Voices for future leaders修了生紹介

2期生

佐藤 恒治

佐藤 恒治Sato Koji

トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長・CEO

  • チーフエンジニア
  • 代表取締役社長・CEO(2023年6月14日更新)

立命館西園寺塾を通じてのご自身の変化や成長について

1年のカリキュラムを通じて、日本の文化や価値観を背骨とした考え方に多く触れ、改めてその大切さを認識しました。持続可能な社会を形成するために利他の心を持ち、(伊勢神宮御神木の育成に象徴される様な)独特な時間の捉え方で未来を築く。日本的価値観の特徴は、モノ・コトの捉え方の深さ、感受性の高さ、表現の繊細さにあるように思いました。自身の仕事に活かせるよう、今後も研鑽を続けたいと思います。このような考え方は企業人としてのみならず、一人の日本人として拠り所とすべきものでもあり、「より良く生きる為に何をなすべきか?」ということについて、自らに問いかけ、もっともっと深めていきたいと思います。
また、塾生との交流によって、自社の人間にない視点や考え方に接することができ、視野がとても広がりました。それは同時に、自社の特徴を見つめ直す大変貴重な経験でした。このような学びの場を与えて下さった講師の方々、事務局の皆様に、改めてお礼申し上げます。

特に印象に残っている講義・フィールドワーク・出来事はどのようなことでしょうか。また、その理由についてお教えください。

  1. 松井孝典先生の宇宙誌に関する講義
    哲学は合理的に物事を考える行為であり、物理化学や数学、音楽、宇宙までもがつながっているという考え方に出会い、衝撃を受けました。先生がおっしゃった「新しいことを知ろうとしなければ進化はない」という言葉が、心に残っています。
  2. 池坊専好先生の講義
    いけばなを生活に根差した文化として、実践を交えた講義をいただいたことにより、日本人として日本文化を考える入口に立てた喜びを感じました。先生のお人柄やセンスのようなものまでもが、学びの対象として心に残りました。
  3. 梅原猛先生のお言葉
    梅原先生の講演でいただいた「勉強・学問は一生しなくてはならない」「常識を疑え」というお言葉が大変強く記憶に残っています。長く哲学の道を歩まれた方の発せられる言葉には、本物の迫力がありました。また、「日本人であるからには、日本を知っておかねばならない」というお考えを伺い全くその通りだと思いました。講演を通じて、もっともっと学ばねばならないと、学ぶ動機を与えていただきました。

今後の夢や目標を教えてください。

自らが関わるクルマを通じて、一人でも多くのお客様にクルマと共に過ごす素敵な人生を送っていただきたい。そして、自動車産業の持続的な発展に貢献したいと思っています。

未来の西園寺塾 塾生にメッセージをお願いします。

西園寺塾のカリキュラムは、日本やアジアの文化・歴史・価値観に着目し、大きなテーマをもった年間プログラムで形成されています。時代をリードする新たな視点を探求するリーダーにとって大変有意義な学びの場であり、多彩な講師陣・各企業を代表する塾生たちから得られる刺激は、1年後の自分を大きく変えてくれるでしょう。
講義の中で繰り広げられるディベートは、私にとって自らの知識が試される緊張感と新たな発見の喜びに満ちていて、日頃使っていない脳内領域を刺激してくれました。フィールドワークで行なった鎮守の森への植樹や、香道の聞香など、体験することでしか得られない学びにも多く触れることができました。これは実践を大切にする西園寺塾の特徴と言えるでしょう。修了後もOB/OGとして続く塾生同士のつながりは、企業人としての自分の幅を継続的に広げてくれます。目的意識を持った方の参加を期待します。