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学部における政策科学研究の成果発信 ―2015年度PSアカデミック・フェスタの開催
政策科学部では各回生の優秀者が研究成果を発表するアカデミック・フェスタ(ACADEMIC FESTA)を毎年12月におこなっています。今年度は、12月21日(月)に大阪茨木キャンパス(OIC)のB棟グランドホールで開催されました。 このアカデミック・フェスタは、3・4回生ゼミである専門演習における優秀者が発表を競い合うPS Exposition(Policy Science Exposition)本選と、1回生ゼミであるプロジェクト入門、2回生ゼミである政策実践研究プロジェクトの最優秀賞受賞者による発表から構成されています。
PS Exposition 本選
今年度のPS Exposition本選は、各ゼミで実施される第1次予選(〜11月6日)ならびに各ゼミ代表者が公共政策系、環境開発系、社会マネジメント系の3つの系列ごとの分科会に分かれて競い合う第2次予選(12月10日)を経た6組が出場しました。
出場した6組の発表タイトルと、本選の審査結果は以下のとおりとなりました。
順位 | 発表タイトル | 発表者 | ゼミ |
優勝 | SHARPにおける再建の方向性 ―企業成長の理論からのアプローチ | 北村 拓真 | 石川ゼミ |
準優勝 | 慶良間諸島の環境保全に対する施策 | 中山 みき、調子 綾美、浜本 有規 | 上原ゼミ |
第3位 | 東日本大震災後の震災復興期における政策形成過程 ―海岸法一部改正の政策形成 | 三浦 なつき | 上久保ゼミ |
第4位 | なぜ、漁業者は現状を維持するのか? ―養殖業における漁業権開放に向けた経済的分析 | 村越 楓、辛坊 響、瀧澤 勇弥、深澤 貴士、嶋 ちひろ、米澤 美春 | 石川ゼミ |
第5位 | 高齢者雇用の現状と課題~生涯現役社会に向けての課題克服のあり方について~ | 山砥 望 | 岸ゼミ |
第6位 | 畜産環境改善と日本の社会問題 | 石原 幸穂 | 小幡ゼミ |

会場の様子

今年度は、学生ならではのユニークな視点から日本が直面している身近な制度・政策課題(企業成長、震災復興、環境保全、産業振興、高齢福祉など)を探った研究テーマが設定されていました。いずれの発表もローカルでありながらグローバルな性格をも有している複雑な課題をテーマにしながらも、政策科学部生らしい多角的な分析手法を用い、理論体系と実践事例の共鳴による問題解決を志向するものばかりでした。
そのなかで優勝したのは、「SHARPにおける再建の方向性-企業成長の理論からのアプローチ」という研究発表でした。自ら就職の決まった企業に焦点を当て、再建から成長への課題をベンローズの「企業成長の理論」などこれまでにない視点で分析し、政策科学部らしい示唆に富んだものでした。


PS Exposition優勝の北村拓真君と指導いただいた石川先生

次に1・2回生の最優秀賞受賞者による発表がおこなわれました。
2回生政策実践研究プロジェクトの最優秀プロジェクトは「地域包括ケアシステムは介護者支援につながるか〜地域包括的介護者支援がもたらす家族介護者と介護現場への影響〜」というテーマが報告されました。
また1回生のリサーチ・プロポーザル・コンペティションの優秀者報告では、「住宅地の空き家問題に対する解決策の研究」というテーマが報告されました。

重森学長による1・2回生優秀者への表彰の様子
第11回目の開催となる今回のPSアカデミック・フェスタは、大阪いばらきキャンパスでの初開催ともなりました。アジアのゲートウェイ、都市共創、地域・社会連携を教学コンセプトとした大阪いばらきキャンパスへの移転に合わせ、今年度は、他学部や地域一般市民の方々に向けて公開するようにしました。また特別賞として、地域連携と貢献を図るための「茨木市長賞」と、聴講者参加型のアカデミック・フェスタをめざす「観覧者特別賞」を新設することを試みました。
「茨木市長賞」には、「高齢者雇用の現状と課題〜生涯現役社会に向けての課題克服のあり方について〜」を報告した岸ゼミの山砥さん(3回生)が選ばれました。

茨木市長賞授賞式
また「観覧者特別賞」にはPS Exposition優勝の北村さんがダブル受賞されました。

観覧者特別賞授賞式様子
都市型の立地を活かして、産業界や行政機関等との一層の連携による教学展開とともに、参加型教学活動による学生の更なる成長を促すという今年度のアカフェスの目的に沿い、有意義な試みが行われたと考えられます。

受賞者集合写真