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教員紹介

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北川 彩貴助教 KITAGAWA Saiki

所属学科
機械工学科
研究室
薄膜電子機械物性研究室(機械創成工学コース)
学位
博士(人間・環境学)

経歴概要

2022年 京都大学大学院人間・環境学研究科相関環境学専攻修士課程 修了 2022年 国立研究開発法人科学技術振興機構 京都大学大学院教育支援機構奨励研究員 2023年 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員DC (京都大学) 2025年 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員PD (慶應義塾大学) ※採用内定辞退 2025年 京都大学大学院人間・環境学研究科相関環境学専攻博士課程 修了 2025年 立命館大学理工学部 助教 (現職)

研究について

研究分野・テーマ

透明スピントロニクスの創成に向けた磁性透明導電膜を応用した新規デバイス開発

研究キーワード

スピントロニクス,希薄磁性半導体,磁性透明導電膜,薄膜機械電子物性

研究概要

私は、持続可能なエネルギー社会の実現を目指して“スピントロニクス”に関連する研究を行なっています。スピントロニクスとは、電子のもつ電気的性質(電荷)と磁気的性質(スピン)の双方を制御することで得られる相乗効果を利用することによって新たな機能性の創生を目指す新しい学術分野であり、次世代電子デバイス開発へのキーテクノロジーとして注目されています。 本研究では、透明スピントロニクス材料の一種として磁性透明導電膜/Mnドープ酸化インジウムスズ(Mn-ITO)薄膜に着目しています。磁性透明導電膜膜とは, 透明導電膜として太陽電池やタッチパネル等に幅広く応用されているITO薄膜に強磁性の特性が付与されたものであり、物性としては透明で電気を通しかつ強磁性の特性を併せもつ不思議な材料です(図1)。この多彩な特性をうまく活用することで、これまでの材料では実現できなかった新規多機能材料としての応用が期待できます。磁性透明導電膜を応用した次世代型デバイスの開発を、機械製図や金属工作技術なども駆使しながらデバイス・材料設計の段階から検討し、前人未到の透明スピントロニクスの創成を狙っています。

  • 【図1】磁性透明導電膜の概念図

  • 【図2】プラズマ放電の様子

インタビュー

研究者になったきっかけ

大学の教授が身内にいたため、学者という存在に幼少期の頃から憧れをもっていたことが大きな要因です。もちろんはじめから学者としての専門分野まで決まっていたわけではありません。専門分野に関しては、あらゆる自然現象を数式から真理として解き明かす物理学に純粋な憧れや興味を抱いていたことから、先ずは理学部で物理を学ぶことにしたのがきっかけです。大学院からは本格的な研究活動がスタートし、半導体スピントロニクス材料の物性解明をテーマとした基礎研究に取り組むことになりました。研究当初は、やはり純粋物理としての真理の追求を目的としていたのですが、研究対象の材料はこれまでに全く触れたことのなかったプラズマ工学を駆使して自らの手で作製する必要がありました(図2)。その過程において、結晶の中でも最高品質を誇る単結晶の磁性透明導電膜の開発に世界で初めて成功しました。その後、応用物理すなわち工学を絡めた研究にも興味を抱き始め、誰も作ったことのない新規デバイスを材料設計の段階から開発したいと思うようになりました。これらの経験が現在の専門領域で研究者になったきっかけです。

受験生へのメッセージ

大学の活動では、今までのように基本的には学校内だけで閉じていた環境とは異なり、行動次第では容易に世界規模に広がります。そのため、いま自分がもっている知識や技術、交流の幅も必然的に広がっていきます。知識や技術に関しては、専門科目を深く学んでいくことで最終的には最先端の研究でも通用する実践的なものとして身につきます。また、これから広がる交流で得た縁は大事にしてください。そうすることで思いもよらない所で不思議な巡り合わせが起き、それがまた次の良縁をきっと連れてきます。大学での研究活動を終えた頃には、世界で通用する高度な専門性を備えた創造性豊かな人物になっているはずです。数年後、我々と世界の最先端で一緒に研究できる日を心待ちにしております。

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