議論を行うため、このクラスでは留学生と日本人学生混成のグループワークが組織されています。


この科目では、留学生と日本の学生が相互に考え方の特徴を学ぶことが目標とされています。多様な価値観を知り、グローバル社会についての理解を深めるとともに、日本社会、文化、歴史、政治への関心を高めることが期待されます。
11月29日の授業では、戦後の日本の政治システムの変遷を4つのグループが発表しました。学生の司会によりプレゼンテーションは進行し、CRPS生と政策科学専攻生が一緒のグループで発表しました。与党はなぜ長期にわたって政権を維持できたのか、なぜ1990年代に多党化がすすんだのか、官僚は議員に対して強い影響力をもっていた要因は何か、といったテーマをめぐって活発な議論が繰り広げられ、日本政治を対象として共通の議論の土壌が形成されました。
この授業は、留学生と日本の学生が参加し、英語と日本語の二言語を用いて日本の社会、文化、歴史、政治に関するトピックについて調査し議論する科目です。受講生のセミナーやコミュニケーションは英語で行われています。多様な価値観や文化を持つ受講者による建設的な議論を行うため、このクラスでは留学生と日本人学生混成のグループワークが組織されています。
この科目では、留学生と日本の学生が相互に考え方の特徴を学ぶことが目標とされています。多様な価値観を知り、グローバル社会についての理解を深めるとともに、日本社会、文化、歴史、政治への関心を高めることが期待されます。
11月29日の授業では、戦後の日本の政治システムの変遷を4つのグループが発表しました。学生の司会によりプレゼンテーションは進行し、CRPS生と政策科学専攻生が一緒のグループで発表しました。与党はなぜ長期にわたって政権を維持できたのか、なぜ1990年代に多党化がすすんだのか、官僚は議員に対して強い影響力をもっていた要因は何か、といったテーマをめぐって活発な議論が繰り広げられ、日本政治を対象として共通の議論の土壌が形成されました。
2013.11.08
立命館大学政策科学部開学20周年記念式典を挙行しました。
2013年11月4日(月・祝)、衣笠キャンパス創思館カンファレンスルームで行われた記念式典は、在学生、同窓生、教員など約100名の列席のもとに行われました。
記念式典では、校歌斉唱の後、政策科学部同窓会「洋洋会」の新井弘徳会長(1期生)より開会の挨拶が行われました。挨拶では、開学当時の政策科学部を振り返り、最先端のコミュニケーションツールの活用や阪神・淡路大震災における学生主体のボランティア活動などの先進的な取り組みを挙げ、20年間で5,800人を超える卒業生を輩出してきたことに触れながら、同窓生の交流活動の充実とそれを通じた政策科学部のさらなる発展への期待が述べられました。
挨拶の後、重森臣広政策科学部長(第11代)が「政策科学部の教育理念とポリシー」と題して式辞を述べました。式辞では、まず政策科学部が開学した1994年度の社会の出来事を回顧し、それから20年間の社会の変化にカリキュラム改革や国際化の取り組みなどを通じて対応しながら、5,855名の学士課程卒業生、504名の博士課程前期課程修了生、54名の博士課程後期課程修了生を送り出し、また78名の専任教員が所属してきたことを述べました。そして「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」という中央教育審議会答申に触れ、模範解答のない問題の解決を学問する政策科学部の掲げてきた教育理念とポリシーが時代に先駆けていたことを述べ、政策科学部は2015年開設の大阪いばらきキャンパスへの移転を機会としてさらに新たなステップを踏み出すことが語られました。
式辞の後、来賓で第6代政策科学部長の川口清史立命館大学学長より祝辞が述べられました。祝辞では、政策科学部が立命館大学の長期計画の中で社系学部のあり方を問いなおす野心をもって開学し、基礎演習や研究入門フォーラムといった小集団演習科目を通じて取り組んできた、「教わる」ばかりでなく「自ら学ぶ」教育への質の転換が、現在では全学に、さらには日本全体に広がりつつあることに触れ、これまでの実践を裏付けとして、大阪いばらきキャンパスへの移転を新しいステップとすることへの期待が語られました。
続いて、来賓で第3代政策科学部長の石見利勝姫路市長より祝辞が述べられました。祝辞では、政策科学部での9年間の在職時代を回想して、学生が非常に活発で教育を意気に感じ、また学部長を務めては教職員に盛り立てられた充実した教員生活だったと振り返り、在学生に対して、センサーの感度を高め、アンテナを高くして学生生活を送ってほしいと激励されました。
祝辞の後、山田順一初代政策科学部事務長からの祝電が読み上げられ、同窓生と教員の記念写真の撮影が行われました。
小休憩を挟み、「政策科学の20年と、今後への期待」と題した記念対談が行われました。記念対談は、川口清史立命館大学学長、石見利勝姫路市長、同窓生代表として谷内博史七尾市まちづくりコーディネーター(1期生)を迎え、佐藤満政策科学部教授を進行役として行われました。対談では、石見市長が姫路市長としての実際のまちづくりの工夫を紹介し、川口学長とともに、そのような現実の問題の解決に関わることのできる研究と人材の育成を目指す政策科学部の開学以来の理念について語らいました。谷内さんは熱気に満ちあふれた開学当時の政策科学部の様子を振り返りながら、決して正解があるわけではない問題の解決を模索する政策科学部での学びが、まちづくりコーディネーターとして市民と行政の間に立つかたちでの実践につながっていることが語られました。
対談の後は、フロアとの質疑応答が同窓生や重森臣広政策科学部長をまじえて活発に行われました。最後に対談者からそれぞれ在学生と同窓生に向けて激励のメッセージが述べられ、川口学長が政策科学部第2の創業となる大阪いばらきキャンパスへの移転事業への応援を要請して締めくくりました。
在学生と教員の記念写真撮影の後、中川記念会館レストラン「カルム」へ移動して祝賀会が催されました。祝賀会は、在学生、同窓生、教員が入りまじり、和やかな雰囲気で行われました。
(写真提供:立命館大学新聞社ほか)
記念式典では、校歌斉唱の後、政策科学部同窓会「洋洋会」の新井弘徳会長(1期生)より開会の挨拶が行われました。挨拶では、開学当時の政策科学部を振り返り、最先端のコミュニケーションツールの活用や阪神・淡路大震災における学生主体のボランティア活動などの先進的な取り組みを挙げ、20年間で5,800人を超える卒業生を輩出してきたことに触れながら、同窓生の交流活動の充実とそれを通じた政策科学部のさらなる発展への期待が述べられました。
挨拶の後、重森臣広政策科学部長(第11代)が「政策科学部の教育理念とポリシー」と題して式辞を述べました。式辞では、まず政策科学部が開学した1994年度の社会の出来事を回顧し、それから20年間の社会の変化にカリキュラム改革や国際化の取り組みなどを通じて対応しながら、5,855名の学士課程卒業生、504名の博士課程前期課程修了生、54名の博士課程後期課程修了生を送り出し、また78名の専任教員が所属してきたことを述べました。そして「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」という中央教育審議会答申に触れ、模範解答のない問題の解決を学問する政策科学部の掲げてきた教育理念とポリシーが時代に先駆けていたことを述べ、政策科学部は2015年開設の大阪いばらきキャンパスへの移転を機会としてさらに新たなステップを踏み出すことが語られました。
式辞の後、来賓で第6代政策科学部長の川口清史立命館大学学長より祝辞が述べられました。祝辞では、政策科学部が立命館大学の長期計画の中で社系学部のあり方を問いなおす野心をもって開学し、基礎演習や研究入門フォーラムといった小集団演習科目を通じて取り組んできた、「教わる」ばかりでなく「自ら学ぶ」教育への質の転換が、現在では全学に、さらには日本全体に広がりつつあることに触れ、これまでの実践を裏付けとして、大阪いばらきキャンパスへの移転を新しいステップとすることへの期待が語られました。
続いて、来賓で第3代政策科学部長の石見利勝姫路市長より祝辞が述べられました。祝辞では、政策科学部での9年間の在職時代を回想して、学生が非常に活発で教育を意気に感じ、また学部長を務めては教職員に盛り立てられた充実した教員生活だったと振り返り、在学生に対して、センサーの感度を高め、アンテナを高くして学生生活を送ってほしいと激励されました。
祝辞の後、山田順一初代政策科学部事務長からの祝電が読み上げられ、同窓生と教員の記念写真の撮影が行われました。
小休憩を挟み、「政策科学の20年と、今後への期待」と題した記念対談が行われました。記念対談は、川口清史立命館大学学長、石見利勝姫路市長、同窓生代表として谷内博史七尾市まちづくりコーディネーター(1期生)を迎え、佐藤満政策科学部教授を進行役として行われました。対談では、石見市長が姫路市長としての実際のまちづくりの工夫を紹介し、川口学長とともに、そのような現実の問題の解決に関わることのできる研究と人材の育成を目指す政策科学部の開学以来の理念について語らいました。谷内さんは熱気に満ちあふれた開学当時の政策科学部の様子を振り返りながら、決して正解があるわけではない問題の解決を模索する政策科学部での学びが、まちづくりコーディネーターとして市民と行政の間に立つかたちでの実践につながっていることが語られました。
対談の後は、フロアとの質疑応答が同窓生や重森臣広政策科学部長をまじえて活発に行われました。最後に対談者からそれぞれ在学生と同窓生に向けて激励のメッセージが述べられ、川口学長が政策科学部第2の創業となる大阪いばらきキャンパスへの移転事業への応援を要請して締めくくりました。
在学生と教員の記念写真撮影の後、中川記念会館レストラン「カルム」へ移動して祝賀会が催されました。祝賀会は、在学生、同窓生、教員が入りまじり、和やかな雰囲気で行われました。
(写真提供:立命館大学新聞社ほか)
2013.11.05
豊田准教授が日本地域学会 田中啓一賞(博士論文賞) を受賞しました
政策科学部の豊田准教授が日本地域学会 田中啓一賞(博士論文賞) を受賞しました。
受賞についてのインタビューです。
聞き手)受賞おめでとうございます。どのような研究をなされたのでしょうか。
豊田)人口流動期における都市部のコミュニティ避難計画に関する研究です。
聞き手)人口が流動する時代とはどのような時代なのでしょうか。
豊田)日本は人口減少に伴う都市部における人口流動期にあり、災害の世紀と呼ばれている21世紀において、更なる猛威が予測されている自然災害に対処する方策が求められています。そこで博士論文では、このような予想されるリスクを軽減し、大震災からの生存確率を高めるための地域コミュニティにおけるコミュニティ避難計画モデルを構築しました。
聞き手)人口が減っている地域コミュニティに固有の防災の課題はどのようなものですか。
豊田)まず、これまでの大震災時の地域コミュニティにおける安全な避難の教訓を整理して、地域コミュニティのより安全な避難のために、防災まちづくりの手法が着目されているものの、防災まちづくりには社会関係資本(住民の地域との関わり〔信頼、規範、ネットワークなど〕)が重要です。一方、都市は定常状態にあるのではなく、常に変動しています。今回受賞した博士論文では、特に、人口減少や少子高齢化という社会変化に伴う今後の都市変容の有力なコンセプトである都市のコンパクト化に焦点を当て、コンパクト化に必然的に伴う人口流動によって社会関係資本が希薄な新住民の割合が都市部において多くなることを大規模調査データより予測しました。これは先に述べた防災まちづくりにとって深刻な課題となります。
聞き手)防災を意識したまちづくりでは、どのように避難計画を立てれば良いのでしょうか。
豊田)私は「コミュニティ避難計画モデル」を提案しました。このモデルは先ほど問題視した社会関係資本の醸成を前提としておらず、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを援用した「コミュニティ避難システム」の「構築」、「(事前)評価(アセスメント)」、そして「補完」という三段階から構成されています。そして、将来予測される都市と共通の特徴をもっているという共通性、防災まちづくりの効果を測定しやすいという優位性から、本モデルを検証するための対象地域として、地震リスクが存在する地区を設定しました。
まず「コミュニティ避難計画モデル」の第一段階に基づき住民参加型防災(避難)マップづくり、および作成したマップの不参加住民への配布によって、「コミュニティ避難システム」の構築と有効範囲の拡大を検証しました。ここでは「コミュニティ避難システム」の構築を確認するとともに、避難場所に集まり安否確認や救出・救護活動、消火活動などの支援という「コミュニティ避難システム」が有効に作動できるような情報に関する認知の、不参加者への拡大を一定程度は達成できることを示しました。そして、「コミュニティ避難計画モデル」の第二段階「システム評価」と第三段階「システム補完」の検討を行いました。「コミュニティ避難システム」の評価手法として、コミュニティ避難システムの再現性と安全性、そして失敗を含む学習モデルから、ゲーミング・シミュレーションが評価手法として有効なことを理論的に論じ、開発した「避難シミュレーション訓練」を当該地区において実施し、各町内の住民名簿作成および避難場所の追加というリスク対策の決定と実施(リスク・マネジメント)を行える(踏み切る事ができる)ことを示すことに成功しました。
聞き手)コミュニティの避難モデルを作成することが重要であることが分かりました。
豊田)このようにこの研究は、都市中心部において社会関係資本が希薄な新住民が増加し、避難時共助(住民間の助け合い)の発現機会の低下という脆弱性の増大期に入りつつある日本において、避難時共助の発現機会を増加させ、震災後避難時における生存確率を向上することが期待できる介入可能な行動体系によって構成される「コミュニティ避難計画モデル」を設計し、その有効性を明らかにしました。
この研究では地域住民のみを対象にしているため、今後は「コミュニティ避難計画モデル」を進化させて、行政やNGO、大学など多主体による防災まちづくりを促進するための方策を検討していきたいと考えています。



受賞についてのインタビューです。
聞き手)受賞おめでとうございます。どのような研究をなされたのでしょうか。
豊田)人口流動期における都市部のコミュニティ避難計画に関する研究です。
聞き手)人口が流動する時代とはどのような時代なのでしょうか。
豊田)日本は人口減少に伴う都市部における人口流動期にあり、災害の世紀と呼ばれている21世紀において、更なる猛威が予測されている自然災害に対処する方策が求められています。そこで博士論文では、このような予想されるリスクを軽減し、大震災からの生存確率を高めるための地域コミュニティにおけるコミュニティ避難計画モデルを構築しました。
聞き手)人口が減っている地域コミュニティに固有の防災の課題はどのようなものですか。
豊田)まず、これまでの大震災時の地域コミュニティにおける安全な避難の教訓を整理して、地域コミュニティのより安全な避難のために、防災まちづくりの手法が着目されているものの、防災まちづくりには社会関係資本(住民の地域との関わり〔信頼、規範、ネットワークなど〕)が重要です。一方、都市は定常状態にあるのではなく、常に変動しています。今回受賞した博士論文では、特に、人口減少や少子高齢化という社会変化に伴う今後の都市変容の有力なコンセプトである都市のコンパクト化に焦点を当て、コンパクト化に必然的に伴う人口流動によって社会関係資本が希薄な新住民の割合が都市部において多くなることを大規模調査データより予測しました。これは先に述べた防災まちづくりにとって深刻な課題となります。
聞き手)防災を意識したまちづくりでは、どのように避難計画を立てれば良いのでしょうか。
豊田)私は「コミュニティ避難計画モデル」を提案しました。このモデルは先ほど問題視した社会関係資本の醸成を前提としておらず、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを援用した「コミュニティ避難システム」の「構築」、「(事前)評価(アセスメント)」、そして「補完」という三段階から構成されています。そして、将来予測される都市と共通の特徴をもっているという共通性、防災まちづくりの効果を測定しやすいという優位性から、本モデルを検証するための対象地域として、地震リスクが存在する地区を設定しました。
まず「コミュニティ避難計画モデル」の第一段階に基づき住民参加型防災(避難)マップづくり、および作成したマップの不参加住民への配布によって、「コミュニティ避難システム」の構築と有効範囲の拡大を検証しました。ここでは「コミュニティ避難システム」の構築を確認するとともに、避難場所に集まり安否確認や救出・救護活動、消火活動などの支援という「コミュニティ避難システム」が有効に作動できるような情報に関する認知の、不参加者への拡大を一定程度は達成できることを示しました。そして、「コミュニティ避難計画モデル」の第二段階「システム評価」と第三段階「システム補完」の検討を行いました。「コミュニティ避難システム」の評価手法として、コミュニティ避難システムの再現性と安全性、そして失敗を含む学習モデルから、ゲーミング・シミュレーションが評価手法として有効なことを理論的に論じ、開発した「避難シミュレーション訓練」を当該地区において実施し、各町内の住民名簿作成および避難場所の追加というリスク対策の決定と実施(リスク・マネジメント)を行える(踏み切る事ができる)ことを示すことに成功しました。
聞き手)コミュニティの避難モデルを作成することが重要であることが分かりました。
豊田)このようにこの研究は、都市中心部において社会関係資本が希薄な新住民が増加し、避難時共助(住民間の助け合い)の発現機会の低下という脆弱性の増大期に入りつつある日本において、避難時共助の発現機会を増加させ、震災後避難時における生存確率を向上することが期待できる介入可能な行動体系によって構成される「コミュニティ避難計画モデル」を設計し、その有効性を明らかにしました。
この研究では地域住民のみを対象にしているため、今後は「コミュニティ避難計画モデル」を進化させて、行政やNGO、大学など多主体による防災まちづくりを促進するための方策を検討していきたいと考えています。
2013.10.30
土地家屋調査士の寄附講座(政策科学特殊講義 (PC))の表彰並びに講評会
土地家屋調査士の先生方が講師となり、寄付講座科目(「「国家基盤整備に係る土地・家屋の調査」)が今年初めて開講されました。土地家屋調査士は土地や建物の調査・測量及び表示に関する登記の国家資格です。
土地家屋調査士はたとえば、土地の境界が分からず、近隣とトラブルになっている際、実際に現地に赴いて解決する、問題解決型の仕事です。また、測量の技術的な知識だけではなく、法律の知識なども要求される学際的な業務でもあり、政策科学の実践例と言えるでしょう。
今回、講師の土地家屋調査士の先生方のご依頼により、成績優秀者の表彰、講評会を2013年10月24日に実施しました。講評会では、授業の内容・進め方についての活発な議論がなされるとともに、学生は講師の先生方から将来に関する貴重なアドバイスをいただくなど、非常に有意義な表彰会・講評会でした。
最後に、寄附講座の講師をしてくださった土地家屋調査士の先生方、また土地家屋調査士会近畿ブロックの皆様にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。


土地家屋調査士はたとえば、土地の境界が分からず、近隣とトラブルになっている際、実際に現地に赴いて解決する、問題解決型の仕事です。また、測量の技術的な知識だけではなく、法律の知識なども要求される学際的な業務でもあり、政策科学の実践例と言えるでしょう。
今回、講師の土地家屋調査士の先生方のご依頼により、成績優秀者の表彰、講評会を2013年10月24日に実施しました。講評会では、授業の内容・進め方についての活発な議論がなされるとともに、学生は講師の先生方から将来に関する貴重なアドバイスをいただくなど、非常に有意義な表彰会・講評会でした。
最後に、寄附講座の講師をしてくださった土地家屋調査士の先生方、また土地家屋調査士会近畿ブロックの皆様にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。
2013.10.30
政策科学部20周年式典について(政策科学部出身者・本学関係者対象)
2013.10.23
政策科学部キャリア企画「PSTeN 10年後の私」が開催されました。
2013年10月13日(土)政策科学部キャリア企画「PSTeN 10年後の私」が敬学館教室および諒友館地下食堂にて開催されました。この企画は、在学生に政策科学部を卒業された先輩との交流を通じて、自分の未来像について考えてもらうことを目的としています。学生スタッフを含め約100名の学生が参加し、24名の先輩方をお迎えしました。
企画は、講義・グループトーク・フリートークの3部で構成し、学生時代の話から現在の仕事についての話など幅広くお話していただきました。学生からは様々な質問が飛び、先輩方と熱い議論を繰り広げていました。先輩方は時には冗談で場を和ませてくださり、学生も話しやすい雰囲気で企画を進めることができました。13時から17時まで4時間という長丁場の企画でしたが、とても有益な時間を過ごすことができたのではないかと思います。
この企画は全回生を対象としていますが、やはり就職活動を控えた3回生の参加が最も多く、就職活動中の話や興味のある業界の先輩に現在の仕事について真剣に話を聞いている姿が多くみられました。1・2回生の参加者も多く今後の学生生活をどのように送るかということを考えるきっかけにもなったと思います。
企画後のアンケートで、学生からは「貴重なお話を聞けた」「就職活動や仕事について具体的なイメージを持つことができた」といった意見があり先輩方からは「後輩とざっくばらんに話ができてよかった」「学生の関心の高さを実感した」といった意見をいただきました。学生のみならず先輩方にとっても充実した企画になったのではないかと思います。
今後PSTeNは、全政策科学部生に向けて先輩方のお話をまとめた事後冊子を作成し、また次年度よりよい企画にしてもらうために企画・運営等の反省を行いたいと考えています。
最後になりましたが、本企画にご協力いただきました先輩の皆様、ならびに洋洋会の皆様に御礼深く申し上げます。




企画は、講義・グループトーク・フリートークの3部で構成し、学生時代の話から現在の仕事についての話など幅広くお話していただきました。学生からは様々な質問が飛び、先輩方と熱い議論を繰り広げていました。先輩方は時には冗談で場を和ませてくださり、学生も話しやすい雰囲気で企画を進めることができました。13時から17時まで4時間という長丁場の企画でしたが、とても有益な時間を過ごすことができたのではないかと思います。
この企画は全回生を対象としていますが、やはり就職活動を控えた3回生の参加が最も多く、就職活動中の話や興味のある業界の先輩に現在の仕事について真剣に話を聞いている姿が多くみられました。1・2回生の参加者も多く今後の学生生活をどのように送るかということを考えるきっかけにもなったと思います。
企画後のアンケートで、学生からは「貴重なお話を聞けた」「就職活動や仕事について具体的なイメージを持つことができた」といった意見があり先輩方からは「後輩とざっくばらんに話ができてよかった」「学生の関心の高さを実感した」といった意見をいただきました。学生のみならず先輩方にとっても充実した企画になったのではないかと思います。
今後PSTeNは、全政策科学部生に向けて先輩方のお話をまとめた事後冊子を作成し、また次年度よりよい企画にしてもらうために企画・運営等の反省を行いたいと考えています。
最後になりましたが、本企画にご協力いただきました先輩の皆様、ならびに洋洋会の皆様に御礼深く申し上げます。
2013年度PSTeN実行委員会代表 政策科学部3回生 加藤結子