研究科長挨拶

社会学研究科長
竹内 謙彰

立命館大学大学院 社会学研究科長 竹内謙彰

 社会学研究科は、産業社会学部(1965年度創設)の基盤の上に、国内外の諸課題に応え、社会にその成果を還元しうる優秀な研究者と各専門領域における専門職業人の輩出を目的として1972年に設置され、発展を遂げてきました。その特徴として、以下のような諸点をあげることができます。

 第1に、複眼的で多角的な視座の獲得を重視している点です。現代社会は、環境問題にせよ格差・貧困問題にせよ、様々な要因が絡み合った形で私たちに問題を投げかけてきます。日本を含む世界で生じてきているこうした諸問題の解決のためには、諸科学の連携や総合が求められています。そのためにこそ複眼的・多角的な視座が求められるのですが、本研究科を担当する教員の専門分野の多様性は、そうした求めに応えうるものだといえるでしょう。本研究科では、社会学を中心としつつも、社会諸科学の協同によって、先端的で多面的・学際的な理論的・実証的研究を行うことを重視しており、学際性がその重要な特徴の一つとなっています。その特徴をいかして、環境、都市、産業、家族、労働、地域、消費者、文化、人間、社会理論、社会病理、余暇、スポーツ、芸術、マスコミ、メディア、社会政策、福祉、教育、発達など多彩な分野の研究を進めていくことができます。

 第2に、上述した現実の諸問題と関わる学際的な研究活動が、まさに活発になされている点をあげることができます。その一つの成果が、「社会学」分野における科研費新規採択の2017年度全国1位、また「社会福祉」分野でも、2017年度全国2位という実績にあらわれています。

 第3に、大学院生の教育への満足度が高いことも特徴の一つです。毎年実施されている「大学院生の学びの実態調査」や社会学研究科懇談会、あるいは社会学研究科HPに掲載されている「院生VOICE」の内容などにも示されていますが、カリキュラムや科目編成、ゼミ形式の研究指導に対して満足度が高くなっています。個々の教員の熱心な指導とともに、院生と研究科とが課題を共有する取り組みを積み重ねてきたことが背景にあるといってよいでしょう。

 そのほかにも、国際プログラムとして、Dual Master's Degree Program (DMDP)や院生カンファレンス (IPAC)を位置づけていること、あるいは進路・就職支援と関連して、インターンシップ科目の「応用社会学実習」、資格取得講座(「専門社会調査士課程および教職課程」)の配置、キャリアオフィスと連携したキャリア形成支援などにも取り組んでいることが特徴としてあげられます。

 こうした諸特徴を持った社会学研究科で、大学院生同士切磋琢磨しつつ、ぜひ旺盛に研究活動を進めてください。ただし、実際に研究を進めるにあたっては、「学問に王道なし」です。社会科学を含めいかなる研究も、安易な方法や近道はなく、多大な時間と労力をかけた地道な取り組みが必要です。しかし、そうした厳しくも主体的、能動的な営為は、研究力量の向上とともに研究者自身をも成長させずにはおかないでしょう。大学院生諸君の研究成果が、本学の教学理念である「平和と民主主義」の日本ならびに世界における発展に寄与することを期待します。