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2020.04.06 education

GATプログラムについて


GAT(Global Athletic Trainer)プログラムは、立命館大学で学士号を取得し、提携校であるアメリカ大学院で修士号を取得し、準医療資格の全米公認アスレティックトレーナーの資格取得を目指すスポーツ健康科学部独自のプログラムです。

 

アメリカの大学院で必要な英語の運用能力、選手や他の医療資格者をはじめとする様々な方と理解を深めるために必要なコミュニケーション能力、スポーツ健康科学部での授業に加え、アスレティックトレーナーに関する基礎知識を3年間かけて培い、より深い知識や経験を大学院で得るための準備プログラムです。

プログラムに入ると、学内・学外にいる全米公認アスレティックトレーナーの下で、仕事の見学や経験を詰んだり、海外インタンーンシップを通してアスレティックトレーナーについて実際に見て学ぶことが可能です。

 

また、最大の特徴は、個人で留学する際には大学院のアスレティックトレーニングプログラムに入るために必要とされている授業の単位を別にアメリカで取らなくてはなりませんが(約1年かかる)、GATプログラムの提携校に進学する場合、立命館大学で取得した単位が認められるため、卒業後すぐに提携校の大学院で学ぶことができます。

そのため、アスレティックトレーナー資格取得までの期間も、個人で日本の大学を卒業してからアメリカの大学院を卒業すると一般的に約7年かかりますが、

GATプログラムの場合は最短5年へと短縮が可能になります(学部の早期卒業制度を利用し、3年次修了時点で学部卒業、秋学期から大学院に留学する方法もあります)。


晃洋書房http://www.koyoshobo.co.jp/book/b508115.html

(ニュース)20200406-1

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2020.04.03 education

スポーツ健康科学部に関する記事が日本経済新聞に掲載されました


2020329日(日)日本経済新聞朝刊にスポーツ健康科学部で開発している着るだけでバイタルデータが計測できるスマートウェアを中心としたスポーツ健康科学部の伊坂忠夫教授、塩澤成弘教授の取り組みが掲載されました。

 

なお、本記事に関わるスマートウェアの開発には、本研究科博士課程後期課程1回後藤大輔さんをはじめ、多くのスポーツ健康科学部/研究科の学部生・院生が関わってきました。

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2020.04.01 education

「立命館」の扉を開いた新入生のみなさんへ


「立命館」という学び舎の扉を開いた新入生の皆さん、入学、本当におめでとうございます。

「立命」の名は、孟子の「尽心章句」に由来します。その「盡心(尽心)」という言葉は、文字通り「心の限り尽くすこと」、つまり、物事の真理・真相を、精神と知能の限りを尽くして知ろうとすることを意味し、立命館は、皆さんにとって、「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」であり続けたいと考えています。

皆さんを新入生として迎え入れる2020年度は、皆さんにとって、また我々教職員にとっても特別な時を迎えることになります。それは、1869年に西園寺公望が私塾「立命館」を創始し、その意志を引き継いだ中川小十郎が立命館大学の前身となる「私立京都法政学校」を創設して、今年で120周年を迎えます。また皆さんが学び舎として選んだスポーツ健康科学部は、2010年度に産声を上げ、今年度に創設10周年という記念すべき時を迎えます。

10年の時を刻んだスポーツ健康科学部がこれまでも、そしてこれからも変わらずに大切にしていることは、人々や社会の健康と幸福、そして平和に貢献しうる「人財」を社会へと送り出すことです。その人財像とは、志高く未来を切り拓くことができる人、つまり、我々は、「未来を生み出す人」を育成したいと考えています。このミッションを実現するために、我々は、新たに“CREA”というビジョンを掲げました。この“CREA”という言葉は、イタリア語で「創造」を意味します。

CREA”の“E”は、“Edge(智を極む)”ことを意味し、深く論理的に考える力を身につけるための深い教養を習得することで、スポーツ健康科学分野で尖った研究・教育を可能にする行為者を育成したいという想いが込められています。

CREA”の“C”は、“Collaboration(異分野を紡ぐ)”ことを意味し、ひと、日々の出来事、経験、可能性などに対して働きかけ、その「可能性の束」によりをかけてキャリア、幸福、新しい創造物を生み出そうとする行為者を育成したいという想いが込められています。

CREA”の“R”は、“Resiliency(主体的に挑む)”ことを意味し、常に前向きに挑戦し、失敗してもまた立ち上がって挑戦する行為者を育成したい、またしなやかに、逞しく生き抜く力と勢いを身につけてほしいという期待を込めています。

そして、“CREA”の“A”は、“Attraction(ひとと組織が輝く)”ことを意味し、そこには、「個」が輝いて始めて、「組織」が輝くということが根底にあり、そのため、一人ひとりに違いがあること、またその違いを認め合いながら、その全てが同等であることを理解し、一人ひとりが自らの輪郭をつくり上げ、魅力的になることがスポーツ健康科学部の輝きにつながり、学部がより魅力的な「場」となるという考えに基づいたものです。

いまここにないものやいまここにない世界といった「未来」を創るためには、新しい「知」を生み出す必要があります。つまり、豊かな「知」が豊かな「社会」や「未来」を切り拓きます。新しく、そして豊かな「知」を生み出すためには、ひととひととの関係によって紡がれる想像的かつ創造的な協働作業が不可欠です。その「ひととひととの関係」は、決して同質なものではなく、これまでとは違う感覚や価値観といった「異質な関係」がより重要となります。異なることや違いがあることに違和感を抱くのではなく、それぞれの違いを尊重し合いながら、学び舎で共創と協奏を繰り返し、「未来を生み出す人」になってほしいと思います。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、新しい門出を迎える皆さんにとって、また皆さんを迎え入れる我々教職員にとっても、大変厳しい試練に直面していますが、皆さんが選んだこの学び舎である立命館大学という総合大学の強みを活かしながら、人々と社会の健康と幸福、平和に資するスポーツ健康科学を極めて下さい。

 

立命館大学スポーツ健康科学部

学部長 長積 仁

「立命館」の扉を開いた新入生のみなさんへ(PDF版)

(ニュース)20200401-1

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2020.03.19 education

「立命館」を巣立つ卒業生・修了生のみなさんへ

「立命館」を巣立つ卒業生、修了生のみなさん、本当におめでとうございます。

みなさんは、学生生活を振り返り、いままで目にしたことがないような新しい世界の扉を開くことはできたでしょうか?

また心を震わせ、涙が止まらないほど、感動するような瞬間を迎えることができたでしょうか?さらには、もうこれ以上は限界だと思うほど、自らを追い込むような体験をすることはできたでしょうか?

今一度、瞳を閉じて、これまでの学生生活を振り返ってもらいたいと思います。


いま「立命館」を巣立つみなさんに送るメッセージは、極めてシンプルです。

「未来を生み出す人」になって下さい。我々教職員は、この言葉を大切にして、これまでみなさんと向き合ってきました。このメッセージに込める我々教職員の想いは、3 つです。

 

第一に、みなさんがこれまで探究し、また培ってきた人々の身体と心にかかわる英知を活かし、これから歩む新しい道で、人々と社会の健康と幸福、平和に貢献するよう、高い志を持ち、主体的に行動する人になって下さい。

 

第二に、一人ひとりに違いがあることを理解し、それを受け止めながら、ひととしての存在や尊厳を大切にする人になって下さい。これは、ダイバーシティと呼ばれる言葉を理解する上での前提条件となることです。自他ともに「個」の存在を大切にすること、また互いがその存在を認め合うことによって、人と人との関係が紡がれたり、その紡がれた関係性から共創が生まれたりします。ひとの身体と心の健康について学んだみなさんには、「ひとに優しい社会」を生み出すことができる人になってほしいと思います。

 

そして、最後に、いまここにない世界を創る人になって下さい。みなさんが歩む新しい道でも、現在、我々が抱えているような困難で複雑な問題が存在することでしょう。そのような社会における様々な壁がみなさんの道を阻もうとしたときに、その壁に向かって果敢にチャレンジし、リスクを冒してでも一歩前に踏み出す人になってもらいたいと思います。そのような壁は、全てみなさんの成長のための糧となるでしょうし、その壁を乗り越えて、いまここにないものや、いまここにない世界を創造し、それを実現する人になって下さい。

 

新型コロナウイルスが全世界をパンデミックに陥れた状況下で、卒業生、修了生のみなさんとこの喜びの瞬間をともに過ごせなかったことは、非常に残念でなりません。ただ、2020 年度にスポーツ健康科学部・研究科は、創設10 周年を迎えます。そして、9 19 日には、10 周年記念式典を開催しますので、卒業生、修了生がいま抱いているやりきれない気持ちを受け止め、改めてみなさんの晴れ舞台をセッティングできればと考えています。

 

みなさんがこれから歩み道で、大いに活躍することを教職員一同、心から祈っています。そして「立命館」は、みなさんが「未来を生み出す人」になるために、いつまでもみなさんに寄り添い、みなさんが成長を遂げるための礎となり続けます。

Creating a Future Beyond Borders

 

立命館大学スポーツ健康科学部・研究科

学部長・研究科長

長積 仁

「立命館」を巣立つ卒業生・修了生のみなさんへ(PDF版)

(ニュース)20200319-1

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2020.03.02 education

東京2020に向けた心理サポート


2020228日、特別講演のゲストスピーカーとして、独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センターの佐々木丈予先生をお招きし、「東京2020に向けた心理サポートの最前線」としてお話をいただきました。

アスリートの多くが経験するものの一つに、心理的プレッシャーがあります。このプレッシャーが、運動パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのか、そしてこのプレッシャーに対してどのように対処するとよいのか、については多くのアスリートが知りたいところです。このことについて、佐々木先生ご自身の研究成果が報告されました。

とくに、自国開催である東京オリンピックを踏まえて、JISS国立スポーツ科学センター)では「自国開催プレッシャー対策」プロジェクトに取り組んでおられ、アスリートの心理を浮き彫りにしたインタビュー調査について、興味深い内容を紹介して頂きました。

教員や学生から多くの質問があり、セミナーの時間を越えて活発な質疑応答が続きました。

<写真協力:河井先生撮影>

(ニュース)20200302-1

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2020.01.16 education

スポーツを通じた「人づくり」「まちづくり」


2020年1月9日三重県のNPO法人スポーツクラブどんぐりにてU-15ヘッドコーチをされている藪中一真氏をお招きし、スポーツビジネスの観点からの「人づくり・まちづくり」についてご講演いただきました。

 始めに、ご自身の実体験からサッカー選手になるという夢を叶えられなかった後、様々な人との関わりによってどのように考え方が変化し、新たなる夢を見つけて叶えていったかをお話しされました。
続いてスポーツクラブどんぐりの「人としての成長が喜び」という理念や「序列のできやすいスポーツでいかに個性を際立たせることができるかが重要である」という考えのもと、行われているサッカー以外の取り組みについて語られました。
 また、まちづくりとしてスポーツクラブの周りを取り巻く環境の整備をし、小学生が優先的に使用できるスタジアムや保育園を作るなど今までにない事業を行っていることを話されました。

 今後就職活動を行っていく3回生にとって、夢について深く考える機会となる講演でした。

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2020.01.09 education

宇都宮ブレックスの顧客創造


12月17日の基礎経営学は、株式会社栃木ブレックススポンサーセールスグループマネージャー、多田敦氏の特別講義でした。

テーマは「スポーツビジネスにおいて「顧客の創造」とは何を指すのか」。
宇都宮ブレックスのビジネス戦略が語られました。
それは、宇都宮がどんな都市で、宇都宮の人々はどんな生活をして、何を望んでいるのか。そして、宇都宮ブレックスは宇都宮の人々に何ができるのか。win-winの関係をどう創るのかを常に考えること。そして感動したのは、多田氏がスポンサーセールスをするにあたって大切にしていること。それは、予め価格を提示して、価格ありきで営業するのではなく、企業は何を望んでいて、ブレックスは何が提供できるのかを擦り合わせ、その結果デザインされたスポンサーパッケージにはどういう価値があるかを双方で話し合い、その結果として価格が決まる。まさにドラッカーの顧客創造論がそのまま体現されるものでした。
すばらしい講義に心から感謝します。

(ニュース)20200109-1

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2019.12.02 education

身体活動・運動行動変容の理論と実践


2019年11月30日健康運動科学の授業において、ゲストスピーカーとして
武庫川女子大学 松本先生に授業をしていただきました。

健康運動指導士が実際に現場で指導する場合に、対象者の行動変容を起こさせる必要があります。
特に特定保健指導においては、もともと運動・身体活動習慣の無い中年者に身体活動・運動習慣をつけてもらうことは大きな困難を伴います。
そこで、健康運動指導士の教科書には、行動変容指導の為の行動変容理論と実際について内容が多く、この行動変容理論に関する研究に造詣の深い松本裕史先生に、授業を行っていただきました。

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2019.11.29 education

運動生理学の授業で名古屋大学片山先生にお話いただきました


2019年11月20日の三限、運動生理学の授業で、名古屋大学教授の片山敬章先生にご登壇いただき、「運動と呼吸」というテーマで講義いただきました。

私たちはもちろん常に呼吸しています。
酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しているわけです。
ただ、一回の呼吸でどのくらいの空気を吸って、、など、気にしたことが多くの人はないのではないでしょうか。
片山先生は、そうした日常の安静時呼吸から、(運動生理学ですので)運動時の呼吸動態について、エビデンスに基づいてわかりやすく解説してくださいました。
例えば、運動強度を漸増した際に、換気量と呼吸数が増加していきますが、それはリニアに線形で増加するわけではありません。それぞれがどういった動態を示すか、それを書き込み式にして、隣同士で答え合わせをする(今回の授業で多く取り上げられていた工夫の一つ)といった形で、実施されていました。

呼吸・換気は持久性運動において特に重要性を増していきます。
持久性運動パフォーマンスの規定要因として、呼吸系、循環系、骨格筋系が考えられますが、それが何かを隣人と自由にディスカッションさせる工夫が見られました。これらが一般健常者とアスリートでは異なります。そうしたことが授業では丁寧に解説されました。

また、途中では、ラジオ体操第二を皆で楽しみました。
ランチ後の授業ですので、眠気が襲うのですが、こうした3分間の取り組みは目が覚めます!

そして最後はご専門の呼吸筋(横隔膜や肋間筋)の疲労と運動パフォーマンスの話。
最大運動時、呼吸筋には15%の血流が、骨格筋(活動筋)には77%の血流が担保されます。
筋量との関係で考えても、結構な血流量でもって呼吸筋の活動を担っているのですね。
さて、この呼吸筋、活発な換気が続くと疲労を来たし、それは運動パフォーマンスを低下させます。従って、呼吸筋を鍛えることも、持久性運動パフォーマンス向上には有効な手段の一つでしょう。

講義後は、やはり持久性アスリートの関心が高く、活発な質問がございました。
それらに丁寧にお答えくださいました。
片山先生、ありがとうございました。

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2019.11.29 education

スポーツ医学の臨床応用~心疾患から健康寿命まで~


2019年11月28日運動生理・生化学特論の授業にて、ゲストスピーカーとして、関西医科大学 木村 穣 先生に授業をして頂きました。

現在の医療では、運動処方が欠かせない状況になってきています。本授業では、関西医科大学の健康科学センター専門外来で実施している運動処方に関してご紹介頂きました。

現在、医学の領域では、心臓リハビリテーション、生活習慣病、禁煙外来、肥満外来(肥満外科治療)、睡眠時無呼吸症候群、腎臓リハビリテーション、サルコペニア外来、スポーツ外来、アンチエイジングドック、その他術後などの不活動に対する体力向上といった観点で運動処方が必要とされています。習慣的な運動は、糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙、肥満、うつ病、心血管疾患に対して効果的であることは多くのエビデンスが報告されています。そのため、近年では「Exercise is Medicine」といわれており、医学の世界に運動を積極的に導入することで第一次予防を推進することが必要なため、医師、管理栄養士、理学療法士、臨床心理だけでなく、健康運動指導士の必要性が高まっていることを説明して頂きました。

また、容易に実施できる運動様式としてストレッチ運動に着目し、3カ月間のストレッチ運動の継続で血管内皮機能が改善、6カ月間の継続で動脈硬化度が低下する効果が得られたデータをご紹介して頂き、エビデンスに基づく簡単ストレッチの実技もして頂きました。その他、肥満外来や心臓リハビリテーション外来、サルコペニア外来における運動や栄養指導によるエビデンスも提示しながら、スポーツ医学の臨床の現場を分かりやすくご紹介して頂きました。

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2019.11.18 education

2019/11/14 GATキャリアアップセミナー


2019年11月14日 GATキャリアアップセミナーの講師として、現在テキサス・ヘルス・クリニックでクリニカルバイオメカニストとしてご活躍されている後藤志帆さんをお招きしました。

第1部ではアスレティックトレーナーを目指したきっかけや大学生活、日本でアスレティックトレーナーだけでなく様々な職の経験談、研究に興味を持ち大学院・博士号取得した経緯、現在のお仕事等の興味深いお話をしていただきました。

第2部では、現在クリニックで研究されている前十字靭帯再建手術に伴うバイオメカニクスの変化を男女別、年齢別など多岐にわたる最新の知見をお話しして下さいました。

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2019.11.08 education

リーダーシップ論:特別講義「私が出逢ったリーダーたち」


去る20191031日の「リーダーシップ論」において、本学部の客員教授であり、江戸川大学教授の小林至先生をお招きし、「私が出逢ったリーダーたち」というテーマでご講演いただきました。

小林先生は、東京大学から3名輩出されたプロ野球選手の一人であり、千葉ロッテマリーンズに2年間在籍され、引退後、海外で学位取得後、福岡ソフトバンクホークスの取締役などを歴任され、現在、江戸川大学教授として、スポーツ経済学などの教育・研究を手掛けられています。

講義では、「リーダーシップとは、人を動かすこと・動いてもらうこと」というリーダーシップに対する考え方を提示された上で、カーネギーや山本五十六のリーダー観の紹介やご自身の経験を踏まえて、豊富な話題を提供くださいました。とりわけ、小林先生がこれまで出逢われた医療機関の徳州会創業者である徳田虎雄氏、過日、天に召された千葉ロッテマリーンズ監督の故金田正一氏、また福岡ソフトバンクホークスの孫正義氏や王貞治氏などの人柄を踏まえて、リーダーの在り方や個性的なリーダーシップについて、ユニークな話題を盛り込みながら、講義をしていただきました。

授業後、学生からは、活発な質問が飛びだし、授業後にも数名の学生が小林先生に質問し続けるなど、充実した特別講義の機会を得ることができました。

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2019.10.30 education

「電気生理学からみた身体運動時の神経・筋の振る舞い」


2019年10月26日基礎生理学の授業にて、ゲストスピーカーとして、中京大学 渡邊 航平 先生に授業をして頂きました。

本授業では電気生理学を中心に、「なぜ同じ運動でも力を調節できるのか?」について講義をして頂きました。同じ握るでも力の調節を大きくしたり、小さくしたりできる。これはなぜか?について脳から神経を通じて筋が発揮するまでの調節が重要である。神経細胞の大きさによって支配している筋線維の数が変わるという「サイズの原理」によって力発揮が変わる。そのため、同じ「握る」でも全力で握れば多くの神経細胞(運動単位)が動員され、軽く握る場合には少ない神経細胞(運動単位)だけが動員されるので、力発揮の大きさが調節されることを分かりやすく説明して頂きました。

また、実際に表面筋電図を使ったデモンストレーションを使って脳から筋への信号を様々な動作で観察できることを見せながら非常にわかりやすく授業して頂きました。また、多チャンネル表面筋電図法を用いた新しい研究内容についての紹介や筋への電気刺激を用いた電気的筋収縮刺激の最新の研究についても紹介してもらい、スポーツ・健康科学分野にどのように電気生理学が応用できるかについても学ぶことができる、非常に楽しく勉強になった講義となりました。

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2019.08.22 education

「日本における創造産業のアジア地域への展開」


去る201986日において、ロンドン大学東洋アフリカ研究院(SOAS)の三原龍太郎先生をお招きし、「日本における創造産業のアジア地域への展開」という演題にて、講演をしていただきました。

三原先生は、日本アニメの国際的な広がりに関して、文化人類学の視点から誰が、どの様にしてアニメの世界を広げたのか、日本が有する優良コンテンツであるアニメが有するソフトパワーの威力とその背景にあるグローバリゼーションとオリエンタリズムをめぐる創造産業の展開について議論を繰り広げられました。とりわけ、金に汚れたハリウッドと対比させるように、「きれいな日本のアニメ」という、ある種の偶像、ともすれば、虚像を創り上げ、日本のアニメが世界の創造産業において美化されすぎていると指摘されました。またアニメにおけるファンとクリエーターへの偏重がビジネスの主体を握り、両者の商業的な利害関係により、オリエンタリズムが利用されているとも述べられました。三原先生の研究は、フィールドワークを中心としたエスノメソドロジーの手法が用いられており、アニメグッズを展開するベンチャー企業や「インド版巨人の星」と呼ばれる「スーラジ・ザ・ライジングスター」の事例を取り上げ、アジア圏において創造産業の展開を図る上で、日本式商慣習とインド式商慣習の違いが生み出すビジネスを進める上での障壁を取り除く重要な鍵を握るのが「ブローカー(仲介役)」の存在であることなどを指摘されました。講演後、教職員、大学院生を交え、予定していたセッションの時間を大幅に超える活発な議論が交わされました。

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2019.08.02 education

英国ラフバラ大学教授Jonathan Folland先生の集中講義・特別セミナー


2019年727日〜31日、英国ラフバラ大学スポーツ運動健康科学部教授のJonathan Folland先生による集中講義(先端スポーツ健康科学特論Ⅱ:Neuromuscular Performance)が実施されました。

Folland先生は、身体運動パフォーマンスや筋・腱の障害について研究を進めておられ、特に、レジスタンストレーニングやランニングに関連した研究で多くの成果を挙げており、スポーツ医科学領域において著名な学術誌の一つであるMedicine & Science in Sports & ExerciseAssociate Editorを務めるなど、当領域の第一線でご活躍されています。今回の集中講義では、筋収縮や疲労のメカニズム、筋力・パワーや有酸素性能力の規定因子やトレーニングによる変化などについて、基礎知識から最新の知見を含んだ内容でご講義頂きました。

また、この機会に、スポーツ健康科学部・研究科の10周年記念企画として、Folland先生の特別セミナー(Muscle and tendon anatomy in relation to performance, injury risk & training)が729日に開催されました。100m走のエリート選手(9秒後半-10秒前半)とサブエリート選手(10秒半ば-後半)の筋分布の違いや、世界トップレベルの自転車選手における下肢筋量とパワーの関係、さらにはワールド・ストロンゲストマンの筋力・筋量・腱の特性など、スポーツ科学研究および競技で世界的に有名なラフバラ大学、そしてFolland先生だからこそ取得できる希少なデータについて、最新の知見をご発表頂きました。セミナーには学部生・大学院生および教員が多く参加され、活発な意見交換がなされました。

授業やセミナー外においても、今後の共同研究や教員・学生の人的交流、国際学会での共同シンポジウムの開催など、将来の発展についても話し合うことができ、教員・学生にとって非常に有意義な時間となりました。

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2019.08.01 education

「スポーツトレーニング特論」:アスリートの腸内環境とコンディショニング


2019年7月15日「スポーツトレーニング持論」において、川崎医療福祉大学准教授の松生香里先生にお越し頂き、「アスリートの腸内環境とコンディショニング」というテーマでお話しいただきました。

講義の前半では、アスリート(特に、持久性アスリート)では腸に障害がみられやすいこと、排便状況とコンディションに関連があると自覚する選手の多いことなどの説明をされました。次いで、腸内には多数の細菌(腸内細菌)が共生していること、保有する腸内細菌のタイプは人種により異なることの説明をされました。
また、暑熱環境や高地トレーニングなど特殊環境で行うトレーニング期間前後での腸内細菌の変化に関わる研究データを紹介されました。
講義の最後には、「脳」「筋」「腸」が互いに影響を及ぼす可能性にも言及されました。
スポーツ健康科学分野においてこれまで研究があまり行われてこなかった「トレーニングが腸内環境に及ぼす影響」に注視した松生先生の研究は新規性に優れ、今後の研究の発展を期待させる内容でした。

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2019.07.29 education

One Championship 秦 Andy 英之氏による特別講義


7月23日のスポーツビジネス論は、春学期の最終回に相応しい特別な講義でした。
One Championship、秦 Andy 英之。
彼は常にスポーツビジネス界のチャレンジャーです。
今日の講義では、One Championshipの理念、考え方を通じて、常に諦めず、勇気を持って誠実に「あるべき姿」を追求し続けることの大切さがまず強調されました。
そしてその後、人々に希望を与え、社会にwin-winの関係を作り出すための、経営環境を的確に捉えた戦略に基づく、One Championshipのビジネス展開を素晴らしい映像を交えて熱く語ってくれました。
受講生からは、「格闘技ビジネスのこれまでのイメージが変わった。」「スポーツの根本はビジネス化されても何も変わらないことを学んだ。」「スポーツには社会に貢献する力があり、スポーツを通じて人と繋がることができるのだと感じた。」「スポーツパーソンシップがいかに大切かがわかった。今日の話を聴けてよかった。」などの感想が寄せられました。
We are ONE!!

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2019.07.17 education

「 健康運動科学特殊講義」:【健康寿命延伸のための70歳からの健康づくり-健康指標と歩数および体力との関連性から-】


2019年7月16日の「健康運動科学特殊講義」の授業において、鹿屋体育大学名誉教授の吉武先生に講演していただきました。

本講義では、吉武先生が1999年に始めた8020運動(80歳で20本の歯を維持する)に関する研究から得られた貴重なデータについてお話しされました。研究の開始時に70歳であった男女約600名を追跡調査した結果、1日の歩数が、71歳で7000歩ある人は虚弱になるリスクが低く、8000歩歩いていれば総死亡のリスクも低くなることが示されました。また、歩数について、歩数で4分位に分けた場合の所属分位は、70歳と80歳では約50%が維持されるという結果より、70歳における歩数に代表される身体活動量をまず増加させることがそれ以後の生活の質の低下を抑えることができるということなど、講義全体で“歩くこと、 歩く習慣が大切である”ということを強調されていました。

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2019.07.10 education

2019/7/9 東京農業大学教授の石見佳子先生より「日本の健康・栄養施策と国際食品規格との関連」について講演していただきました。


東京農業大学教授の石見佳子先生より、国民健康・栄養調査、健康日本21(第二次)及び栄養表示と国際食品規格(コーデックス)に関する講義をしていただきました。そのなかで最も興味深かったことは、食品について、WHO傘下のコーデックスという組織が、栄養表示における国際的ガイドラインを作成しており、それが基本的に世界の標準となっているということでした。その理由として、食品は各国、独自の歴史文化をもとに形成されているものであるが類似食品の多国間貿易を行う上で、標準化が必要であるからであるということでした。

しかし、標準を作る過程で、国々の特殊事情を考慮することができない場合もあり(http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/246599.html)、そのようなことがないように今後、このコーデックスという委員会に日本が、積極的に関与する必要性が強く感じられました。講義を聴講した学生も、自分たちが日常食している食品をめぐる世界各国のせめぎあいの一旦を実際にコーデックスの委員会に長年、政府代表として参加されてきた石見教授から聞けたことは有意義であったと思われます。

(ニュース)20190710-1

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