Fujino Lab.Go to English home
>> トップページ >> 構成員・配属(構成員紹介) >> 構成員・配属(配属情報)

配属情報

教授からのメッセージ

 いま,私が特に興味を持っているのは,ネットワークセキュリティー応用分野に向けたLSIの設計技術です. インターネットや携帯電話などの情報通信ネットワーク技術は,いまや私たちの生活に欠かせ ない便利な技術となっています.しかしながら,一方で,不正な電子商取引,Webサーバーの 悪意ある改ざん,スパムメール,クレジットカードの不正使用等,ネットワーク上の犯罪は飛躍的 に増加しています.2015年には,アメリカのハッカーの学会でJeepという車が,携帯電話の回線から侵入されて,予期しないワイパーの動作や,エンジ ンの停止を行えるという報告がなされ,この車会社が140万台の車をリコール(修理のために車を回収すること)するという事態に発展しました.

 上記のような犯罪を阻止して,快適な情報通信ネットワーク社会を実現するためには,ソフトウエア /ハードウエア両面での対策が必要ですが,当研究室では特にハードウエアにターゲットをあてて 研究を行っていきたいと考えています. ほとんどの小型電子機器を開封すれば主要な部品はLSIが数個搭載されているだけという状況 を見てもわかるとおり,ハードウエアで対策をするためには,LSIに暗号回路などのセキュリティ機能を実装することが必須です.

 当研究室では,2009年より科学技術振興機構(JST)の大型の研究資金(戦略的創造研究推進事業:CREST)提供を受けて, 「耐タンパディペンダブルVLSIシステムの開発・評価」という研究を,産業技術総合研究所,三菱電機,名城大学と共同で推進してきました.「耐タンパ」 とは悪意ある攻撃者がセキュリティのかなめである,暗号鍵を入手できないように守ることができるということで,具体的には,暗号回路が動作しているときの 消費電力や漏えい電磁波等を用いて暗号鍵を推定する「サイドチャネル攻撃」に耐性のある暗号回路設計技術を研究してきました.本研究分野では,日本でも トップクラスの研究実績があります.また,本研究では,物理複製不可能デバイス(PUF:Physically Unclonable Function)と呼ばれるLSIの設計時のばらつきを使って,デバイス固有のコードを生成するという,新しい技術の研究を日本で先駆けて開始しまし た.2015年の研究プロジェクト終了後も,主として自動車やセンサーネットワークに本技術を応用していく研究を行っています.

 暗号・セキュリティの技術はセンサーネットワークにも応用していくことが期待されています.駅やコンビニなどを見ればわかるとおり,さまざまな場 所に監視カメラが設置されています.従来は主として防犯のために設置されてきましたが,今後は顧客動向の調査などにも使用されることが期待されています. そのためにはプライバシーの保護などにも十分配慮することが必要であり,暗号・セキュリティの技術が必要です.また,介護など病院や家庭の中にもカメラが 設置されることになると,低消費電力化も必要となってきます.当研究室では,GSSE(Green Smart Secure Eyes)と呼ぶ,赤外線カメラと可視光カメラの両方を備えた低消費電力監視カメラの技術開発を行っています.本カメラでは,通常のマイコンでの制御より も,飛躍的に低消費電力に するために,ハードウエアシーケンサや赤外線カメラのアナログフロントエンド回路LSIの開発を行っています.

 上記のような研究分野に興味を持っている電子システム系の学生の皆さん,是非藤野研を希望してください. 毎週月曜は午前:4回生,午後:院生のゼミを行っていますので,訪問してもらえば,研究室の雰囲気 を知ることができると思います.また,私と直接面談したいという学生はに メールしてもらえれば時間を設定します.

2016年研究室仮配属関連ケジュール

10/31(月) 18:00頃〜19:00頃

研究室見学@藤野1研
 研究室の研究内容&設備を,デモ&パネル展示で紹介します.

11/1(火) 18:00〜19:00

院生による研究紹介@藤野1研
 院生が下記の内容に関して技術発表を行う予定です.
(1)車載セキュリティ技術
(2)PUF(Physical Unclonable FUnctions)技術
(3)サイドチャネル攻撃技術
(4)赤外線アレイ併用低消費電力監視カメラGSSE


*仮配属希望者の面接を11/7(月)16:20〜行う予定です.
面接予約表をローム3F藤野個研室入り口に貼りますので,記入の上,割り当て時間に来てください.

配属希望者向け資料

研究室の予定(卒論までの流れ)について

応用演習(12月〜1月)

  • ネットワーク, Cygwin環境設定
  • Cプログラミング, SPICE復習
  • 研究紹介
昨年は上記演習を http://rh5pt200.bkc.ritsumei.ac.jp/b3/intro_ntsoclab_2007.html およびhttp://rh5pt200.bkc.ritsumei.ac.jp/b3/spring2007.htmlの ホームページに したがって進められました
(イントラネットサーバーですので立命館学内からしか参照できません)

春季演習(2月〜3月, 週1回)

  • Cプログラミングの演習(簡単な暗号プログラム)
  • 論理回路演習(SPICEシミュレーション)

基礎演習 (4月〜6月, 週2回)

週2回のペースで大学院生による,LSI設計/ネットワーク応用に関する演習を行います.
  • LSI設計ツール(回路図, レイアウト, SPICE&論理シミュレーション, 論理合成)習得
  • FPGAおよびマイコンボード演習
  • ネットワークプログラミング実習
  • 業界標準Ciscoルータで使用されているOS(Cisco IOS)の学習とルータを用いたネットワークの構築演習

卒業研究 (7月〜2月)

 上記の演習をマスターして卒業研究に入ります.
  • 院生ゼミを踏まえ卒業論文テーマの希望調査. やる気のある学生は夏休みも研究
  • テーマの正式決定(7月〜9月)
  • 卒論目次作成(12月) 卒論作成前に内容を整理
  • 卒論提出(2月)

上記以外にも1年を通して輪講を週1回行う予定です.輪講に使用する本は英語の勉強もかねて, 「Introduction to VLSI Circuits and Systems」にしようと考えています.
休み(ゼミのない間)は,3月下旬(春休み)に2〜3週間, 8月に3〜4週間あります.

ページ内容

関連ページ