海外での学び
海外特定プロジェクト
オンサイト調査演習
タイプロジェクト(ゲスト)
2022年
2022年8月28日~9月5日
政策科学を学ぶ上で欠かせないのが、実際に問題が起きている現場に出向いて調査をする「フィールドワーク」です。政策科学部では、学生たちは教室で学問的な理論や制度を学ぶだけでなく、地域調査や関係者へのインタビューなど、実践的な学びの場にも出かけます。ここではその一例として、タイでフィールドワークを行った学生グループによる「タイプロジェクト」をご紹介します。
このプロジェクトは、タイの背景の理解、問題点の抽出から政策提言まで、政策立案に必要な経験を学生に提供することを目的としています。タイは他のASEAN諸国に比べて急速な経済成長を遂げているものの、経済格差は依然として残っています。プロジェクトのテーマは、低所得者層(スラムなど)の居住環境の改善や教育課題の解決といった、貧困に関わる問題です。
学生たちは夏季休暇中に実際にタイを訪れ、大学の教員や実務家による講義、公的機関・NGO・スラム街などでの現地調査など、それぞれの学習課題や分野に関する様々な体験をします。現地のチュラロンコン大学と協力して調査を行い、その中で学生同士の親睦も深めています。

体験談
2022年のタイ・プロジェクトは、私にとって忘れられない素晴らしい経験になりました。チュラロンコン大学の教授や学生の協力のもと、調査内容の検討や調査項目の設定、低所得者層の居住環境についての(先生方による)講義、居住地域への訪問などを行いました。メンバーそれぞれがこのプロジェクトに全力で取り組み、タイの学生たちとも協力しながら、様々な困難や課題に挑みました。こうして現地で先生方やグループのメンバーとともに研究を進めることができ、心から感謝しています。
バンコクでの9日間は、自分たちの研究フィールドだけでなく、低所得者層やそれを支援する機関への訪問も行い、思い出深い時間となりました。危険と思われる場所、狭く安全ではない家、ゴミで汚染された環境、火事で被害を受けた家などを歩き回りました。一方で、このような状況下でも、実際に生活に必要な電化製品や資源が家に備わっているのは、訪問前の想像とは異なりました。それでもやはり、そこに住む人たちの未来がもっと良くなればと思います。コミュニティだけでなく、Duang Prateep財団(クロントゥーイのコミュニティに多大な支援をしている)、Community Organizations Development Institute(CODI)、バン・クルア・コミュニティセンターでも少人数のグループディスカッションを行いました。パンデミックの間、人々が自分たちの権利のためにどのように戦い、どのように助け合い、コミュニティのネットワークがどのように機能していたかを知ることは、とても印象的でした。



体験談
現地では、私たちは2つのグループに分かれ、タイの学生のサポートの下、それぞれバンクルアとクロントゥーイのコミュニティでの調査を担当しました。福祉や機関からの支援に対する住民の真の思いを理解しようとする中で、多くの有益な生のデータを得ることができました。今後、このような貴重な回答が世間に伝わり、より平等な社会の構築について多くの人が考えるようになればと思います。
総じて、タイ・プロジェクトは、日頃の授業とは別に、現実の社会から学ぶことができた貴重な経験となりました。政策立案に関する知識を深め、リサーチ能力を向上させ、問題点を発見し、それに沿った政策提言を行うことができるようになるためには、このような機会はとても重要だと思います。
最後に、チュラロンコン大学の先生方と学生の皆さんに感謝するとともに、両大学の協力関係が今後ますます発展することを願います。そして、将来タイ・プロジェクトに参加する皆さんにも、積極的にこのプロセスを楽しんでほしいです。




