大窪 健之教授 OKUBO Takeyuki
- 所属学科
- 環境都市工学科
- 研究室
- 防災まちづくり研究室
- 学位
- 博士
経歴概要
1991年3月 京都大学工学部建築学科 卒業 1993年3月 京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻修士課程 修了
研究について
- 研究分野・テーマ
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歴史都市や文化遺産の防災設計と、歴史を活かした防災まちづくり手法の開発
- 研究キーワード
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歴史都市の防災まちづくり計画、文化遺産の防災危機管理計画
- 研究概要
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従前は相反する課題と考えられてきた、文化遺産を核とした木造密集市街地である「歴史都市の価値保全」と「都市の防災計画」の間の複合領域、「歴史防災まちづくり」を主な対象として、衣笠キャンパスにある「歴史都市防災研究所」とともに、文理融合の研究を進めています。歴史ある町並みとコミュニティを守る「住民参加による防災まちづくり」をはじめ、過去の大災害を生き延びてきた「伝統的な減災の知恵」の抽出と分析、地域の自然水源を活かした「防火設備の技術開発」や、歴史的な「防災インフラの再生」など、実践的プロジェクトへの参画と、歴史調査、社会調査、防災設計を通して、専門性をまたぐ多様な研究を進めています。国内外におけるフィールド調査から、具体的計画案としての総合化とデザイン、そして住民や行政等による評価を含む、一連の課題解決型の研究に取り組んでいます。
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自然水源を活用した市民消火栓:清水寺周辺地域に整備された一人で操作できる初期消火ネットワークシステム
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インタビュー
研究者になったきっかけ
私は元々は建築設計の分野で、デザインと景観設計を研究していました。ところが1995年の阪神淡路大震災に直面し、災害で街が一瞬で瓦礫になる姿を見て、美しい街をつくるためには災害安全が欠かせないことを痛感しました。とりわけ京都のような歴史都市で大災害が起これば、歴史を紡いできた文化的な遺産は失われ、都市の復興はさらに困難なものとなるでしょう。しかしだからと言って、たとえば火災から街並みを守るために町家をすべてコンクリート建築で置き換えていけば、私たちは文化的・歴史的価値を永遠に失うことになります。災害安全と文化的価値保全の両立は難しい課題ですが、やりがいのある研究テーマと考えて取り組みを続けています。