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教員紹介

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吉永 崇志講師 YOSHINAGA Takashi

所属学科
数理科学科
学位
博士(理学)

経歴概要

1999年 立命館大学理工学部数学物理学科数学専攻 卒業 2001年 立命館大学大学院理工学研究科数理科学専攻博士課程前期課程 修了 2004年 立命館大学大学院理工学研究科総合理工学専攻博士課程後期課程 満期退学

研究について

研究分野・テーマ

二次形式の整数論

研究キーワード

二次ディオファントス方程式、類数公式、量公式

研究概要

研究対象である二次形式の類数公式の原初について述べます。 二次形式とはx²+y²+z²のような2次式の和で与えられる対象です。0でない整数qをとり2変数の二次形式 (*) f(x,y)=ax²+bxy+cy²(a、b、cは互いに素な整数)、b² -4ac=q を考えます。そのようなf(x,y)とg(x,y)に対しg(x,y)=f(rx+sy,tx+uy)となる整数r、s、t、uでru-st=1を満たすものが存在する時f(x,y)とg(x,y)は同じ類に属するといいます。これにより上の(*)を満たす二次形式を類別する時、類の数c(q)は有限となります。 一方で方程式x²+y²+z²=qの互いに素な整数解を考えます。2つの解が成分の入れ替えや成分の(-1)倍を組み合わせて一致する時(正確にはもう1つ条件あり)同じ類に属するといいます。あるqに対し解の類の数が上記のc(q)と一致するのです。

インタビュー

研究者になったきっかけ

私は立命館大学で数学を学びました。一回生の頃は数学が全体としてどのようなものか、自分は数学的にどこへ向かえば良いのか全く分からずただ漫然と勉強するのみという状況でした。しかしそれを変える出来事が二回生の始めに起こりました。「(その翌年の)1997年に(当時)プリンストン大学の教授である志村五郎先生が立命館大学で半年間学生に向けた講義をして下さる。その講義を受けるための準備としてのセミナーが土井公二先生の下で行われる。」というのです。 志村五郎先生とは主に二十世紀後半の整数論をリードされた数学者の御一人で、先生による理論の上に現代の整数論は成り立っております。土井公二先生とは志村先生の御弟子さんで志村理論の発展に寄与された数学者であり、当時の立命館大学の代数学の先生です。 土井先生の下でのセミナー、志村先生の講義に参加した事、これらがきっかけとなり数学を研究する道を選びました。

受験生へのメッセージ

高校における数学では方程式の解を求めたり、図形の面積や体積を求めたりと対象に対する特定の値を決定することが大切でありそのようなことを要求されることと思います。しかし、皆さんが目指している大学、そこでの数学においては、例えば方程式が解けるかどうかということ以上にその解のもつ性質や解と解との間の関連性、さらには一見全く関係のないある図形やある関数との関連性を発見することが重要なこととなります。そしてそのような目的のために開発されてきた数学的対象を学ぶことになります。そのため高校で見てきた数学とは随分と異なるように感じ、戸惑うかもしれません。受験を乗り越え大学に入学し、数学を学ぶ時に前述したようなことで困ったなと思ったら気軽に教員に相談してみて下さい。また、分からなくなったら定義に戻って考えること、自分で具体例をつくってそれを観察することを習慣とすると良いと思います。

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