■ 学生時代からの先生の経歴を教えてください。
「習うより慣れろ」の精神により、多摩美術大学在学中からCMディレクターなどの仕事をしていました。映像現場の第一線で学ぶことで、実践的な技術やクリエイティブな分野について学ぶことができたと思います。それから『糸井重里のバス釣りNo.1』シリーズなど、任天堂
株式会社をはじめとして多数のゲーム制作に関わりました。そして、1991年に株式会社ダイスを設立しました。そのあと、自らが総合ディレクターとして、ゲームと映像が融合した新感覚ゲーム「SIGNAL」などの制作を行いました。
■ 今後、研究したいことなど教えてください。
まず、ゲームニクス理論です。今では家電製品や携帯電話など、その性能やシステムが多様化しています。しかし、性能を使いこなせていないという人もかなりの数存在すると思います。一方、ゲームをする場合、皆さんはなんとか内容を攻略しようと頑張るでしょう。ゲームというのは次に進みたくなるようにできているからです。そのようなゲームの方法論を利用して、複雑な性能やシステムについて、ゲームをするように攻略、理解していこうという考え方がゲームニクス理論です。
もうひとつのテーマがゲームマスコミを作ることです。現在の雑誌などは、内容を紹介するだけで評論したりして高めあうフィールドとは成り得ていません。ゲームについて発信していくマスコミを作り、よりゲーム業界が発展していくことを期待しています。
また、映画・CG・ゲームが融合したものを作ってみたいですね。
■ どのような講義をされるのですか?
スタイルについては、基本的に学生の顔を見てから決めたいと思っています。それぞれ学生の個性を壊すことなく、大切に育てていきたいですね。共にクリエイトしていく仲間作りも大切にしたいと思っています。
■ 先生の思われる映像学部の魅力はどこにありますか?
立命館大学が総合大学であるということを活かして、専門学校とは違うクリエイティブな体験ができることだと思います。学内には、映像とは直接関係のない学問分野もたくさんあり、もちろんカリキュラムにそれらの科目も含まれています。そういった幅広い分野から知識が得られることが強みだと思います。生粋のクリエイターとは一味違うクリエイティブな力を発揮し、彼らとは違った立場での活躍が期待できるのではないでしょうか。また、企業にはできない大学ならではの先進的なチャレンジが可能なことも魅力のひとつだと思います。そういう意味では、総合大学としての強みをフルに活かしていきたいです。
■ どのような学生に来て欲しいですか?
総合大学としての映像学部なので、映像に興味を持っていて、さらにその他にも得意分野のあるような人に来てほしいですね。自分の得意なものとクリエイティブな力を合わせることができれば、また新しいものが生み出せると思います。もちろん本格的に学習する場も提供されているので、本格的に学びたい方も歓迎しています。
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