立命館宇治 Panthers 同志社国際に破れる

Team
1Q
2Q
3Q
4Q
Total
立命館宇治
0
0
0
7
7
同志社国際
0
0
0
8
8

2002年10月12日(土)同志社国際高校グラウンドにて立命館宇治対同志社国際戦。この試合は事実上京都大会の決勝ともいうべき試合で、これまでのリーグ戦において両チームは全勝どうし。

「必死」・・・負ければ三年生は引退。何としても全国へ行きたい。その気持ちは選手たちの一挙一投足に表れる。この日のディフェンスは最高。得点力のある同志社のオプションプレーをほぼ完封に近い形で封じ込め、オフェンスは要所要所でパスを有効に活用したプレーで前進を目指す。しかし両者とも必死。第四クォーター7分まで得点は動かず。均衡したゲーム。フィールドの選手だけでなくベンチも一体となって集中した状態が続く。前年大産大高校に勝利したときのベンチの雰囲気がそこにあった。相手がどんなに強くても、自分たちの体が小さくても、全員がひとつになれば何でも可能になる。声を嗄らさんばかりにベンチ全員がコール。マネージャーは選手の世話をしながらグラウンドを祈るように見つめていた。

「先制」・・・先制点は立命館宇治が奪った。第四クォータ、じりじりと立命オフェンスが進み始め、そしてとうとう左オープンを突きゴールラインを割っての先制。会場が沸いた。ベンチの喜びは最高潮に。長い長い均衡を破り、「勝てる」誰もがそう思った瞬間。

「隙」・・・・しかし、まだ残り3分残っている。同志社国際、キックリターンで大きく前進。得点の均衡が崩れたせいか雰囲気が違ってきた。ゴール前に詰め寄り、右奥隅へのパスで同志社国際がタッチダウン。トライフォーはプレーが成功し2点。逆転された瞬間。残り2分を切り、立命はパスを試みるが成らず。時間が来てゲーム修了。

以上が試合の流れと結果。

この試合で得たものは大きい。それは敗けたはずなのに応援してくれた観客の顔を見れば分かる。誰もが「いい試合だった」と語る。「感動」という表現を使うものもいた。勝ちたいという気持ちがストレートに見え、必死で頑張る姿が心を動かす。無理を可能にする。これが Panthers なのだ。プレーは11人じゃない。ベンチにいる選手やマネージャーやコーチや応援してくれるチアリーダーや保護者やOB、クラスメート、みんなの心が集まって「あの状態」が生み出される。あれは自然発生的に生まれたものではない。キャプテンの片山をはじめとして三年生の思いがいろいろな場面 で有言無言に語られたこと、三村、塚本をはじめとするマネージャの献身的なサポートが心を強くしたこと、はじめの炎が伝わって広く大きくなったのだということも大切な教訓。

「敗け」という結果は認めざるを得ない。現時点では同志社国際の方が強い。それが結果 だ。でも、その位置関係を変えられそうだったことも事実。それはどうすれば可能だったかも後から振り返れば、思えば沢山ある。大切なのは、その瞬間に正確に責任をもった判断がいかにできるのかということ、常に力を100%出し切れるということ。 それが「最後の2分」の課題だ。この課題は非常に大きくて重い。それは個々の人間性や生き方、考え方に関わることだからだ。 フットボールをしている時間だけで身に付くというものでもない。 あらゆる瞬間において自分を試さなくてはならない。そういう課題。

チームづくりはまた初めからやり直し。来春、必ずや京都での優勝を勝ち取ろう。

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