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桜井政成教授の『福祉NPO・社会的企業の経済社会学-商業主義化の実証的検討-』が日本NPO学会賞受賞

第20回日本NPO学会賞・優秀賞に、桜井政成教授の著書『福祉NPO・社会的企業の経済社会学-商業主義化の実証的検討-』が選ばれました。

同書は、世界的な非営利組織研究の潮流においても議論となっている、NPOの商業主義化の問題について、日本の非営利組織、とくに福祉分野の特定非営利活動法人(NPO法人)を主たる対象として論じています。1998年のNPO法施行から20年間、福祉分野のNPO法人が抱えてきた状況や、直面してきた課題を、ポランニーの理論を援用して、政府、市場、コミュニティとの関わりから、社会経済学的に分析を同書では行っています。そして、その商業主義化の問題はNPOという組織に帰結するものではないこと。それは、新自由主義的な政策を背景とした商業化圧力が環境的に強まった影響であり、むしろNPOはそれに逆に抗している存在であると本書では結論づけています。

桜井政成教授は学部では非営利組織論、コミュニティ福祉論等の授業を担当し、主著に『コミュニティの幸福論-助け合うことの社会学-』などがあります。同書では、社会学を中心とした社会科学の見地を応用することで、「みんなで幸せになる方法」を考えることを、ひとつのねらいとしています。その根底にある考え方は、個人主義化した社会で、幸せを自己責任化しないことであり、それは本受賞作にもつながる問題意識ともなっています。

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