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教員紹介

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青柳 憲昌教授 AOYAGI Norimasa

所属学科
建築都市デザイン学科
研究室
建築史・保存改修
学位
博士(工学)

経歴概要

1998年3月 東京工業大学工学部建築学科 卒業 2002年3月 東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程 修了 2008年3月 東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻博士課程後期課程 修了 2008年4月 東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻 助教 2013年4月 立命館大学建築都市デザイン学科 講師 2018年4月 立命館大学建築都市デザイン学科 准教授 2025年4月 立命館大学建築都市デザイン学科 教授

研究について

研究分野・テーマ

日本建築の歴史に関する研究と歴史的建築の保存

研究キーワード

日本建築史、文化財保存

研究概要

立命館大学の建築史・保存改修研究室では、日本建築の歴史に関する研究、および歴史的建築の保存・修復のためのさまざまな調査を行っています。建築学はあらゆる学問領域の中でも最も古くから存在するものの一つであり、私たちの身の回りにある普通の建物は、じつは非常に長い歴史上の建築的営為の蓄積の上にあります。私たち現代人は、歴史の中で育まれた建築文化を消失させることなく、未来へ継承していく必要があります。建築史学はその「建築文化」の理解の幅を広げ、深めるための学問であり、これからの建築のあり方に指針を与えることができます。現存している歴史的建築は、過去の建築文化を後世に伝え、新たな伝統創造の源泉となる貴重な遺産であり、それらを残していくことはわれわれ現代人の責務です。当研究室では、キャンパスのある関西地方を中心にさまざまな歴史的建築・町並みの保存・修復に積極的に関わっています。

  • 【法隆寺東院伝法堂】
    法隆寺東院伝法堂(左写真)・西院金堂(右写真) 昭和9~31年に行われた法隆寺昭和大修理により、学術的調査・研究にもとづき創建当初の姿に復原された。

  • 【西院金堂】

  • 著作『建築家による「日本」のディテール──モダニズムによる伝統構法の解釈と再現』(彰国社、2023)

インタビュー

研究者になったきっかけ

大学院修士課程の学生のとき、奈良県の歴史的町並み保存に関するフィールド調査に参加して、古都奈良の古建築を見て回ったことがありました。世界最古の木造建築として有名な法隆寺金堂を見学しながら、昭和の時代にこの建物が修理される以前の写真が手元にあったので、その写真と目の前の建物を見較べてみました。いまの法隆寺は昭和の修理前の姿よりもずっと迫力があり、より鋭く、厳しい印象をうけました。そのとき、昭和の修理は、「ただの修理」というべきものではないと思いました。あとで調べてみると、いまの法隆寺は、その修理を担当した技術者の建築史研究にもとづいて復原(復元)されたものであり(一部に復原されなかったところもありますが)、全国の文化財の建築では一般に、これと同様のやり方で修理されていることを知りました。このときに建築史という学問の社会意義や影響力の大きさに気付かされました。

受験生へのメッセージ

建築という学問は、理工系の一分野でありながら芸術的な感性も要求されますし、環境工学・構造力学などの工学的側面だけではなく、建築史学・意匠学などの文系的な側面もあります。建築はそもそも人間の生活・文化の根幹に深く関わるものなので、良い建築をつくるためには幅広い知識と経験が要求されるのは当然のことです。建築史学においても、過去の建築を見直すことによって未来の建築のあり方を考えるためには、知識の単なる収集だけではなく、歴史的事実をもとに思考する力や、当時の建築家や技術者に共感する力が重要になってきます。受験生の皆さんには目先の受験勉強にとらわれず、いろいろなことに興味を持って勉学に励み、いろいろな建物を見て記憶に残る建築的体験を多く味わってもらいたいと思います。

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