SSP設置の背景と経緯
包括的学習者支援体制の構築
立命館大学は、2009年から2010年にかけて、2020年に目指す学園ビジョンと中期計画の検討の中で、「包括的学習者支援」という学生支援の基本的な方針を定めました。これは、正課・課外の枠を前提とした従来の学生支援から、正課・課外の枠を超えて、学生の学びと成長を多面的にとらえて支援していくことを目指したものです。
この基本方針に基づき、従来から運営を行ってきた学生サポートルーム(1997年開設)、障害学生支援室(2006年開設)に加え、2011年には特別ニーズ学生支援室を開設し、精神・発達障害学生だけでなく、困り感のある学生に対しても広く支援を開始しました。
また、学生サポートルームの利用者数や障害学生支援室(2016年に障害者差別解消法の施行にあわせて、障害学生支援室と特別ニーズ学生支援室を統合)における支援学生数が増加し続けていた背景からも、全国から多様な学生が集まる本学において、学生の多様性を花開かせるための自立と成長のための支援の構築の必要性が高まっていきました。
学生からの要望に基づく、
正課・課外を通じた
自立と
成長の支援プログラムの設置
2016年度に行われた学生と大学との協議の場である全学協議会において、「学生は正課と課外全ての学生生活を通じて、多様な他者との交流や主体的な活動の中で学び成長すること」を学生と大学の共通認識として、求められる学生支援について議論が行われました。本学では、約7割の学生が多様な課外自主活動を行い、世界や全国トップレベル等、高い水準で活動している団体も多く存在しています。このような実態を踏まえて、学生から、①正課と課外の両立に困難を抱えている学生への支援、②クラブ・サークル等の団体の組織運営やマネジメントへの支援の充実が求められました。
本学では、課外自主活動の中でも体育会クラブの活動については、「立命館スポーツ宣言」(2014年4月)や「学生アスリートの誓い」(同年2月)を制定し、スポーツを学生の成長の場とみなすとともに、学業とスポーツの両立に努めることを明確にしてきました。また、「学業ガイドライン」(公式戦・大会出場のための修得単位数基準)の制定や、「スポーツ能力/文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験」合格者への入学前・入学後支援等を通し、学生やクラブに対する指導・支援を行ってきました。
このような背景からその後の展開として、学生それぞれが個別の夢や課題を抱え、目標、能力、意欲も異なるという現状において、学生一人ひとりが自分に応じた目標を設定し、その到達に向けて一人ひとりに適したサポートを行う体制が求められていました。このため、2017年度より、学生「一人ひとり」が最大限の「成長」を遂げられるよう学びの主体として「自立」していくための学生支援としてStudent Success Program(SSP)を開設しました。
SSP設立・学生部の学生支援発展の経緯
1997年 |
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2001年 |
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2006年 |
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2009年 |
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2011年 |
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2014年 |
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2016年 |
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2017年 |
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2018年 |
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