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【IBコース】CAS・EE表彰式を開催 ― 探究と実践の成果を称えて

立命館宇治高等学校IBコースでは、このたび毎年恒例となる「CAS(Creativity, Activity, Service)」および「EE(Extended Essay)」の表彰式を開催しました。 IBコースの核となる3つの要素――CAS、EE、そしてTOK(Theory of Knowledge)は、国際バカロレア教育の精神を体現する重要な柱です。今回の式典では、校長先生、CASコーディネーター、EEコーディネーターの祝辞のもと、コース全体で生徒たちの努力と成果を称えました。




■ 受賞者の紹介

今年度は以下の生徒が優れた成果を収め、表彰されました。

  • Principal’s CAS Award:10名
  • Principal’s Outstanding CAS Award:4名(特に優れたCAS活動に対して)
  • Principal’s Award for Outstanding Senior Research(EE):6名
     (数学2名、理科2名、歴史1名、日本文学1名)


受賞した生徒たちは、今回の成果を大学出願にも活用し、さらなる挑戦へと歩みを進めます。コース全体としても、学術的な探究と社会的な実践の両面で卓越した姿を見せており、2週間後に迫るIB Diploma試験に向けても大きな期待が寄せられています。


■ 式典の意義

EEは高校生にとっての“卒業論文”とも言える活動です。生徒たちは自らテーマを立て、10か月にわたり調査・分析・執筆を重ね、英語4,000語または日本語8,000字に及ぶ論文を完成させました。科学や文学、社会、芸術など多様な分野で独自の問いを立て、自らの答えを導き出した経験は、「知識を受け取る」学びから「知を創り出す」学びへと成長した証です。

CASは、学びを社会とつなぐ実践の場です。スポーツ、芸術、地域貢献などを通して生徒たちは「自分の行動が社会にどのような影響を与えるか」を考え続けました。その過程で、創造力や共感力、行動する知性を育みました。



校長挨拶(全文)

本日は、立命館宇治高等学校IBコースにおける EE(Extended Essay)およびCAS(Creativity, Activity, Service)の表彰式にあたり、このように皆さんとお会いできることを、大変うれしく思います。 まずは、見事に優れた成果を収めた皆さんに、心からお祝いを申し上げます。 


国際バカロレア、すなわちIBプログラムは、単に知識を詰め込む学びではありません。「問いを立て、考え、行動する力」を育てる教育です。 探究心、批判的思考力、国際的な視野、そして自律的に学ぶ姿勢を育むことを目的としています。 その中核となるのが、EE・CAS・TOKの3つの“コア”です。 この3つの柱は、まさにIBの精神を体現しています。 皆さんが今日ここに立っているのは、その核心に真正面から挑み、やり抜いた証です。 


さて、まずは EE(拡張論文)についてお話しします。 EEは、まさに高校生の「卒業論文」にあたるものです。 およそ10か月という長い期間をかけて、自ら研究テーマを立て、調査・分析を行い、そして最終的に英語で4000語、日本語で8000字におよぶ論文を完成させます。 その過程には、決して簡単な道はありませんでした。 テーマを決めるまで悩み、資料が見つからず苦しみ、何度も書き直しを重ねながら、それでも前に進み続けた。その努力の積み重ねこそが、今日の成果です。 


科学実験を重ねた人。 地域や大学の研究者と交流し、データを分析した人。 文学・社会・芸術・哲学など多様な分野で、独自の視点から論文を書き上げた人。 それぞれが、自分の問いを探し、自分の答えをつくり出しました。 EEを通して、皆さんは「学ぶ人」から「創り出す人」へと成長しました。 知識を受け取るだけではなく、自らの問いを立て、世界に向かって考えを発信する。 それこそが、IBの真髄であり、EEの最も尊い価値です。

 

そしてもう一つ。 皆さんが熱心に取り組んできた CAS(創造性・活動・奉仕)です。 CASは、学びを「社会とつなげる」実践の場です。 授業を離れ、放課後や休日、時には長期休暇も使って、創造的な活動、スポーツ、芸術表現、地域貢献、さまざまな形で「自分と世界を結ぶ」挑戦をしてきました。 その活動の数は、ひとりにつき10種類、20種類に及ぶこともあります。 写真や映像で記録し、振り返りを重ね、何度も“なぜこの活動をするのか”を問い直してきました。


皆さんは、単なるボランティアや課外活動を越えて、自分の行動が他者や社会に与える影響を深く考えました。 仲間と協働し、時に意見がぶつかり、それでも対話を続け、乗り越えてきました。 そこには、教科書では学べない「生きた学び」があります。 創造性、挑戦、そして奉仕――。 そのすべてを通して、皆さんは「行動する知性」を身につけました。 CASは、まさに人としての成長を映し出す鏡です。 


今日の成果は、皆さん一人ひとりの努力の結晶であると同時に、先生方の丁寧な指導、ご家族の温かい励まし、そして仲間たちの支えがあってこそ成し遂げられたものです。 この場を借りて、どうか感謝の気持ちを言葉にしてください。 「ありがとう」と伝えることもまた、立派な行動のひとつです。


EEとCASで培った経験は、皆さんのこれからの人生における確かな礎(いしずえ)となります。 EEで培った探究心。 CASで育まれた行動力と共感力。 この二つがあれば、どんな困難な道に出会っても、きっと乗り越えられるでしょう。


これからも「自ら問いを立て、他者と協働し、社会に貢献する」 その姿勢を大切にしてください。 立命館宇治で育んだ知性と情熱、そして優しさを胸に、これからの世界を切り拓いていってください。





■ 編集後記

校長先生のご挨拶が示すように、IBコースの学びは「考える力」と「行動する力」を両輪として、生徒一人ひとりの成長を支えています。 本表彰式は、探究と実践の成果を全員で称え合う、立命館宇治らしい温かな時間となりました。 受賞者のみなさん、本当におめでとうございます。

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