株主にも法の知識が求められる時代です。

最近、新聞などでよく目に付くのは、会社が他の会社を一方的に乗っ取ろうとするような、積極的なM&Aの事件でしょう。例えば、楽天がTBSの株を大量に購入し、TBSの支配権を取得しようとしましたし、アメリカのスティール・パートナーズがブルドック株式会社の株を大量に購入した事件も、どこかで目にしたことがあるかと思います。

TBSやブルドック株式会社の株主にしてみると、会社からの配当(会社の利益の分け前)がより多くもらえさえすれば誰が経営者でもよいのかもしれませんが、このような投資目的で株式を取得していても、よその会社が突然敵対的な買収工作により会社の経営に干渉してくると、株価がいったん大きく下落するなどの影響を受けることになります。

そのため、株主の権限を行使して、株主総会で新株発行を認め、会社の全体の株の数を増やして相手の支配力を相対的に低下させるような防衛策を取ることが考えられます。TBSの株主もブルドック株式会社の株主も、株主総会で買収工作に対抗するための新株発行を認めました。

みなさんも、将来いくつかの会社の株を買うことがあるかもしれませんので、株主としてどのような権利があるかを知っておくことは重要でしょう。