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韓国プロジェクトの夏期実習(韓国)の報告
政策科学部2回生の小集団演習科目である研究入門フォーラム・韓国プロジェクトでは、政策科学特別実習のテーマを「新たな外国人労働者に対する政策展開の可能性の模索-日韓比較を通じて-」としました。1年間にわたる政策過程研究の一環として、6名の受講者が2013年9月3日(水)〜9月10日(水)に本学部教員の松岡京美助教(公共政策・政策過程論)、藤原智栄美准教授(日本語教育学・社会言語学)とともに韓国のソウル市とその周辺で訪問調査を行いました。
調査実習の目的は、韓国における外国人労働者をめぐる制度利用の実態と問題点、および外国人労働者に対する支援などの現状を調査することで、日本での外国人労働者をめぐる新たな政策展開の可能性への知見を得ようとするものです。今回の調査では、前期セメスターで進めてきた文献調査を踏まえ、受講生との議論を通じて、韓国における現状を知るための訪問先を選びました。
9月3日(水)に韓国ソウル市に到着してすぐ、ソウル市にある外国人労働者の支援団体であるY団体の活動家であるCさんとのヒアリング調査(写真1)を行いました。異なる国からきている外国人労働者のコミュニティ形成支援、不法滞在者の子供の教育支援など実際の事例を紹介してもらいながら外国人労働者に対する支援活動の取り組みを聞くことができました。
9月4日(木)は、国からの受託を受けて外国人労働者の支援を行っている「韓国外国人人力支援センター」でWonkyung Kimさんにヒアリング調査(写真2)を行いました。国の雇用許可制に関する説明、その中でのセンター活動としての法律相談、外国人労働者に対する言語、パソコン教育などの状況について説明を聞くことができました。加えて、午後は、アンヤン大学を訪問し、Donghyun Ha教授による韓国中央行政に関する講義(写真3)を受けました。
9月5日(金)は、「ブチョン外国人労働者の家」のBongKyoung Kimさんとのヒアリング調査から、様々な外国人労働者支援団体が初期からどのような変化をたどり、その中でブチョン外国人労働者の家が担った役割などのへ説明を聞くことができました(写真4)。その団体と関連して活動する金子由美子さんへのインタービューによって日本人のコミュニティや他の国のコミュニティ活動との交流から、韓国における多文化家庭の現状を聞くことができました。また、訪問した韓国労働研究院のKyuyoun Lee博士からは、韓国政府の外国人労働者に対する国の政策の変容に関する説明や韓国経済での外国人労働者を含む労働問題などの説明を受けました(写真5)。
9月6日(土)から9月8日(月)では、アンヤン大学の学生との交流会や博物館などの見学、外国人(主に観光客)への韓国の文化体験などに参加しました(写真6、7、8、9)。
9月9日(火)は、「外国人移住労働者人権のための集まり」の副所長であるWonJeong Seokさんにヒアリング調査をしました(写真10)。韓国での軍部政権から文民政権に至るまでの労働者をめぐる人権の向上と、そこでの外国人労働者の人権の向上ための活動などの説明を受けました。
今回の調査は、韓国の外国人労働者をめぐる制度の変容の中で、様々な組織が実際に取り組んでいる活動やその事例などを具体的に聞くことができ、学生のみではなく引率した教員にとっても大変有意義なものでした。これらの調査は、訪問の受け入れにご協力いただいた多くの方の助力で可能になりました。学生達との議論にお付き合いくださった皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
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(写真1) |
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(写真2) |
(写真3) |
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(写真4) |
(写真5) |
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(写真6) |
(写真7) |
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(写真8) |
(写真9) |
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(写真10) |