■ 映像学部の概要について教えてください
近年の情報化社会・デジタル技術の進化に伴い、芸術として、メディアとして、あるいは産業としても映像の可能性は飛躍的な広がりを見せています。そのような社会の中で、立命館大学は総合大学で初めて「映像学」を全面的に扱う映像学部を立ち上げることになりました。映像学部のコンセプトは、「映像学の全般を学んだうえで映像のプロデューサーマインドを持った人材をつくる」ということにあります。
このプロデューサーマインドとは、「自分で映像を作る能力」、「映画の背景や特徴そのものを理解する能力」、「ビジネスに関する理解と映像を作る技術を持ったうえで、社会に発信し社会的な機能を与えられる能力」のことで、映像学部では、一般的に想像される映像プロデューサーは勿論、これら3つの要素を持った人材を育成することを目指しています。
具体的には、映像制作、映像文化、映像テクノロジー、映像プロデュースの4つの学びのフィールド、それぞれに応じてクリエイターから研究者、技術者、プロデューサーまで、幅広い人材育成を目指します。
■ 映像学部のカリキュラムについて教えて下さい。
1回生の特徴的な授業では、クリエイティブ・リーダーシップ・セミナ―と映像文化研究があります。クリエイティブ・リーダ―シップ・セミナーは連続ゲスト形式の授業で、映像制作などの第一線で活躍する方に来ていただき、作品などについての講義をお願いします。この授業によって、1回生の時点から、第一線で活躍する方の話を聞くことで明確なキャリア形成の意識を持ってもらいたいと思います。映像文化研究は映画を鑑賞しそのレポートを書くという授業です。
2回生では、実習が入ってきます。基礎的な映像技術を学んだり、ゲームなどの双方向性のある技術について学んだりします。演習は、グループワークによる制作やマネジメントを行う授業で、実習では3回生からの演習で必要な技術、表現力を学びます。つまり、実習で学んだことを応用し、どれだけ演習で実際に作っていけるか、グループワークなどを通して、対人コミュ二ケーション能力とものづくりの姿勢を共に養っていくことを重要視しています。
3回生では、インターンシップがあります。映像学部のインターンシップでは、松竹グループや、テレビ局、ゲーム会社などでの実践的なプログラムを計画中です。全員が参加でき、通常のセメスター開講中にも2ヶ月間参加できることが特徴です。それに合わせて1セメスターを半分にしたクォーター制にし、単位取得に不利がないよう工夫されています。
インターンシップを重視しているのは、社会の厳しさを知ることで、社会を意識しながら学んでいけるようにと考えたからです。立命館大学だからこそ経験できる貴重な場に、積極的に参加してもらいたいと思います。
4回生では、卒業制作を行います。またインターンシップで見えてきた、自分に必要な分野の授業を取ることも出来ます。
また、使用する機材の問題などもあり、他学部への開講が難しい実習科目もありますが、設備面で支障の無い講義などは他学部の学生にも極力開講したいと考えています。
■ この学部ではどのような進路が考えられますか?
映像関係の産業で、具体的には映画会社、ゲーム会社、放送局、映画配給会社、ウェブ関係といったものがあります。また、文章と映像の双方の表現力を持った人材として一般企業の営業関係も考えられます。さらには学芸員の資格や情報の教員免許の取得も可能です。
■ 映像学部にはどのような先生がおられるのですか?
映像学部の中にはアート系・テクノロジー系・ビジネス系の3つの分野があり、多様な先生が揃っています。それぞれの分野から総合的にアプローチしプロデュース能力を育成します。
また、講義では各界の第一線で活躍する豪華な教員陣が顔を並べています。アカデミー賞ノミネート作品『たそがれ清兵衛』でもおなじみの山田洋次監督、ファミコンの親として知られる上村雅之氏、‥‥その他多彩な教員の方々から講義していただきます。太秦(うずまさ)撮影所を利用した京都ならではの実習もあり、まさに「現場」の空気を感じられる、豊かな環境で学ぶことが可能です。
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