国民生活と納税者の権利。

国民の三大義務に教育・勤労・納税があります。そして、すべての国民は教育を受ける権利と勤労の権利 を有しています。なぜ、納税だけが義務であって権利ではないのでしょうか。欧米では、「代表なければ課税 なし」のスローガンの下、納税は権利として考えられてきました。英語で納税者は“Tax Payer”と表現されるように、日本ではお上に「納める」べき税金が、社会保障やインフラに対する“pay”、つまり対等な立場での 「支払い」と認識されているのが通常です。日本の租税制度は徴収する側の財政の論理から語られることが多く、国民の生活や財産権※1などの権利を守るという 納税者の側から十分な議論がなされていません。ここ数年、消費税率の引上げ論議が活発ですが、国民生活を 圧迫し逆進性※2が問題となる消費税を本当に増税する 必要があるのでしょうか。それよりも、もっと税金の使途を 明らかにしてもらわなければ、私たち国民は増税に対する 費用対効果や税金の使われ方が正しいものであるかを チェックすることができません。生活と密接に結びつく税法の正しいあり方を考えることは、国民生活と納税者の権利を守るための非常に意義のある学びといえます。

平成20年度一般会計当初予算(国)