在学生・修了生の声

大学院で研究を深めたことが地域で再エネ事業に取り組む企業への就職に直結

齊藤 優里花 さん

エネルギー企画部 2022年入社

修了生

再生可能エネルギーに関心を持ったのは高校時代、学校の課題でバイオマス発電について研究したことがきっかけでした。政策科学部を志望したのも、環境に関わるゼミがあると知ったからです。希望通りのゼミに入り、卒業研究では、地域における再生可能エネルギーに注目。それに出資・協力する人々の心理について研究しました。卒業論文をまとめたものの、地域の役割については研究し尽くせなかったという思いが残ったことが進学を考えた理由です。「もう少し研究を続けたい」。そう思い、大学院進学を決めました。

修士論文では、バイオガス発電に焦点を当て、私の地元である北海道の下川町と鹿部町をフィールドに調査を実施。酪農業や林業といった地場産業で発生する余剰資材や廃棄物を原料に発電する仕組みを研究し、こうした再エネ事業が、地域の環境や社会、経済にどのような効果をもたらすのかを明らかにしました。

政策科学研究科で学び、特に力になったと感じているのが、「リサーチ・プロジェクト」です。毎週1回のゼミでは、指導教官だけでなく、幅広い学問分野の先生方から指導を受け、非常に充実していました。発表を聞いた他分野の先生から、「地域産業や郷土の歴史についても調べてみては?」とアドバイスをいただいたことで、研究の幅が広がりました。

もう一つ印象深いのが、リサーチ・プロジェクトの先生・院生と北海道に実地調査に赴いたことです。実際に現地に足を運び、下川町の自治体の方にインタビューしたことで、文献ではわからなかった知見をえることができました。また調査計画を立て、自分で自治体などにアポイントを取り、インタビュー資料を送付したことも、良い経験でした。目標を立てて、それを達成するにはどうすればいいかを考え、実行する中で養った行動力・実行力は、現在の仕事にも生きています。

前期課程修了後、地域への貢献を大切にして再生可能エネルギー事業に取り組んでいるところに共感し、地元北海道のエネルギー企業に就職。政策科学研究科で学んだことが、進路選択に直結しました。

現在は、会員向けのウェブサイトの運営やサービスの企画に携わっています。会員数を増やすためのキャンペーンを企画したり、実施後の効果検証が主な仕事です。大学院で、仮説を立ててそれに基づいて調査し、考察するといったプロセスを繰り返し経験し、論理的に考える力や、説得力を持って相手に伝える力を磨いたことが役立っています。

いずれは再エネ事業に関わることが目標です。政策科学研究科で得たことを糧に、地域社会に貢献する環境対策のあり方を見出していけたらと考えています。

多様な学問分野の先生に指導を受けながら、自分の関心を自由に追求できるのが、政策科学研究科の最大の魅力です。長い人生を考えたら、大学院の2年間はあっという間です。ぜひ皆さんもチャレンジし、好きなことを思う存分究めてください。