会社も法律を守り、労働者も法律を知る。

会社は社会的な存在です。単に利潤を追求するだけではなく、社会の一員として、コンプライアンス(法令遵守)が求められます。そのために、会社自らが業務を公正に行うことのできるような内部統制の仕組みを設けることが大切であり、日本版SOX法と呼ばれる法律も2008年4月からスタートします。しかし一方で、会社自身の取り組みだけでは限界もあります。もちろん、会社は、会社の重要な構成員である労働者についての法律を守らなければなりませんが、経営者と労働者双方を結びつけるのは労働契約ですから、労働者自身も法律を知ることで、一人ひとりが自分にあった働き方を模索していけるようになるのではないでしょうか。さらに、会社の活動を実際に担っている労働者が、会社のあり方について発言していくことも重要であり、それが会社の発展にもつながります。将来どの様な職に就くとしてもより良い労働環境を生み出し、健全な社会づくりのために、法学部で法を学ぶ意義があるのだと思います。