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- 株主訴訟って何?(田村 陽子 准教授)
最近、新聞などでよく目に付くのは、会社が他の会社を一方的に乗っ取ろうとするような、積極的なM&Aの事件でしょう。例えば、楽天がTBSの株を大量に購入し、TBSの支配権を取得しようとしましたし、アメリカのスティール・パートナーズがブルドック株式会社の株を大量に購入した事件も、どこかで目にしたことがあるかと思います。
TBSやブルドック株式会社の株主にしてみると、会社からの配当(会社の利益の分け前)がより多くもらえさえすれば誰が経営者でもよいのかもしれませんが、このような投資目的で株式を取得していても、よその会社が突然敵対的な買収工作により会社の経営に干渉してくると、株価がいったん大きく下落するなどの影響を受けることになります。
そのため、株主の権限を行使して、株主総会で新株発行を認め、会社の全体の株の数を増やして相手の支配力を相対的に低下させるような防衛策を取ることが考えられます。TBSの株主もブルドック株式会社の株主も、株主総会で買収工作に対抗するための新株発行を認めました。
みなさんも、将来いくつかの会社の株を買うことがあるかもしれませんので、株主としてどのような権利があるかを知っておくことは重要でしょう。
- 倒産処理の制度には、会社をつぶす清算型の破産手続のほかに、会社をつぶさずに建て直す再建型の民事再生手続や会社更生手続があります。破産手続を採りますと、会社は解体され、消滅することになるので、従業員は勤め先を失うことになりますが、最近、倒産した英会話学校のNOVAは、会社更生手続を採りましたので、会社自体は、基本的に存続し、責任ある経営者の交代や組織再編により立ち直ることができます。従業員も、そのまま働き続けることができます。
- 【倒産】
- 単に経済状態が悪いだけではなく、借金がかさみ長期的に返す目処がたたない決定的な経済的破綻状態。破産は、倒産状態の中でも最悪の経済的破綻状態を意味します。