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研究実践フォーラム「カナダ・プロジェクト」が実施されました Part2


2024年8月21日から9月1日にかけて政策科学部開講科目「研究実践フォーラム」(カナダ・プロジェクト)として、現地でフィールドワークを実施しました。

トロント

〈トロント本願寺〉
〇トロント本願寺とは
 トロント本願寺はその名の通り、オンタリオ州トロント市に存在する浄土真宗本願寺派の寺院です。1947年ヒューロン通りに最初の祈りの場所を構え、それ以降トロントに住む仏教徒と共にその歴史を歩んできました。
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現在のトロント本願寺

〇施設の様子
 施設は1階~3階の構造で本堂は2階にあります。
 3階は本堂を上から眺められるすりガラス、小さな図書スペースなどがありました。お香のにおいなどが苦手な礼拝者用に、部屋を隔てても法要に参加できるようすりガラス仕様になっているとのことでした。また図書スペースは非会員でも利用可能であり、仏教をはじめとした日本文化を多くの人々に知ってもらう機会になるのではないかと思いました。

〇日系移民とカナダにおける本願寺
 トロント本願寺ではカナダにおける日系移民の歴史を、駐在僧侶である橋本 顕正様より教えていただきました。トロント本願寺に限らず、カナダにおける本願寺派の寺院は当時の日系移民にとってのアイデンティティであり、心の拠り所でありました。
 カナダにおける本願寺派寺院の始まりは、1905(明治38年)にバンクーバーにて仏教会が設立されたところまで遡ります。設立にあたる土地の購入や建設費は、全て日系移民からの寄付により賄われました。このことからも、当時の日系移民にとって仏教がどれだけ重要な位置を占めていたかは想像に余りあるでしょう。その系譜として、私たちの訪れたトロント本願寺も、今日まで受け継がれてきたのです。
 
〇日系移民との関係の薄れ
 橋本様によると、カナダにおける本願寺派寺院の運営者の確保は急務であるといいます。というのも、仏教知識と英語能力を十分に備え持つ人材が少ないということです。トロント本願寺においても、毎月の法要は殆ど英語で行われ、法要に参加する人々の多くは非日本語話者であるそうです。日本語の法要が行われるのは月1回程だそうです。トロント本願寺では毎週の法要と定期的なイベント(舞踊や一心太鼓などの、日本の伝統を取り入れたもの)により、日本の文化は受け継がれていますが、日系移民との関係は徐々に薄れているのが現状ではないでしょうか。

〇最後に
 本コーナーではトロント本願寺にて学んだことをまとめました。
トロント本願寺の雰囲気はどこかあたたかく、落ち着くものでありました。入ってすぐのところには日本人形や掛け軸、親鸞聖人の像などがあり、日本を存分に感じられる場所でありました。また日系移民とカナダにおける仏教会の関係の歴史を深く知ることができ、非常に勉強になりました。いつかまた訪れてみたいと思いました。

ガイダンスの様子(3階スペースにて)

ガイダンスの様子(本堂にて)



<High Park>
〇High Parkとは
 High Parkはカナダのオンタリオ州トロントに位置する公立公園です。敷地面積は161ヘクタール(東京ドーム約34個分)で、公立公園としてはトロント最大です。VIA Rail鉄道が通るユニオン駅の地下鉄から最寄りの地下鉄ハイパーク駅まで約30分でアクセスが可能で、最寄りの地下鉄ハイパーク駅からはすぐにアクセスすることができます。

〇High Parkの様子
 敷地内には子ども用の遊具、プール、テニスコートなどのスポーツ施設、ドッグランや動物園など様々な施設が併設されていたこれらの施設は全て無料で利用できます。キッチンカーなどの出店もあり、一日を通して楽しむことができます。施設以外にも、敷地内には豊かな生態系が形成されており、それもHigh Parkの魅力の一つです。

High Parkのようす

High Park内のリス


〇High Parkにおける環境への取り組み
 先述の通り、High Parkは豊かな生態系が大きな魅力のひとつです。数にして309種類の植物と70種以上の動物を有しており、Environmental Significant Area(ESA)に指定されています。敷地内にはこの豊かな生態系を維持するため、利用者に協力を呼び掛ける看板がありました。
 また敷地内には自然再生エリアがあり、High Park内の山峡は樹木や低木の植え付けを通した再生に推奨されています。

利用者に協力を呼び掛ける看板

High Park内の山峡

執筆者:中山



<Downtown Yonge>

〇Downtown Yongeとは
トロントのダウンタウンヤング周辺は、大型ショッピングモールやエスニック料理店などが集まる場所です。実際に訪れると、多くの人が集まるイベントも開催されており中心地として賑やかな雰囲気でした。ショッピングモールは天井が高く広々とした空間で、日本にもある店から甘いお菓子や北米系ファッションの店など数多くの店が並んでいました。夜21時頃であったからか、営業時間中にもかかわらずどこの店でも片付けを進めていて営業中かわからない様子であり、日本との違いを感じました。

〇エスニック料理
また、ここではグルメもローカルフードからエスニックまで、様々なものが溢れています。私が訪れたタイ料理店では、アジア系からアメリカ系の人たちまで様々な国のお客さんが混在していました。一方で、店員さんはタイ料理店ということもあり東南アジア系の方が多かったです。メニューは、香辛料やハーブが強めのTheタイ料理で日本人にとって珍しいものが多くあり興味深かったです。

Downtown Yongeの様子

Downtown Yongeで食べたタイ料理


<CN Tower>

CNタワーはカナダ(トロント)のシンボルとも言える都市と国の歴史的、文化的象徴です。電波塔ですが、展望台やレストラン、アクティビティもあり観光地として有名です。

また、CNタワー周辺は、シンボルのCNタワーを中心にリプレイ水族館やロジャースマーケット等があり、子供から大人まで多くの観光客がいました。



CNタワー

<Central Market>

CNタワーから少し離れたところにはセントローレンスマーケットというたくさんのお店が並ぶ屋内マーケットもありました。食材やお土産はもちろん、サンドイッチやエスニック料理でランチを食べることもできるため、様々な楽しみ方ができます。トロントに行った際には是非訪れてほしいスポットです。

多くのスポットがあり、街中も華やかな都市部と言えるトロントは、最終滞在場所にぴったりだったと感じられました。

セントローレンスマーケットの様子

執筆者:久徳



<トロントで印象に残ったこと>

私はトロントで印象に残ったこと2つについて書いていきます。

まず、トロントに滞在して2日目の朝の城戸先生による観光ツアーです。この日はお昼までは自由時間であったため、希望者のみこのツアーに参加しました。この日の参加者は私と友人1人で、城戸先生の出身校であるトロント大学と、コリアンタウンを訪れました。トロント大学には塀がなく、街に溶け込んでおり、これは立命館大学との共通点とも言えるでしょう。また、コリアンタウンに入ると、雰囲気がガラリと変わったことも印象的でした。コリアタウンではお昼ご飯にビビンバをいただきました。補足ですが、カナダでは食べきれなかった食材を持ち帰ることができます。これは環境保全の観点からも非常に画期的であると考えました。

コリアンタウンで筆者が食べたビビンバ

   


 次に、トロント大学のRodney Haddow名誉教授とのミーティングです。教授とのミーティングでは、約1週間カナダに滞在して感じたことや疑問点などについて、みんな積極的に質問を行っていました。その後、トロント大学の中を城戸先生の引率により見学しました。トロント大学の内部は非常に自然が豊かで、野生のリスを何匹も見つけることができました。また、学校は重厚感があり、トロント大学の歴史の長さを改めて感じました。 
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トロント大学内の様子

トロント大学内にいたリス

Rodney Haddow名誉教授とのミーティングの様子          

執筆者:松田


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