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2019.07.05 education

「スポーツ健康科学セミナーⅡ」の授業において、スポーツニッポン新聞社大阪本社 編集局 報道部長の幡 篤志様にご講演をしていただきました。


スポーツ健康科学セミナーⅡは、卒業後にも続くキャリアの形成をイメージしながら、大学で習得する知識・スキル・経験の実社会における応用を考え、各業界の分析やその業界で働くにあたって、求められる資質を捉えることを主たる目的としています。

このたびご登壇いただいた幡様には、スポーツ新聞が扱う情報などを一通りご説明いただいた後、近年紙媒体の売り上げが懸念されるメディア業界における、スポーツニッポン新聞社の取り組みやソーシャルメディアを用いた新しい情報発信の在り方をご紹介いただきました。また、テクノロジーの進化や、インターネットの発達に伴い、メディア業界におけるニュースを発信するまでのプロセスは、この30年ほどで随分と進化を遂げてきた一方で、テクノロジーがいくら進化しても、情報の収集には今も昔も人と人との繋がりが大切であるということをお話ししてくださいました。

日ごろスポーツとのかかわりが深いものの、情報の受け手である学生たちにとっては、世の中で起こっていることがどのように編集され、ニュースとして発信されていくかを知る良い機会になりました。大学時代は体育会運動部活動に所属され、体育教員を目指されていた幡様がメディア業界に進まれたこともまた、学生たちが自分のキャリアを考えるにあたって参考になったようです。幡様、ご講演を賜り、ありがとうございました。

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2019.06.28 education

「スポーツマーケティング論」においてツエーゲン金沢の灰田さち様にご講演をしていただきました。


2019627日の「スポーツマーケティング論」において、J2クラブのツエーゲン金沢の事業企画部次長 兼 ホームタウン推進室室長である灰田さち様をお招きしました。灰田様からは、ホームタウン活動を中心とした「ツエーゲン金沢」の取り組みについてご講演を賜りました。

灰田様は、大学卒業後、スポーツとは関係のない企業に務められた後、スポーツマネジメントを学ぶために大学院に進まれました。大学院に在籍中にJ1のサッカークラブに所属され、そのあと2018年より生まれ育った街に戻り、J2のサッカークラブであるツエーゲン金沢でホームタウン室長として活躍されています。ご自身のキャリアのご紹介とともに、2019年に新たに掲げられたツエーゲン金沢の「挑戦を、この街の伝統に」というクラブ理念を可視化させるための具体的な活動と全力で取り組む熱い想いを語ってくださいました。

1993年のJリーグ発足以降、Jクラブのホームタウン活動は活発化されていますが、現在Jリーグのクラブが地域にどのように貢献するのかという一方向の視点から、Jリーグが地域の複数のステークホルダーとの関係性を構築し、ともに価値を創造する“連携が重要視されつつあることを説明してくださいました。

灰田様から、Jリーグの存在意義やこれからのリーグとしての取り組み、そしてツエーゲン金沢の挑戦についてお話しいただくことによって、初めて実務に携われる方お話を伺った学生も多く、とても刺激を受けたようです。灰田様、ありがとうございました。

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2019.06.26 education

キャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」:ホテル・ホスピタリティ産業の仕事


去る201966日のキャリア形成科目「スポーツ健康科学セミナーⅡ」において、本学部卒業生でもあるPUKANALAホテルマネージメント株式会社の片桐陽氏をお招きし、「ホテル・ホスピタリティ産業の仕事」というテーマでご講演いただきました。

片桐氏は、まず、卒業生らしく、後輩たちに語りかけるように、「一番前に座ると学生生活が変わります」というスライドを提示し、自分自身が充実した時間を送ることができたのは、全ての授業、参加するイベントやセミナーで必ず一番前の座席に座り、物事に向き合う姿勢を変える、それが自分を変える第一歩だったことを話されました。講義は、主にホテル旅館事業、事業再生、経営コンサルティング、キャリアといった4つのトピックから構成され、ホテル旅館事業に関しては、不動産の価値をどのように高めるのかという投資家の視点と収益性を高めるためのホテルのコンセプトや管理会計といったオペレーターからの視点が重要だと話されました。また事業再生や経営コンサルティングの是非を決めるのは、理論と実践をいかに摺り合わせることができるかが鍵を握ると話され、最後に、自らのキャリアについて話され、とりわけ、自分の幸せは、自分が決めるという自覚を持ち、できない自分と向き合いながら、様々な人と出逢い、経験や巡らせた思考を言語化することが重要であることを学生に伝えようとされました。

授業後は、片桐氏に加えて、片桐氏の同級生が集い、「世界でいちばん参考にならないキャリア論」というエクストラワークショップが開催されました。本学部の卒業生でデジタルマーケティングに携わる足立氏、アスレティックトレーナーとして宇宙飛行士やレーシングドライバーを支えようとしている平岡氏と林氏、そして経済学部を卒業後、築地で修行を積み、現在は、南フランスでシェフを務めている小川氏がワークショップに参戦してくれました。授業外にもかかわらず、50名近くの学生が集まり、足を運んだ学生は、先輩から様々な刺激をもらい、「やる気スイッチ」を押されたようでした。

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2019.06.26 education

「スポーツマネジメント論」:パ・リーグのマーケティング戦略


去る2019624日の「スポーツマネジメント論」において、パシフィックリーグマーケティング株式会社の森田氏をお招きし、「パ・リーグのマーケティング戦略」というテーマでご講演いただきました。

森田氏は、まず、パ・リーグとプロ野球の構造や特徴について述べられ、とりわけ、「個別最適化」をめざすプロ野球のビジネス構造において、野球という試合のオペレーションと興行を成り立たせ、修正を上げるためのビジネスオペレーションがあり、この2つの機能を両立させることの難しさについて述べられました。個別最適化を志向するセ・リーグに対して、パ・リーグは、2005年の球界再編問題を機に、メジャーリーグベースボール(MLB)の成功事例を見習い、1球団ではできないことと6球団で一緒に取り組んだ方がいいことを実現させるべく、「全体最適化」のビジネスモデルを確立するため、2007年にパ・リーグ6球団の合同事業会社であるパシフィックリーグマーケティング株式会社を設立したという背景などについて説明されました。

とりわけ、パシフィックリーグマーケティングがプロ野球の新しいファンを増やすため、比較的、プロ野球との接点が薄いライト層に焦点を絞り、新しい観戦スタイルを提案するための「パ・リーグTV」や「パ・リーグ.com」、草野球や女子野球、また野球以外の競技のネット配信、さらには潜在的ファンを発掘するため、「パ・リーグがっこう」という知育アプリなどといったIT事業の展開事例や、子どもファン拡大のために、ウルトラマンや仮面ライダーといった人気キャラクターとコラボ企画「親子ヒーロープロジェクト」や台湾市場に焦点を当て、インバウンドビジネスといったマーケティング事業の展開事例について紹介下さいました。その他にも、パシフィックリーグマーケティングが取り組むコンサルティング事業や人材組織事業の事例などについても具体事例をあげながら、説明して下さいました。プロスポーツビジネスの内実を知らない学生にとっては、多領域に渡るスポーツビジネスの可能性を知るよい機会になったことと思います。

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2019.06.25 education

2019/06/21 「運動処方論」の授業において、兵庫大学健康科学部長の朽木勤先生に「運動の強度設定と運動処方」についてご講演頂きました。


 朽木先生は、明治安田生命厚生事業団において運動指導現場でのマネジメントや民間健康診断の結果に基づく運動プログラムの企画、民間企業における健康経営等を手掛けられ、現在では兵庫大学で多くの学生の健康運動指導者の育成に努められています。今回の授業では、運動処方における安全限界と有効限界について過去の研究成果を元に解説していただき、安全で効果的な運動強度の設定方法についてわかりやすくご教授いただきました。講演後も学生への質問に丁寧にお答えいただきました。ご講演ありがとうございました!

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2019.06.21 education

スポーツ健康科学セミナーⅡ」の授業において、JR西日本プロパティーズ株式会社 企画管理部の辻 崇様に鉄道業界の業界研究へのアプローチの仕方と求められる人材についてご講演をしていただきました。


スポーツ健康科学セミナーⅡは、卒業後にも続くキャリアの形成をイメージしながら、大学で習得する知識・スキル・経験の実社会における応用を考え、各業界の分析やその業界で働くにあたって、求められる資質を捉えることを主たる目的としています。

このたびご登壇いただいた辻様には、鉄道業界をテーマとして、JR西日本グループにおけるご自身のキャリアや、JR西日本グループを一つの事例として、業界分析をするための基本的な考え方などについてのご講演を賜りました。JR西日本グループと聞けば、鉄道事業(電車を走らせる事業)をイメージしがちですが、辻様からは、多岐にわたるJR西日本グループの事業をご紹介いただき、広がりのある業界をどう定義するかによって、求められる人材は異なること、すなわち、業界分析を深めることによって、新しい事業の側面を知り、一人一人の挑戦やそれぞれの事業で成長できる可能性が広がることをお話しいただきました。鉄道業界とスポーツ健康科学部とは遠いように思えますが、学部で学ぶことを活かせる業界であることがイメージできるお話でもありました。また、日々の少しの積み重ねが、将来を築くために大切であることをわかりやすく教えていただき、課題に追われる2回生の学生たちにとって、とても印象に残ったようでした。辻様、ご講演を賜り、ありがとうございました。

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2019.06.18 education

2019/6/13 筑波大学体育系助教の國部雅大先生より、「スポーツパフォーマンスに関連する注視および注意のはたらき」についてお話いただきました。


2019613日の1,2限、専門演習I, IIの授業に、筑波大学体育系助教の國部雅大先生を招聘し、「スポーツパフォーマンスに関連する注視および注意のはたらき」について講義いただきました。國部先生のご専門は体育・スポーツ心理学、実験心理学です。たとえば、「どうすれば運動がうまくなるのか?」「運動中、どこに注意を向ければいいのか?」「うまく運動を行うにはどこを見ればいいか?」といった疑問に対して、反応時間や眼球運動の解析、身体動作解析などの手法を用いて実験的に検証されております。

先生は、ご自身がバレーボール選手であったので、その際相手選手の動きを見てプレーする際に視覚情報の重要性を感じられたことが研究の発端になったということです。また、バレエもされており、その際は自身の身体の動きに注意を払い、そうした固有感覚の重要性を感じられた。つまり、視覚(外受容感覚)と固有感覚(内受容感覚)のバランス、相互作用といったものがこの分野の興味となったということです。

 

講義では、学生に実際に視覚情報について体験させるかたちの、非常に楽しい授業を展開していただきました。

たとえば、腕を伸ばして親指を突き上げ、それを左右に少しずつずらしながら中心視と周辺視を確認させたり(図1)、
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図1 中心視と周辺視の確認


上方に投げた消しゴム、あるいは対峙した相手が投げた消しゴムを片目でキャッチすることの困難さを示したり(図2)、
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図2 片目での消しゴムキャッチ(みな床に消しゴムを落としています)


ビジョントレーニングを紹介したり(図3)、

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図3 フォーカスを前方の指、後方の指と交互に変えていきます


学生も楽しく体感しておりました。

 

他にも、バスケットボールのフリースローでの、熟練者と初心者の注視点の違いや、野球のキャッチャーがフィールドでの指示(バント処理など)をどのタイミングで行っているか、上級者の特徴付けなど、興味深い研究報告をしていただきました。

 

お話のなかで、運動能力を技能(ソフトウェア)と体力(ハードウェア)に分けて構造・構成要素を捉える、ということがありました。これは私たちの分野の課題で、これまで運動体力(エネルギー代謝機能や筋力、呼吸・循環機能など)を指標に、トレーニング効果などを評価・検証してきました。一方、運動技能に関わる知覚機能であったり中枢神経系の機能は評価が難しく、まだまだ課題も多いわけです。その分、興味深いわけですが。。

特に、当方では運動が認知機能に及ぼす影響について研究しており、スポーツにおける状況判断能力(例えばパスを出すかシュートに持ち込むかなど)に関わる高次脳機能に興味を持っております。実験的研究としては実験室(ラボ)で実施することが多いのですが、実際のフィールドでの「認知パフォーマンス」との整合性については検証できておらず、課題として掲げております。そんななか、ラボ実験とフィールド実験の齟齬を示した報告をいくつか紹介いただき、また、フィールド実験においてこそ抽出できるパフォーマンスの解析例などもご紹介いただき、とても興味深いものでした。ゼミ生も卒業研究に大変参考になったと言っておりました。

 

國部先生、ありがとうございました。




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2019.06.10 education

2019/06/08 立命館大学スポーツ健康科学部2期生の草葉怜奈さんより、医療機関で働く健康運動指導士の職務と生きがいについてお話をいただきました。


草葉さんは、健康運動指導士の資格を取得して、卒業後、すぐに医仁会武田総合病院(京都市)に就職され、心臓リハビリテーションに従事され、今年度で5年目になるということです。講義では、まず、草葉さんが行う心臓リハビリテーションについて説明がありました。そこでは、運動指導のみではなく、多職種の方々と協力して、食事指導、心理相談など幅広く行っているということでした。極度の痩せの方で、心肺が2回も停止した患者さんを、まずは座ることから始め、多くの困難を経て、日常生活ができるまで改善させたという経験を話されました。また医療機関で働くことの生きがいと、危険性についてもお話しされました。草葉さんは 在学時に、医療機関でぜひ働きたいということで他の就職活動は全くせず、健康運動指導士の資格を取り、憧れの医療機関に就職されました。その1つの理由は、健康運動指導士の実習を同病院で行った時に、心疾患罹患直後で、安定して座ることもできなかった患者さんがたった1週間のうちにみるみる回復し、それに心臓リハビリテーションが大きく関与しているという実感があったからということでした。今回の草葉さんの講義を聞いて、多くの1回生が健康運動指導士に興味をもち、さらに医療機関においても活躍できることを、卒業生の方から聞けたことは大変、有意義であったというような報告がありました。草葉さんのお話を聞いて、彼女の著しい成長を知ることができ、大変うれしく、さらに多くの立命館大学スポーツ健康科学部の学生が健康運動指導士の資格をとり、医療機関で働いてもらえればと思いました。

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2019.06.10 education

2019年6月6日スポーツ生理学にて、「あなたのお腹は大丈夫?腸内細菌と健康科学の最前線」について講義をして頂きました。

腸は体内における最大の免疫臓器:免疫細胞の約6割が集中して存在、腸内細菌は数百種類の細菌が百兆個あります。この細菌の中から、病気に関わる細菌だけでなく、健康状態や体組成、性格にも関わる可能性も報告されています。さらに、腸内細菌は食事などによっても変動を受けることが明らかになってきています。人生100年時代、腸内環境が健康の維持・増進の鍵になることを分かりやすく説明して頂きました。

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2019.05.27 education

「専門演習Ⅰ」の授業において、島田浩全先生(スポーツ健康科学部卒業・2期生)に「スポーツ健康科学部の学びを実社会に生かすためには」についてご講演頂きました。


 島田先生は、学生時代に経験したことや就活の仕方、メディカル事業部での仕事内容とスポーツ健康科学部での学びで生かされたこと、などについてご講演をいただきました。
 卒業論文で医療機器を実際に使ったことで他の就活生との差別化ができたこと、健康実践指導者の資格が面接時に問われるケースが多いこと、スポーツ健康科学部の幅広い学問領域が実社会の中で生かされていることなど興味深い内容でした。学生からは、どのように就活先を決めたのか、英語力がどの程度必要なのか、具体的な仕事内容などについての質問がなされました。これから就活を行う3回生には非常に興味深い内容でとても参考になりました。ご講演ありがとうございました!

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2019.03.29 education

【新入生・保護者の皆様へ】4月1日新入生オリエンテーションのご案内

新入生のみなさん、

ご入学おめでとうございます。

 

いよいよ41日(月)から立命館大学スポーツ健康科学部生としての日々がスタートしますね。皆さんとお会いできることを教職員、学生一同 心より楽しみにしております。

すでに「新入生のためのスタートアップサイト」で案内しておりますが、改めて当日の集合時間、場所について、アナウンスさせていただきます。

また、BKC正門~ガイダンス会場までの道案内MOVIEを学部公式InstagramUPしております。是非こちらも合わせてご覧ください。

 

【新入生向けガイダンスについて】

集合時間:900

開催場所:900分~

開催場所:ラルカディア R101教室

 

【保護者向け説明会について】

開催時間:900分~1030

開催場所:ラルカディア R102教室

 

【会場までの道案内について】


                                                スポーツ健康科学部事務室より

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2019.01.09 education

健康化学特殊講義の授業時に早稲田大学スポーツ科学学術院樋口満教授に「健康運動科学に関する研究について」お話いただきました。


 健康科学特殊講義の授業時に早稲田大学スポーツ科学学術院樋口満教授に「健康運動科学に関する研究について」お話いただきました。
最初に、1980年代に樋口先生の研究に大きな影響を与えた米国セントルイスへの留学と、そこでのボスであったワシントン大学のJon O. Holloszy先生の1960年代の運動生化学創成期の論文と最後の論文となった2017年の論文を紹介された。そのなかで、素晴らしいボスに恵まれた幸運と樋口先生に続いた日本人研究者の貢献についてお話された。
 次に、早稲田大学の卒業生を対象としたWASEDA’S Health Studyについてご説明があった。この研究は 早稲田大学卒業生で40歳の男女数千名について身体活動量、体力、筋力、筋量、血液、遺伝子等を測定し、20年間追いかけて、それらと生活習慣病発症の関係等を明らかにする壮大な(早大な)研究であるとこのことであった。
 また樋口先生のライフワークであるローイング(ボート漕ぎ)研究についてお話された。ローイングは、多くの生活習慣病の発症予防効果を持つ最大酸素摂取量を増加させ、同時に筋量を増加させることができるので、健康、特に女性の健康増進に有効なスポーツであることを横断的及び介入研究の結果で示されました。
 最後にスポーツ栄養に関する研究でMedicine and Scieces in Sports and Exercise誌の最新号に掲載が決まっている“インスリンショック”に関する研究成果であった。これは、朝食を食べても食べなくても、運動前に多量の糖質(150g)を取ると血糖値が30mg/dlも低下するというもので、朝食の有無にかかわらず運動前に多量の糖質を摂取することは血糖値の低下をもたらし、競技成績に悪影響を与える可能性があることを示唆した論文ということであった。
 今回の講義でお話された内容は樋口先生のこれまで行ってこられた研究のほんの一部であるが、樋口先生の健康運動科学に対する貢献の大きさを知るには充分な内容であり、学生諸君にとっても今後の勉学に多くのヒントを得たものと推測された。

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2018.12.26 education

健康科学特殊議の授業時に日本女子大学定本教授に「運動時の循環調節ついて」お話いただきました。

日本女子体育大学 定本朋子教授の講演では、運動による呼吸循環系の反応の機序について1910年代に発表されたKrogh & Lindhardや1930年代のSmirkの論文にまで遡って、これまで分かっていること、まだ不明なこと、これこれからやるべき研究まで広範に網羅的に説明があった。その内容であるが、運動による心拍数の上昇や血圧の上昇などの呼吸循環系の反応は、脳から発生されれる中枢指令(central command)と活動筋における代謝性センサーからの末梢性反射により制御されている。特に中枢指令は、運動開始前における心拍数の増加というようなfeedforward的な制御や、運動中の心拍数や呼吸反応の一部を担っている。これは、神経・筋接合部の情報伝達を絶った場合でも、運動を想起するだけで心拍数や換気量が増加することにより証明されている。一方骨格筋内の代謝反応は、運動による筋代謝の亢進があって初めて反応がおこるが、循環系に対する影響は大きい。これは、運動時に活動筋の血流を遮断する(筋活動による代謝産物が筋内に残る)と運動を終了しても血圧が高い状態に保たれることにより証明されている。健康との関連では、高齢者及び高血圧患者で筋の代謝性の反射(末梢反射)が異常があることが明らかになり、運動時の循環系応答と健康についての関係が示唆されていることについて紹介があった。

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2018.11.21 education

CiNet の 池上 剛 先生をお招きして研究セミナーを開催しました

20181113 日に、スポーツ心理学を専門とする CiNet (情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター) 所属の 池上 先生をお招きして研究セミナー「日常動作・スポーツ動作を生み出す脳〜自己・他者・環境によって形成される運動学習システム〜」を開催しました。池上先生は、「脳が多様で複雑な動作を制御・学習するメカニズム」を解明することを研究テーマに掲げられており、今回のセミナーでは、「自己」・「他者」・「環境」という三つの視点から、これまで様々な心理学的手法を用いて行われてきた研究について、実際の実験の動画も交えながら、紹介して下さいました。本セミナーでは、研究で得られた結果を紹介するだけでなく、実際のスポーツ指導の現場でどのような応用が考えられるのかについても示され、「理論」と「実践」の融合を試みた、非常に示唆に富むセミナーとなりました。セミナー中も、セミナー終了後も、オーディエンスからは活発な質問が飛び、参加した学部生からも、セミナー後に、池上先生にいくつも質問をぶつけていく姿を見て、このセミナーが幅広い層にとって興味深いものであったという印象を強く感じました。

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2018.11.15 education

2018年11月10日(土)健康増進科学の授業時に健康運動指導士にとって、実際の運動指導に必要な行動変容の理論と実践的適応について、山口大学教育学部の上地広昭先生に講義をしていだだきました。


受講者からは現在アルバイトとして行っている


フィットネスクラブでの運動指導にとって


非常に有益であり、今後の運動指導において


生かせる話であったという感想が聞かれました。

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2018.10.19 education

2018年10月15日に運動生理・生化学特論の授業において、「動脈伸展性を指標として健康増進と競技力向上に関する研究」を実施している日本体育大学:岡本孝信先生にご講演頂きました。


動脈伸展性に関して基礎的な説明を分かりやすく説明して頂きました。
また、有酸素性運動およびレジスタンス運動による動脈伸展性に及ぼす影響の違いや両方実施する場合の順番の重要性、インターバル速歩による効果が通常歩行よりも効果が高いこと、伸張性運動による筋の炎症が動脈伸展性の低下を引き起こすこと、筋収縮様式の違いによる動脈伸展性に及ぼす影響は異なること、短縮性運動後に血管拡張物質であるendothelin-1産生が低下すること、上肢のレジスタンス運動は動脈伸展性を増加させること、低強度レジスタンス運動による動脈伸展性を増加させること、高強度レジスタンス運動後に低強度レジスタンス運動を実施すれば動脈伸展性の低下を予防できること、断続的なレジスタンス運動では動脈伸展性の増加を抑止することなど、様々な運動様式・強度などによる動脈伸展性に関する数多くの研究成果を説明して頂きました。
さらに、カカオポリフェノールやカシス摂取により抗炎症作用から動脈伸展性を増加させることについての最近の栄養摂取による動脈伸展性に対する効果や日常のコンディションに動脈伸展性が関与する可能性についての成果もご紹介頂き、学生の実験や研究の参考に非常になった講演でした。

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2018.09.11 education

グローバル・イノベーション研究機構専門研究員前大 純朗さん(伊坂研究室所属)とスポーツ健康科学研究科博士課程後期課程3回生の佐瀬晃平さん(藤田研究室所属)は、日本体力医学会の国際学術交流奨励賞を受賞し、9/7-9/9に福井で開催された第73回日本体力医学会大会で表彰をされました。

前大さん・佐瀬さんが受賞された「国際学術交流奨励賞」は、日本体力医学会員のうち、2017年8月から2018年7月の間に国際学会で活躍した若手研究者(大学院生を含む)の中から、厳正なる審査の上、国際的に体力科学領域への貢献が高いと考えられる研究者に授与されるものです。

前大さん
発表タイトル:Neural and hypertrophic adaptations to maximal eccentric versus concentric training matched for total work
学会名:BASES Conference 2017

佐瀬さん
発表タイトル:The effect of resistance training on morphology of rat skeletall muscle during food restriction
学会名:ACSM’s 65th Annual Meeting


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2018.09.05 education

生理学研究所の定藤 規弘 教授による集中講義が実施されました。

8/27 () -8/30 () に、生理学研究所の定藤 規弘 教授による集中講義 (先端スポーツ健康科学特論 II:言語思考システム) が実施されました。定藤教授は、PET (陽電子放射断層撮影法) fMRI (機能的核磁気共鳴法) を用いた神経科学・脳科学研究で世界的に著名な研究者です。

研究分野は、「脳内における点字の認識」、「複雑な手運動の脳内機構の解明」、「寄付行為の認知的基盤」、「コミュニケーションの神経基盤」など多岐に渡っています。その研究成果は、Nature Science を始め、これまで数多くの雑誌 (総引用数 2万以上) に掲載されています。

今回の集中講義では、運動制御に始まり、脳の可塑性、社会的認知に至るまで、サル・類人猿・人間でどのような習得や行動が見られるかとその脳内における神経基盤について、PET fMRIを用いた研究を紹介されながら幅広く講義がなされました。


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