RS Web 学園通信
立命館大学 | Infostudents

立命館大学を卒業後、国家公務員の仕事に就かれたOB松川伸治さんに国家公務員の仕事、求められる能力等についてお話を伺いました。

内閣府 北方対策本部勤務
松川伸治 さん
2003年法学部卒

現在の仕事内容を聞かせてください。

現在所属している内閣府北方対策本部は北方領土問題に関わる国内対策を中心に扱う組織です。対ロ交渉などは外務省の担当ですが、関係各省間の総合調整、元島民の方への援護、返還運動の推進などは内閣府が担当しています。最近、私が担当した主な仕事としては、北方四島での地震火山調査を行うために専門家を現地に派遣したことや、北方四島へ渡航するために望ましい船の基本仕様等に関する研究を民間シンクタンクとともに実施したことなどが挙げられます。

公務員という仕事のやりがいを教えて下さい。

国家公務員は国民の一般意志を形にする仕事です。社会における問題が多様化した現代にあっては、様々な情報の収集・分析や、多くの関係者との利害調整などを経て、1つ1つの仕事を地道に積み重ねていくことが求められます。ハードルは高く、業務内容も多岐に渡るので、1つの仕事を成したとき、得られる自信や達成感は他では味わえないやりがいを感じます。

公務員に求められる能力を教えて下さい。

公務員だからということで、何も特殊なことが求められるのではなく、考えて行動することができ、なおかつ幅広い視野を持つといった当たり前のことが第一に求められます。

ただ、公務員には『万事につきなるべく広くかつ浅き理解を得ること』が求められるというようなことが昔から言われますが、現在は、しっかりとした専門性を持ち、その上で多角的な視点から、1つ1つの問題に対して解決策を導き出す人が求められています。

1つの柱となる専門性が備わっており、その上で問題解決のための幅広い視野を持っている方をT字型、更に2つ以上の専門性をも備えている方をπ字型など言いますが、今後はそうした拠って立つべき専門性を備えつつも、幅広い課題に対処できる人材が益々必要となっていくのではないでしょうか。

公務研究科への期待

私は学生時代、エクステンションセンターの授業を通じて知り合った他学部の友人たちと交友を深めることで、自分の専門分野以外の様々なことを学び、まさしく切磋琢磨できました。公務研究科でも、様々な専門性や経験を持った学生と共に、同じ目的を持って学ぶことで、大きな効果が得られることが期待できると思います。

また、政策に携わろうとする意欲のある人を確保し、然るべき専門教育が施されることにより、先ほど申しあげたような人材を養う受け皿になります。特にリサーチ・プロジェクトを通じて実務を経験することは、仕事内容や公務員に対して偏見のない正確なイメージを持つことが出来るようになるのではと期待しています。

最後に立命館で学ぶ人へのメッセージをお願いします。

大学や大学院で学ぶ期間は、非常に短いながらも汎用性の高い貴重な期間です。どのようなことであっても学んだことや経験したことが無駄であるということはありません。何に対してもいい加減な気持ちではなく、全力を尽くして充実した毎日を過ごしてもらえればと思います。

また、公務員を目指す人に関しては、正確なビジョンを持つことが大切だと思いますので、そのためにはせっかく豊富にいる先輩やOBに対して積極的に連絡をとるなど、出来ることは全てやるのが良いでしょう。

 
 
取材・文 田中吉政(政策科学部4回生)
© Ritsumeikan Univ. All rights reserved.
このページに関するご意見・お問い合わせは 立命館大学広報課 Tel (075) 813-8146  Fax (075) 813-8147