在学生・修了生の声

多様な専門分野の教授・院生・留学生との議論を通じて考える力・伝える力が鍛えられた

長谷川 晴子 さん

政策科学研究科 博士課程前期課程 2回生

在学生

大学の入試広報部で事務職員として勤務しています。大学院進学を考えたのは、就職して間もなくのこと。このまま仕事を続けるだけでなく、自分から積極的に学び、将来のキャリアアップにつながるような力をつけたいと考えるようになったからでした。大学時代に移民問題を研究し、また現在の職場で留学生を見る中で、留学生のキャリア形成支援について見識を深めたいという思いも膨らんでいました。政策科学研究科を選んだのは、そうした分野に精通する教授がいらっしゃったからです。それに加えてフルタイムで働く私にとっては、夜間開講科目があることも魅力でした。

1回生では、授業と「リサーチ・プロジェクト」、教授への研究相談のため、週2・3回、大学に通学。仕事を終わらせて大急ぎで大学に向かい、夕方6時に始まる授業に駆け込むのは、いつもギリギリのタイミングですが、先生方も社会人学生の事情を理解してくださるので、通い続けることができました。

授業(政策アドバンスト研究)は、3週間ごとにタームが変わるオムニバス形式で、専門の先生と外部講師の2人から講義を受けます。デジタルツールの活用法や政治、社会福祉など、幅広いテーマを学べるのが良いところです。また「リサーチ・プロジェクト」でも、大学院生の研究経過発表に対し、専門分野の異なる4名の先生から指導やアドバイスを受けられます。研究に集中すると、視野が狭くなりがちですが、多様な分野の知識が増えることで、視界が大きく開けるのを実感しています。

とりわけ新鮮だったのは、一方的に教授の話を聞くだけでなく、ディスカッションが活発に行われることです。私自身の意見を求められることも多く、与えられた情報の中で「自分はどういう意見なのか」を考える力やそれを伝える力が鍛えられました。また外国人留学生が多く学んでいることにも驚きました。議論の中で、バックグラウンドの異なる留学生から思いがけない意見を聞くことも少なくありません。日本語はもちろん英語など多言語を習得している留学生も多く、熱心に学ぶ姿勢に「私ももっとやらなきゃ」と刺激を受けています。こうした仕事では出会えないさまざまな人と机を並べて学び、議論する経験は、政策科学研究科に進学しなければ得られないものでした。

2年目となる今年は、修士論文作成に向け、いっそう研究に力を注いでいます。国際教育に力を入れる複数の大学で、キャリア担当職員や留学生を対象に調査を行い、キャリア形成支援の取り組みや課題を明らかにし、政策提案にまとめ上げていくつもりです。

思い切って大学院に進学し、仕事との両立に試行錯誤しながらも1年間やり遂げられたことは、大きな自信になりました。それが、英語力の強化や韓国語の習得など、新たな挑戦にもつながっています。今後はキャリアコンサルタントの資格取得も目指すつもりです。将来は、実務の中で留学生のキャリア形成支援に貢献したいと考えています。