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教員紹介

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是枝 聡肇教授 KOREEDA Akitoshi

所属学科
物理科学科
研究室
レーザー分光物理研究室
学位
博士(理学)

経歴概要

1995年3月 東北大学理学部物理学第二学科 卒業 1997年3月 東北大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程前期課程 修了 2000年3月 東北大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程後期課程 修了

研究について

研究分野・テーマ

先端的レーザー分光法を用いた誘電体素励起の励振と精密測定

研究キーワード

レーザー分光、強誘電性、熱の波動、ガラス

研究概要

私の研究室では、超高分解能光散乱分光や超高速時間分解分光などの先端的なレーザー分光法を駆使した「物性物理学」の実験的研究を行っています。現在の主な研究対象は物質の「強誘電性」という性質に関連した素励起であり、音の量子「フォノン」や、フォノンと電子との相互作用、熱エネルギー(フォノン気体)のダイナミクスなどを扱います。例えば、物体に与えられた熱は拡散しかしないというのが熱伝導の常識ですが、これに反してある種の強誘電体においてはフォノン気体の疎密波として「熱の波動」が存在します。我々はレーザーを駆使することによって「コヒーレントな熱の波動」を物質内部に積極的に励起する実験を行っています。また、高分解能光散乱実験では、ある種の強誘電体において単結晶には本来存在しない「フラクタル」の存在を確認しており、その新たなダイナミクスの解明を進めています。

  • コヒーレント熱波動を創り出すレーザーと光学系、および0.3Kの極低温分光を実現する冷凍機システム

インタビュー

研究者になったきっかけ

もともとは修士課程修了後に就職するつもりで就職活動もしていましたが、研究で面白い実験結果が次々と出てきてしまい、気がついたら博士の学位を取って研究者になっていました。

受験生へのメッセージ

最先端の物理学の研究と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか? 多くのみなさんは、素粒子物理学や宇宙物理学など難解な理論を紙と鉛筆でひたすら計算する物理学者の姿をイメージされるのではないでしょうか。ところが、現代物理学の分野は非常に広く、実は身の回りのありふれた物質や現象をも研究対象とする「物性物理学」も最も大きな研究分野の一つとなっています。そして、さらに物理学者の間には理論家、実験家、という役割分担があるのが普通で、幅広い個性を持った様々な物理学者らによって、現代の物理学は発展を続けています。物理学が数学の言葉で現象を記述する学問であることは事実ですが、数学があまり得意でなくても、実験や工作が好きだったり、粘り強く物事に取り組むことが得意な人は、物理学の研究に向いていると、私は考えます。特に物性物理学には未解決の問題が無数に残されていますので、ぜひ大学入学前までに興味を持って頂けるとうれしく思います。

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