新ビジネスとベンチャー企業

今、米国著作権法にあるフェアユース※1(公正な利用)を日本でも取り入れようとする動きがあります。日本の著作権法は、著作権が及ばない例外を一つずつ規定しており、当てはまらないケースはすべて違法と捉 えられる形態です。一方フェアユースは、問題となっている利用行為が「公正(フェア)」と判断されるもの であれば、著作権者の許諾なしにその利用を認めるという制度です。公正かどうかは裁判所の事後的な 判断によるため、これまで著作権侵害を恐れ、金縛り状態だった利用者も、裁判で自らの行為がフェアと 判断されると信じるのであれば、行動を起こすことができ るようになります。フェアユースの導入によって、ベンチャー企業や新規事業の活発化が期待されています。実際アメリカでは、グーグルに代表される新しいコンテンツビジネスの多くがフェアユースを活用して成功しており、 その経済効果は多大です。グーグルは著作権問題と常に 隣り合わせていますが、企業は社会の公益性を主張し、社会はこのビジネスをフェアだと認めています。著作権法の制限のあり方を考えることは、企業や国の経済成長の 手助けに繋がっているのです。

2006年米国GDPにおけるフェアユース産業の占める割合
(FAIR USE IN THE U.S. ECONOMYより)